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頸椎症

第1〜3頸椎神経障害

第1頸神経は運動枝
小後頭直筋 大後頭直筋 横突口頭筋
感覚には関与なし

第2頸神経は
上頭斜筋 下頭斜筋 板状筋 最長筋を支配

第3頸神経は
最長筋 半棘筋長肋筋を支配

第2第3頸神経は後頭部、頭頸部の感覚を支配

抹消神経障害
感覚障害と運動障害は同時に存在するとは限らない。

神経根障害
上肢に神経根兆候は出現せずに同定は困難

感覚障害
前頸部・鎖骨付近の広い範囲に感覚障害を訴える。

運動障害
開口動作・頭前後屈・肩挙上 



C3〜4高位障害の特徴

❶運動障害
①筋力低下
三角筋の筋力低下出現が83%
三角筋の萎縮が50%

上位頸椎部の静脈圧迫から
手内筋の萎縮・手指の痺れ等
下位髄節障害も現れる。

②巧緻運動障害
C3〜4では83%発現
錐体外路より脊髄固有系の障害
感覚と運動の統制障害が考えられる。

③歩行障害は出現する。
他の髄節もあり得る。


❷感覚障害
手から上腕、肩口にかけて40%
手から前腕・肘50%
手全体が10%
全手尖のしびれ67%


❸自律神経症状
C4神経根は交感神経幹の上顎神経節に連続しているのでヘルニアの圧迫が加わると頭痛・めまい・耳鳴り・眼精疲労が起こる。

他覚所見
①反射
上腕二頭筋腱反射亢進100%
上腕二頭筋腱以下の反射は67%出現する。

②後索症候
上肢では筋固有感覚と振動感覚が障害されているが識別感覚が比較的保たれ
下肢では振動感覚が選択的に障害される。

よって以下の検査法が有用
⑴筋固有感覚検査
1母指探し試験


2指鼻試験

⑵識別感覚検査
1皮膚描画感覚
2立体感覚


C5〜C7中下位頸椎の症候

症状

❶初期症状

神経根症は片則の頸部痛で発症

頸部とは

項部・肩甲上部・肩甲骨上角部・肩甲間部・いずれ肩甲骨部の何かを言います。

頸部痛発生から上肢痛手指のしびれ感が出現するまでは0〜180日(平均30日)

脊髄症の多くは指のしびれ感で発症し両手同時や左右いずれに出て両側性になる事が多く、頸部痛での発生は皆無である。

指のしびれ感が主訴で頸部痛がしびれ感より先が同時に生じていなければ神経根症を除外して脊髄症か絞阨性神経障害を疑う必要があります。

❷指のしびれ感
神経根症では片手に脊髄症では両手にでます。
しびれ感の部位は移動せずに日により変わる事はが無く
移動すれば頸椎疾患を除外します。

しびれの強さは鑑別の参考に
神経根症の慢性では朝方に改善傾向で午後から夕方に強くなります。
脊髄症ではしびれ感は常にあり強さも変動はあまりありません。
しびれが両手で朝方強く起床後弱まれば手根管症候群が疑われる。
神経根症・脊髄症でしびれが環指に及ぶ時は橈側・尺側の半分に限定しないために限定していれば主根管や肘部管を診断する。

しびれ感が特定の動作で誘発や増強すれば頸椎からの原因が診断出来る。

❸経過と現症
初診時に片側の頸部痛と上肢の放散痛があれば神経根症
慢性では頸部痛がないケースもあります。
神経根症では初診時以降に改善が望みやすい。

脊髄症では症状が灰白質障害と白質障害に分かれて
脊髄前・後角の灰白質・錐体路・脊髄視床路の白質が障害される。
初発症状は頻度の高いしびれ感・手指のもつれ・箸使い・書字・ボタンはめ困難の巧緻運動障害が現れる。
症状拡大では白質由来の足の引きずり・もつれの痙性歩行が出現・足先・下肢・体幹のしびれ感さらに排尿障害が加わる。
下肢の感覚障害は冷える・ほてる・お湯が熱く感じたり痛く感じる。

灰白質障害の発生時に左右差があれば手の症状は先発側で後発側に比べて強く白質障害も先発側で多い。
手足のしびれが右ではじまりその後に両側性なると手の巧緻障害が右で強く下肢のもつれも右が強く
温痛覚障害が左で強い。

所見
⑴脊柱ならびに歩行の所見
神経根症では障害側の上肢を挙上して手を後頭部に手を当て頸部を固定して痛みを回避する事があります。
それは神経根の緊張が緩み頸椎の前屈で神経根圧迫が減るため
問診中に頭を動かして症状を説明する場合は神経根症は可能性が少ない。
頭部圧迫テストが神経根症では陽性率が高い
患側に側屈・後屈して頭部圧迫で肩・上肢・手に放散痛が生じるが慢性では陰性の場合が多い。

脊髄症では頸椎の後屈で手指・下肢のしびれが増強される事があり急性期には四肢・体幹に電撃性ショックが自覚される。
脊髄症の重症例では痙性歩行が見られ歩容に異常が無い場合も片足で起立すると不安定な事が多い。

指のしびれ感が左右の何かで発症した場合は発足側の同側にて片足起立は後側に比べ不安定な事があります。

灰白質障害で発生時にはい左右差があれば白質の錐体外路障害も先発側で強い傾向があるからです。


治療院KAZU
院長 中井一欽
03-5742-1414

https://kazu-1414.com


脊柱脊髄の神経症候群引用

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