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アナライズ - 問題解決とは

思春期くらいになると、子供の頃のように大人になったらスポーツ選手になるんだとか、学者になるんだみたいな、憧れではなく、自分にあった仕事はいったいなんだろう?と朧気ながら考えるようにもなります。だからといって、ハッキリと決められるような根拠も無いのですが、そろそろ進路という形である程度の決断を迫られもしてくるのです。

私の場合、理科が好きではあったので、きっと理系に進むのだろうなとは思ってはいたのですが、だからといって、具体的にどんな分野に進むのかはまったく見えていませんでした。コンピュータを操るのは得意ではあったのですが、正直に言ってプログラミングが好きなのかと言うと、実はそんなことはなくて、やってみたいことを実現するためにコードを書く必要があっただけです。

そうなんです。得意だったことは、問題があってそれを分析して解決するということだったんです。まあ解決するという部分は、なかなか経験も必要で、最初の頃はもっぱら分析ばかりしていました。何がどうなっているのか、ハードウェアであれば分解し、ソフトウェアであればコードを読むのです。そうやって人が問題を解決した経験を読み取って、解決方法を覚えていきました。

まあアーケードゲームの基板をリバースエンジニアリングしたり、デバッガでモニタROM内部のコードを追ったりしていたんですよ。手に入るソースも読みまくりましたし。テレビやビデオもだいぶバラしました。

ある時、ふと気が付きました。プログラムという言葉はコンピュータ以前から存在していて、それは予定であるとか順序を書いたものを指していました。テレビ番組もプログラムでしたよね。プログラムで動かすものは別にコンピュータとは限らず、人や人の集団を動かすものもプログラムなんだと。そこには言語の文法ではなくて、ルールであるとか規則、法律なんかが支配しているのです。

そこで一時期、法律や規則を読みまくりました。別に弁護士になろうとは思いませんでしたが1年ほどかけて六法全書を読破しました(当時の刑法はカタカナ言葉で読みにくくて閉口しました)。そこでわかったのは人間向けの規則は論理的には穴だらけでバグもチラホラで、法律を職業にするには、この穴を如何に論理的に解決するかを勉強するのだなと。法律だけを覚えても全く持って足りないわけです。もっともこれで法律独特の日本語の構文を覚えましたし、この時に覚えた知識は意外と実社会で役立っています。

とにかく分析が楽しくて、これを職業とするにはいったい何を勉強して、どんな組織を目指すんだろうと思ったのですが、その頃はアナリストなんていう職業は確立していなくて、分野を絞って、その分野の中で分析する役割を果たすのが精一杯なのかなあとは思っていました。ただ職業とするには、どうやら分析だけで評価してもらうのはなかなか厳しくて、やはり何らかの結果を導き出すことが必要で、この結果に対価が支払われるのが世の中なんだなというのが見えてきました。下世話な表現をすれば分析は下っ端の仕事で、それを使って何かをでっち上げる人が上前をはねていくので、分析だけでは駄目だなぁと。

まあ、こんなことを中学から高校にかけて悩んでいたのですが、プログラミングの世界には問題を分析する本がたくさんあって、そんな本を貪るように読んでいました。コンピュータの良いところは、システマティックで実際に明確な結果が出るところで、概念的な問題解決の本よりわかり易かったです。それでどんな分野であれ、問題解決能力を身につけることはとても大切なんですが、意外に大変なのは、如何に素晴らしい解決をしたのかを人に説明し、理解してもらうところで、身につけるべきはコミュニケーション能力なんだなと。そしてこれはなかなかの難物で、人というものを理解しなければならないという究極の問題なんだということでした。

まあ人というわがままな存在を相手にするのは大変なので、コンピュータ同士のコミュニケーションを覚えようということで、すっかりネットワークに詳しくなってしまったというのが、ある意味オチでした。問題を解決するという行為を、コンピュータを使って行うという今は当たり前かもしれない方法を、ずっと一生懸命やり続けてきたのかもしれませんね。

ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。
https://www.irasutoya.com/2018/04/blog-post_18.html

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