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サッカーに必要な『メンタルの強さ』とは?(後編)

【サッカーに必要な『メンタルの強さ』とは?(前編)】では、

本番で自分の持っている力を100%発揮するための思考法をご紹介しました。

※前回の記事はこちらです。


また、メンタル(=心)とは、人間の思考そのものであり、

【思考=脳】

メンタルの真の姿は『脳』ということも、合わせてご紹介しました。

今回の記事では、メンタルの強さを求めらる際に必要なもう1つの要素、自分の力を伸ばしていく能力(=思考法)をご紹介します。


なぜ自分の力を伸ばす能力が必要?

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まず、メンタルの強さが求められるのが試合本番だけではなく、なぜ普段のトレーニング(日常)から必要なのか…(=なぜ自分の力を伸ばしていく能力が必要なのか)

理由は、自分が手に入れたい夢や目標を掴むためには、日々の成長が必要不可欠だからです。


例えば、『プロサッカー選手になりたい』という目標がある、A君という高校3年生の選手がいたとします。

彼は現在、強豪校のレギュラーとしてプレーはしていますが、プロチームからのオファーはありません。

そんなA君の元に、なぜ現状オファーが無いかというと、理由はシンプル。

”プロの世界でプレーするに値する実力が無いから”

です。


しかし、現在は18歳と若い選手。

あと、半年でプロで通用する実力を手にする可能性は十分あります。

高卒では厳しくても、大学卒業後には良い選手になる可能性もあります。

日本ではなく、海外でプロ契約できる可能性も考えられます。

しかし、『プロサッカー選手になる!』という目標を叶える為には、A君自身の日々の成長が必要不可欠です。


というように…

夢や目標とは、現状の自分は手にしていないけど、未来の自分には手にする可能性があるものです。

未来の自分が目標を達成する為には、今の自分より成長することが必要です。

そして、成長とは何もアクション(=行動)を起こしていない人には訪れません。


シュートが苦手なA君が毎日何もアクション(=行動)を起こさずにいれば、シュートが上手くなる訳がありません。

プロサッカー選手になるためには、アクション(=行動)が必要不可欠です。

シュート練習や動き出しの練習、仲間とのコンビネーション、ピッチ外でのイメージトレーニングや筋力トレーニング…

日々、試行錯誤を重ねながらアクション(=行動)を起こすことで、少しずつ成長していくものです。

毎日練習をせずに寝てばかりでは、シュートが上手くはなりません。(=プロサッカー選手にはなれない)


そして、アクション(=行動)を起こす為のスイッチとなるのが、メンタルの強さです。

この場面でのメンタルの強さとは、モチベーションという言い方に変えることができます。

日々、自分の目標に向かって行動を起こすメンタル状態(=脳)でいることが必要です。

そのことを一文でまとめると『自分の力を伸ばしていく能力』と、言うことができます。


『自信』が全てのベース

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では、自分の力を伸ばしていく能力(=思考法)の実践編です。

ここで一番重要なのは、『本当の自信を手に入れる』ことです。

自信”が、夢や目標を達成するための全てのアクション(=行動)のベースとなります。

”自信”の本当に意味を理解しましょう。

まずは、Google先生に”自信”の意味を尋ねてみました。

自分で自分の能力や価値などを信じること。
自分の考え方や行動が正しいと信じて疑わないこと。

※出典:goo辞書

文字通り、自分を信じることです。

そして、『自分を信じる力=強いメンタル』となります。


では、本当の自信を手に入れる方法をご紹介します。


①過去のネガティブな思い込みをポジティブに変える

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自信が無い人の大半は、過去のネガティブな経験による思い込みの強さが原因となっています。


「高校時代、一度もスタメンになれなかった…。オレには実力が足りない。」

「大怪我をして、1年間も練習ができなかった…。体力も技術も落ちてしまった。」

このような過去の出来事を、ネガティブな出来事と捉えてしまい、自信が無くなってしまいます。


しかし、人間の脳は過去を変えることができます。

この裏技を利用して、ネガティブをポジティブに変えて、自信を取り戻します。

「ついに頭がおかしくなってしまったな、大津さん…」と、思わないで下さい。(笑)

詳しく説明します。


まず、当たり前ですが、その出来事自体を変えることはできません。

先の例でいくと…

「高校時代、一度もスタメンになれなかった…。オレには実力が足りない。
「大怪我をして、1年間も練習ができなかった…。体力も技術も落ちてしまった。」

セリフの前半部分が出来事です。この過去の事実は変えられません。

しかし、太文字の部分に注目してください。


太文字の部分は、その人の思い込みです。

思い込みの部分は、脳内で【ポジティブ】に変換可能な部分です。


出来事のポジティブな面を探します。

「高校時代、一度もスタメンになれなかった…。」


一見ネガティブ要素ばかり見えそうですが、ポジティブ要素も沢山隠れてます。

「一度もスタメンになれなかったから、試合に出れない人の気持ちを理解することができ、今の自分は試合に出るときにサッカーができることへの感謝を持つことができている。」

と、思い込むこともできます。


このように、過去のネガティブだと思いこんでいた出来事を、ポジティブに変換することで、自己を否定ではなく肯定することができます。

プラスの側面にフォーカスを当てて、ポジティブな思い込みを行い、自己を肯定することで、自然と自信が湧き出てきます。


②正しい目標設定

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『プロサッカー選手になる!』という目標を持つA君とB君。

2人は同じ目標を掲げていますが、心の中を覗いてみましょう。

・A君…「大好きなメッシのように、バルセロナのカンプノウでプレーするようなプロサッカー選手になりたいな!」

・B君…「本当は野球がやりたいけど、親が猛烈な浦和レッズファンだから、仕方なくサッカー選手を目指しているんだよね。」

この2人を比較した時、目標を達成する可能性が高いのは間違いなくA君です。

A君は、自分が大好きなメッシのようになりたいから、無条件に目標を掲げています。ワクワクの感情をベースに目標を立てました。

B君は、他人(親)からの条件付けを元に、仕方なく目標をたてました。

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この比較は極端な例ですが…

自分の目標は、A君のように『ワクワク』の感情をベースに定めた目標なのか。

自分の胸に手を当てて、自分自身に聞いてみてください。

自分が、心の底から達成したい夢や目標は何なのか。


この時、B君のように他人の目線や世間体を一切気にしないで下さい。

先に説明した『思い込み』が、邪魔をする可能性があるからです。

まずは、無条件に自分が達成したことが目標であることが確認できればOKです。


なぜ、『ワクワク』の感情から目標設定をするのか…

大きな理由が1つあります。


それは、脳内でドーパミンが分泌されるからです。

簡潔に説明すると、ドーパミンとは人間が快楽を得た時などに脳内で活発に活動する神経伝達物質のこと。


例えば、試合でゴールを決めた時などに「よっしゃー!」という幸せ絶頂な気持ちは、ドーパミンによってもたらされています。

ワクワクの感情から目標を立てたときも一緒で、ドーパミンが分泌されます。

それが、人間のやる気(=モチベーション)となるので、ワクワクの感情を大切にしてほしいのです。


逆に、B君のようにワクワクしない目標は、ドーパミンが分泌されません。

その為、やる気が起こらず挫折をしてしまったり、自信を喪失してしまったりします。

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まずは『ワクワク』を大切にして、目標を設定しましょう。


③小さな成功に目を向ける

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ワクワクの感情から、正しい目標を設定しました。

『高卒でJリーガーになる!』

それでは、目標に向かって今日から頑張りましょう!


………


と、言いたいところですが…

これだと、残念ながらモチベーションが持続せずに挫折する可能性が高いです。

重要なことは、目標に向かうまでの過程で『小さな成功に目を向ける』ことです。


例えば『高卒Jリーガーになる』を、とある高校生が定めた目標とします。

現在、その選手は所属チームのA軍でプレーしていますが、いつもベンチ要因です。

そんな彼が高卒でJリーガーになるには…

現在(A軍のベンチ)

所属チームで試合に出る

試合で活躍して、スタメンに定着する

スカウトの目に留まるような活躍をする

スカウトから声がかかり、Jリーグチームの練習へ行くようになる

Jリーグチームの中でも、戦力になる実力を発揮できる

Jリーグチームから正式にオファーが来る

契約(高卒Jリーガーの目標達成)

ざっくりですが、目標を達成する為には上記のような過程が必要です。

そして、過程を辿るにあたって様々な壁(小目標)が存在します。

まずは所属チームでスタメンを掴むことが、この選手が超えなければならない壁です。

その壁を乗り越えるには、彼自身の成長が必要です。

仮に、試合を走りきれない体力が課題だったけど、彼自身が成長して体力を付けて、スタメンを勝ち取ったとします。

その際は「オレ、よく頑張った!!」と、思いっきり自分自身を褒めましょう。

体力を付けた(成長した)自分の『小さな成功』に、しっかり目を向けることを意識してください。


自分自身の小さな成功を素直に喜ぶことで、ここでもドーパミンに助けてもらいます。

目標達成(この場合は高卒Jリーガー)までの過程でも、やる気物質を脳内に分泌させることで、モチベーションの持続へと繋がります。

そして、成長した自分を認められることは、自己肯定感のUPに繋がります。


※自己肯定感については、下記のブログを参考にしてみて下さい。


自己肯定感が高い状態だと、「自分にはできる!」という精神状態に、自然と持っていくことができます。

小さな成功に目を向けて、『結果』ばかりではなく『過程』にこだわりましょう。


また、『結果』は自分にコントロールできるものではありません。

この場合は、Jリーグチームのスカウトやオーナーが、彼と契約するかどうかを決めます。

彼自身には結果を選ぶ権利が存在しません。

結果に固執すると、自分以外の要素(この場合だとJリーグチーム)にモチベーションが左右されてしまいます。

ですので、『結果』にこだわるのではなく、『過程』にこだわりましょう。

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Jリーグチームとの契約を掴むために、課題である体力アップのトレーニングに取り組むこと(=過程)はコントロールできます。

彼自身が課題克服のために、走り込むトレーニングを積極的に行うことや、食事の改善に取り込むことなどは、結果(契約)を掴むまでの過程です。

自分自身がコントロールできること(=今、この瞬間)に集中することが一番重要です。

結果を辿るまでの”過程”にこだわりながら、”小さな成功”に目を向けていきましょう。


④セルフトークを変える

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セルフトークとは、別名『自己会話』と呼ぶことができます。

人間は脳内で自分自身と、1日数千回も会話をしているといわれています。

脳内で繰り返されるセルフトークにより、深い自己暗示にかかり、現実世界でもその自己暗示通りになる確率が高くなります。

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と言うことは、セルフトークを変えることが強いメンタル(自信)を育む鍵となります。

具体的には、セルフトークをポジティブに変えましょう。


「オレはできる!」「絶好調!」「調子良いね!」「OK!」「楽しいね!」

このようなポジティブワードをどんどん使います。


そして、他人へ声を掛けるときも一緒です。

同じように、ポジティブワード使うことを意識してください。


なぜなら、脳は自分と他人の区別が付きません。


ポジティブな声掛けをすると、相手の脳内もプラスに働きます。

巡りまわって、また他人からポジティブな発言が跳ね返ってくる。

この好循環を、自分のポジティブ発信から作っていきましょう。

セルフトークでもポジティブ、現実世界でもポジティブ。

脳に良い暗示を掛けて、自然とモチベーションを構築します。

そして良いモチベーションが、強いメンタル(自信)へと繋がります。

逆に言うと、ネガティブなことばかりを言う人からは少し距離を置いたほうがいいかもしれませんね。


また、否定形を使わないことをおすすめします。

「ミスをしない」ではなく、「インサイドパスを正確に蹴る」というように、やるべきことを明確にしましょう。

例えば「サッカーボールをイメージしないでください」と言われたら、自然とサッカーボールが頭の中でイメージされます。

その原理と一緒で、「ミスをしない」では”ミス”をイメージしてしまうからです。

否定形は使わないように心がけてください。


”言霊”という言葉があるように、自分や他人が発する言葉には、偉大な力が秘められています。

ある方から教えていただいたのですが、

「言葉の質が、人生の質と比例する」

という言葉があるぐらい、言葉の質は重要です。

サッカーに限らず、普段の生活から言葉の質にこだわっていきましょう。


まとめ

今回の記事では、自分の力を伸ばしていく能力(=思考法)をご紹介しました。

それを実現するには、『自信』がベースとなります。


具体的に実践することは、

①過去のネガティブな思い込みをポジティブに変える
②正しい目標設定
③小さな成功に目を向ける
④セルフトークを変える

以上の4ステップです。


サッカーに必要な『メンタルの強さ』をご紹介しました。

前編では、『本番で自分の持っている力を100%発揮するための思考法』。

後編では、『自分の力を伸ばしていく能力(=思考法)』。

大きな2つのテーマを元に、是非実践してみてください!


プロフィール

大津 一貴

1989年 10月 25日 生まれ 北海道旭川市出身(その後すぐに札幌市)

●経歴
山の手サッカー少年団
SSS札幌サッカースクール
青森山田高校
関東学院大学 サッカー部
2013-2014 T.F.S.C(東京都リーグ)
2015 FC Ulaanbaatar(モンゴル)
2016 Three Kings United(ニュージーランド)
2017 Kamphaengphet FC(タイ)
2018-2020 FC Ulaanbaatar(モンゴル)



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