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「電力会社の憂鬱」第一章~第四章

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電力会社の企業体質をテーマにした小説です。第一章は無料、第二章から第四章は200円で公開していますが、当マガジンでは全章で500円です。
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「電力会社の憂鬱」 第三章

「電力会社の憂鬱」 第三章

第三章 事故と故意中央制御室日本海発電所の中央制御室は、4セットある。1・2、3・4、5・6、7・8号機、それぞれ2基づつ同室に併設されている。
完全なミラー方式なため、運転員が勘違いしないよう、一方は薄いブルー、もう一方はイエローに基調色を変えてあった。
部屋の雰囲気は、まさに宇宙戦艦のコックピットのような感じで、上段に100を超える四角いアラーム点滅装置が並んでいる。
中段は、数々のバロメータ

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「電力会社の憂鬱」 第四章

「電力会社の憂鬱」 第四章

第四章 改革と挫折補修センターあれから一年後、ようやく「補修センター」の竣工にこぎつけた。
竣工式には西日本電力からは小村社長もかけつけた。
来賓は通産省次長、副知事、地元町長と華やかであった。
社長や来賓の挨拶の後、テープカット。
施設は海野が案内した。
その後、パーティーへと進んでいった。
席上、海野は小村に礼を言った。
「社長。遠路ありがとうございます。」
小村は上機嫌であった。
「海野君ご

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