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障害・介護のアプローチは監視からギフト

障害・福祉に限らず、上司や部下、何か支援をする、支援をされるという関係性は硬直化しやすいものです。この関係性を柔軟に維持していくのは何が大切なのか


支援と監視の境界

支援をするためには相手に対してアセスメントが重要なアクションになります。アセスメントはとは、情報を収集し、整理・吟味し、判断する過程。しかし、支援しようとする意図が強くなるほど、相手は監視されていると感じさせるリスクも伴います。ICTの普及によってさまざまなデータをトラッキングしやすくなっている側面も、この感覚を助長する要因となっています。例えば、職場でのパフォーマンス評価において、従業員の活動を細かくモニタリングすることは、支援としては有益ですが、過度に監視されていると感じることでストレスを感じる従業員も少なくありません。

電子パフォーマンスモニタリング(EPM)によって従業員の活動を詳細に追跡することは、生産性向上のために有益とされる一方で、従業員に監視されているという感覚を強め、心理的負担を増大させるという指摘もあります​ (Frontiers)​。

American Psychological Association (APA)の研究によれば、電子的に監視されている従業員の32%が、精神的健康が「悪い」または「普通」であると感じており、監視されていない従業員の24%に比べて高い割合を示しています。また、監視されている従業員の45%が職場が精神的健康に悪影響を及ぼしていると感じており、監視されていない従業員の29%に比べて高い割合という結果も出ています​ (APA)​。

日常の中での支援

相手が困難を認識し、支援を求めている状況では、合理的配慮のスタートもしやすいかも知れません。しかし、多くの場合、問題が発生しているときには本人は現状を認識しづらく、支援の選択肢を判断するのが難しいこともあります。例えば、精神的なストレスや過労による影響を受けている人は、自身の状態を正確に把握できないことが多いです。このような場合、周囲の人々のサポートが非常に重要になります。

たとえ今問題が起きていなくても、これからの問題に目を向けることも重要です。将来的には親になるかもしれません。子育ての悩みや親の介護の悩みが突然現れることもあります。ただし、忙しい日常の中で、「少し距離があるもの」のこれらの問題を深く考えたり、お金や時間を投資することは難しいかもしれません。しかし、これらの問題を事前に考慮し、備えることは非常に重要です。それは介護に関する情報を事前に収集し、必要な支援を受けられるように準備しておくことなどもその一つです。

支援ではなくギフトとしてのアプローチ

ただ、私が提案したいのは、これから起こる課題や問題について、ただ情報を収集することや、家族や友人に対して支援するという考えを、支援からギフトとして捉えるとどうなのかということです?ギフトボックスを開けた瞬間のサプライズ感、相手がこんなにも準備してくれたのかと思う気持ち、自分のことを気にかけてくれると感じる感覚。そして、その中に詰まっているのは本人の可能性を広げるツールやリソースです。

ギフト、おもてなしが詰まったツールとユーザー体験が、現状のさまざまな問題を解決する重要なアプローチになるのではないか。私たちは日常生活の中で、支援を単なる義務としてではなく、相手に対する思いやりと感謝の表現として捉えてみる。教えること支えることの形を変えることで、関係性のが変わり、より良いコミュニケーションと信頼関係を築くきっかけになるのではないか。

ありがとうございます。ちょっと疲れた日にちょっといいビールを買おうと思います。