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海外ドラマ - エンタープライズ:スタートレックで一番のお気に入り

以前にスタートレック・シリーズ全体のことは書いたのですが、今回は、一番のお気に入りであるエンタープライズ(ENT)の紹介をします。

海外ドラマ - STARTREK あれこれ

このシリーズの中では一番、今に近い時代、初のワープ飛行から100年ほど経過した22世紀中頃の物語です。お馴染みの宇宙大作戦(TOS)より100年くらい前、ようやくワープ5の出せる宇宙船を自力で飛ばし、はじめて深宇宙に飛び出して、いきなり大きな時代の波に飲み込まれていきます。

宇宙船は、まだ荒削りでまともな武器もなく、船長の個室でさえ天井にふれることが出来るくらいの狭い空間しかありません。転送装置も使われ始めたばかりで、緊急時でも無い限り、体がバラバラになって元通りになるなんて「いくら大丈夫と言われても御免被ります」という状態です。何もかもが初めてのことで、異星人とコンタクトをとるにも、まだ「翻訳機」が開発途上なので、意思の疎通にもてんてこ舞いです。細かい部分なのですが、ドアはボタンを押さないと開きません。音声コマンドは使われていません。

新スタートレックから続いたシリーズは、時代が経過するに連れ、だんだんと現代からの乖離が進み、サイエンス・フィクションというよりは、もはやサイエンス・ファンタジーとでも言うべき内容となり、その世界に安住する人にとっては居心地の良いものの、文字通りの意味である「エンタープライズ」は、いったいどこにあるんだろうという事態になっていました。制作陣は、それをよく理解していたので、この頃にいろいろな映画でも試みられていた、時代を遡って「そもそも」を描くという手法をドラマでもやってみようということになったのでしょう。今までのシリーズとは一線を画すという意味でシーズン2まではタイトルに「スタートレック」の文字はありませんでした。

制約といえば映画の「ファースト・コンタクト」でのバルカン人との出会いくらいで、後は最終的に100年後の宇宙大作戦に繋がれば良いのですから、それなりに自由にストーリーを進められます。いろいろな新機軸を試みようとしたのでしょうが、安定した数字が欲しい会社側からは「時間旅行をしろ」とか「もっと派手な戦闘シーンが欲しい」などの無理難題も吹っかけられたようです。

個人的には、遠い未来であるにも関わらず、今までのシリーズと比べても、使われている技術や困難が身近に感じられて親近感がわきます。他人が作った海図(異星人が作った航宙図)はあるものの、はじめての航海に出るワクワクさは最高です。制服だってポケットのない未来の服よりも、どこかNASAの制服を彷彿させる作業着っぽい方がカッコいいです。このままじっくりと地球の近所を順番に回ってもらうだけでも満足できたんですけどね。

ただ今までのファンには、物足りないものもあったのかもしれませんし、テレビドラマの楽しみ方自身が変化していく時代とマッチしないところもあったのだと思います。放送よりもDVDなどのメディアが中心になり、必ずしも一話ごとのストーリーを展開しなくても良くなっていました。シリーズの途中からは予算の関係もあり、数話ごとのストーリーも試みられており、シーズン3にいたってはシーズン全体がひとつのテーマになっています。

21世紀初頭は、アメリカ同時多発テロ事件がいろいろな形で影を落としており、見えない敵に対する恐怖と、これに打ち勝ちたい密かな欲求が渦巻いていて、これがシーズン3のズィンディとの戦争に繋がっているのではないかと思います。この中で最初に登場した時間旅行も、あまりうまくいったとは言えませんが、何とかケリを付けました。今までのシリーズと一線を画したのが災いしたのか視聴率は伸びず、シーズン3で打ち切りかとも言われましたが、制作陣を入れ替えてシーズン4までは生きながらえました。結局、ここまでで新スタートレックから長く続いたシリーズを終えることになり、ここからしばらくは映画のみで楽しむこととなりました(この後はJJのケルビンタイムラインまでお預け)。

最後のシーズンであるシーズン4では、今までのシリーズとの融合に挑戦し、クリンゴン、バルカンといった種族との関係を描く素晴らしいエピソードが満載です。他にも優生人類、並行宇宙も取り上げ、最後には感動の惑星連邦成立までの道のりが語られます。未来のお話なのに、ちょっと大河的な楽しみ方になっているのかもしれません。

登場人物としては、ワープ5エンジンを開発した技術者を父に持つジョナサン・アーチャーことスコット・バクラが船長で、トゥポルことジョリーン・ブレイロックがバルカン人の女性副司令官を演じます。アーチャーは長身で責任感が強い、いかにもリーダーという雰囲気を醸し出していますが、軍人というよりは宇宙飛行士感が強く出ています。

どのキャラクターに思い入れが出来るかは、それを観たときの自分の年齢も関係するとは思うのですが、もう中年に差し掛かっていたので、やはり船長にゾッコンになりました。自分の決断にどれだけ多くの影響があるのか、どんなに重い責任であっても、それを受け止め決めるのがリーダーであり、どんな決定であってもリーダーに従うクルーたちの姿に感動します。

まあスタートレックは、ファンも多く、いろいろな情報が出回っているので、このあたりにしておきましょう。結局、日本でもCSでは放送されたようで、配信では Netflix にあるみたいです。DVDは入手可能なようなので、これが一番確実でしょう(特典映像も良いですよ)。

オープニングは、シリーズではじめて歌詞のある曲で、ワープ5までの道のりが背景に流れます。

スタートレック エンタープライズ 主題歌 - "Faith of the Heart" / STAR TREK ENTERPRISE OPENING FULL Ver.

興味が出たら、以下のサイトも参考に。

スター・トレック エンタープライズ - 公式

スター・トレック エンタープライズ - 放映タイトルリスト

スタートレック:エンタープライズ - ファンサイト

スタートレック:エンタープライズ - Wiki

ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。両端が出演者で真ん中三人はゲストみたいです。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Star-Trek-Enterprisecrew.jpg


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