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ビジネス書、の前に自己啓発書、の前に哲学書、の前に宗教書

今までビジネス書を読み、自己啓発書を読み、哲学書を読み、宗教書を読みました。
より良い何かをしたり、自身がより良い何かになるためです。
振り返ると、随分遠回りしたように思います。
これらの経験は誰かにとって、仕事をするためや、生きるためや、死を考えるためのヒントになるかと思い、つたない紆余曲折の読書遍歴を以下に記します。

『それにつけても金の欲しさよ』

様々なビジネス書が発刊されています。
・いかにして営業利益をあげるか。
・安いものを高く売る方法
・高級品が飛ぶように売れる身だしなみ
・年収1億円になって見える景色
・副業ではなく複業で差をつけろ!

じつに多種多様で、次々と新しいものが補充され、とても全ては読めそうにありません。
しかし、どれも書いてあることは同じです。
『たくさんお金を稼ぐ方法』もしくは、『出世や独立により、社会的地位を高める方法』
これ以外の何者でもありません。
それはそれで良いことなのですけど、なぜお金をたくさん稼ぐのでしょうか?なぜ社会的地位を高めたいのでしょうか?
早期にリタイヤして南の島で過ごすなんて、元々誰もが思っている夢ではないはずです。
新規事業を起こしたいというのも、それ自体が目的ではないはずです。むしろ、そこがスタートというべきでしょう。
お金をたくさん稼ぐその目的は何なのか?
最初にそこを、はっきりさせておくべきです。
では、まず自分を高めておきましょう!

『もてたい、好かれたい、尊敬されたい』
そこで、自己啓発本です。
・人を意のままに動かす方法
・部下に恐れられつつ尊敬される上司になれ!
・こうすれば人はこう動く
・伝え方が9割9分9厘9毛
・他人の幸せが自分の幸せ

お金よりも、大事なものがそこにある。
それは幸せに過ごすことです。
そのためには、自分と他人が良い関係を築くのが大事です。
Win-winを目指しましょう。
ギブアンドテイクではまだまだで、ただひたすらギブをするのです。
そうすると、いずれ何倍にもなって返ってきます。
そうか、そうか。
うんうん・・・、そうか。
そうか?
ホントに!?
これらに書いてあることは、『他人を自分のために動かす方法』や『他人によって自分が幸せな気分になる方法』のように感じます。
穿った読み方をしているだけなのかも知れませんが。

『そこまで悩んでないけど、なんのために生きているんだろう?』
そこで、哲学です。
もっと根源的な、生き方というか道徳というか、そういったものを考えるには、これらを理解するまではいかなくても、知っておくとヒントになるはずです。
・世の中には確かなものは何もない。ただ自分が思っていることは事実と言える。だから自分があることも事実だ。
・自分を含めて、誰も十分な知識があるとは言えない。ただ自分はそのことを知っている。
・体と心はそれぞれ別の物だけど、単独では存在できない。だから同一のものでもある。

哲学は、何かに答えを出そうという試みでもあり、答えの出ないものにたいしても疑問を投げかけ、それを深めるという試みでもあります。
時代や場所が全く違う哲学者が、様々な意見を出しています。
それらは時に同一であったり、似ていたり、別の切り口であったり、真っ向から否定する物だったりと、実に多種多様です。
これらのことから、正解は一つではないのかも、とか、そもそも正解は無いのかも、とか、はたまた全てを正解といっても良いのかも、なんて、自分の中でも多くの考えが出てくるかも知れません。

ある哲学者が、まずは神ありき、で哲学を論じています。
別の哲学者も同様なのですが、それぞれの神の定義が違っていたりします。

『神様っているの?私たちは死んだらどうなるの?』
ついに、ここまで来ました。
たくさんお金を稼ぐには。
良い仕事をするには。
周囲を幸せにするには。
よりよく生きるには。
悔いのない死を迎えるには。
徐々に、問いが深くなってきたような気がします。
人の根源には、どうしても宗教が関わってくるはずです。
といっても、堅苦しく考える必要はありません。
宗教を信心と言いかえてもよいです。
謙虚。
畏敬の念。
利他。
これらは、宗教や神様と同義のことばとも、考えられます。
日本人は無宗教だという人がいますが、それは正確ではありません。
・人には宗教を持っているか持っていないかという点で違いがある
・一神教と多神教は、おおもとでは一緒である。
・私と他者に本来違いはなく、みんなつながっている。
・真理といえるものはほとんどない。

全ての人に共通の結論は、いまだに出ていません。
それぞれ各自が答えを出し、それを洗練させながら、生きていくのが良いように思います。

「出来る限り多くの人にためになるような正しいことをする」

これが、現時点での結論です。





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