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問題行動の原因を探る

子どもは大人の関わり方次第で良い方向にも悪い方向にも変化していきます。



どんな子にも、「どう関わればいいかな」「何ができるかな」と関心を持ちながら関わる事で、心とカラダの状態が実際に変わっていくのを感じました。


中には、「こんなこともカラダの問題だったのか」と感じる事もありました。


今回は、子どもと実際に関わって感じた、カラダが変わる事で心身面にも変化が現れた例を書ける範囲で書いていきたいと思います。



子どもの行動には理由がある


椅子に長く座れない。集中力がない。人と会話しているときに目が合わない…。


保育園や学校でこのような行動を起こしている子に関しては、医師の診断を薦める事が増えており、発達障害という診断がつくと周りの大人や同級生に偏見の目で見られてしまう事があります。


発達障害と診断がつくことを責めているのではありませんが、ただ病名を気にして腫れ物を扱うように対応するのは少し違うのではないかと思っています。


大事なのは、一見問題行動と見られてしまう行動ですが、何らかの意味があってその行動をとっている事があるからです。



こういった行動の要因としては、

①身体的な問題
②心理的な問題

の2パターンの問題があると考えています。どちらの要素も大切なのですが、大事なのはその理由をしっかりと読み取る事なのだと思います。


今回は身体的な要因をリストアップして記載していきたいと思います。



身体の問題がその子の行動を制限する


例えば授業一つとっても、カラダをうまく動かせられるかどうかは非常に重要になってきます。


まず授業中は椅子に座っているかと思いますが、このときに自分のカラダの位置を感じる感覚が弱くなってしまうと、楽に座ることすら困難になってしまいます。


座る姿勢を支える体幹の筋力が低ければ、姿勢は崩れてしまい、結果腰や首・肩に負担を強いてしまうかもしれません。


また、目で物を追う能力が弱かったりすると、黒板の文字を認識するのに時間がかかってしまったり、文字の輪郭が崩れて見えてしまったりと、勉強の効率が悪くなってしまう子もいるかもしれません。


このように、身体機能の低下や問題がある場合、姿勢の崩れや不快感が生じた結果問題行動を引き起こしてしまう事があるのです。


このような場合、口頭で綺麗な姿勢を促しても長くその姿勢を保持することはできません。姿勢を保つための身体機能が低下しているからです。


そのため、まずはできないことに怒るのではなく、なぜこのような行動をしているのかを考える必要があると思っています。


刺激が入れば行動は変わる


自分が関わった子に、ADHDと診断された小学生がいました。


その子もずっと座っているのがきつかったり、注意散漫になってしまう、集団行動になかなか馴染めないといった問題点が見られていました。


色々と身体の評価をしていると、足の感覚が弱くなっていたり、カラダを動かす時のぎこちなさが生じていました。まだ目の運動も苦手で、物を視覚で認識する力も少し弱めなのかなという印象を受けました。


そして関わりの中では足の感覚を入力したり、全身を動かす遊びの中でカラダの動きを学習してもらったりといった関わりを行なっていきました。


関わってからの大きな変化を感じたのは2回目の介入の時。今まで手足の動きがぎこちなかった子が、数回の関わりで特に気にならない程度に運動がスムーズになっていました。


さらに介入前は片足立ちができなかったのに、数回の介入で姿勢を崩すことなく片足立ちができるようになりました。


何より、コミュニケーションがとりやすくなり、衝動的に怒ったりする事がほとんどなくなった時、介入前後と比較しても全然変わったなと感じる事ができました。


このように、問題行動に見えてしまう行動でも、なぜその行動をしているかを考えて試行錯誤ながら介入する事で、その子の未来が大きく変わってくるのではないかと思います。


この子は病気だから…と諦めていては育つ子も育ちません。しっかりとその問題に向き合い、解決策を見出していく大人の関わりが、その子の将来への影響は大きいと考えています。

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