飲まない方が良いひと

「前にさぁ、泥酔して会見をした大臣がいたの、覚えてる？」
「そう言えば、そんな人がいたね」
「その後しばらくで亡くなったんだよね」
「飲み過ぎと関係あるのかなぁ？」
「循環器系らしいから、関係はあるだろうね」
「いずれにしても、ああいう立場の人は、あまり飲まないで欲しいよね」
「まあ、そうだね」
「国益を損なうよね」
「確かにね」

「こないだ、チョコが血を吐いたの！」
「チョコ？」
「うちで飼ってるイヌなんだけどさ」
「あぁ、イヌね。それでどうなったの？」
「夜の11時だったけど、ダメ元でかかりつけに電話したらさ、びっくりだよ。何て言われたと思う？」
「何だろう？」
「もうお酒を飲んじゃったから診れません、だって！」
「へー」
「酷くない！？」
「医療関係者はお酒を飲まないで欲しいよね」
「ホントだね」

「お父さんが亡くなったんだって？」
「そうなんだ。夜中に倒れてそのまま・・・」
「そう、良いお父さんだったのにね」
「タクシーで行こうとしたけど、なかなか来なくてね。死に目には会えなかったんだ」
「あれ、自分の車は？」
「飲んでたからさ。運転できなかったんだ」
「そうか・・・。残念だったね」
「うん・・・」

「自分の結婚式でベロベロになってる新郎なんて、みたことないよ」
「ごめん・・・」
「一生に一度の大切な日なんだよ！」
「うん・・・」
「あなたのせいで台無しよ！」
「本当にごめん」
「絶対に忘れないからね！！」
「そうだよね・・・」（もう一生お酒を飲まないでおこう）

お酒を飲んだ方がいい人って、いるんですかね？
ひょっとしたらあなたも飲まない方が良いかも知れませんよ。
なぜなら、大切な人なのだから・・・。