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本との付き合い - 図書館の思い出

そういえば小さい頃から本は大好きでした。もっとも本と言っても絵本であるとか児童書も読むには読みましたが、大好きなのは図鑑でした。毎日のように読んでいたので遂に背表紙が壊れてしまいガムテープで修繕されていました。

小学生も高学年になると、だいたいの漢字は読めるようになるので、父親の本棚から怪しげな科学の本(ガモフ全集とか)であるとか、SF(元々社とかのが並んでました)を抜いてきては読むようになりました。本が好きだというと、いろいろな方からプレゼントされるようにもなって、それは嬉しかったのですが、平気で中学生向けの本とかもくれるので、それはそれで中身がわからず苦労した覚えもあります(さすがに数学は難しい)。

本の虫が悪化したのは、クラスで図書委員というのをやったときで、小学校の図書室に毎日こもり、ここにいったい何冊の本があるのだろうと思い、端から読み始めて数え始めてしまったことです。ちょうど図書の分類番号というのを覚えたので、0から始めて9まで頑張ったのですが、いきなりの0が辞書のようなものばかりで閉口しました。

日本十進分類法

読みはじめて気がついたのですが、読むと言っても文字を黙読している訳では無かったのです。パラパラと画像で頭に焼き付けるタイプで、必要な時は頭の中で画像を再生して文字を読むんです。だから辞書であっても30分もあれば「見」終わります。これには良い面と悪い面があって、お話を読む順番がメチャクチャでも、後で再生する時に順番を揃えれば良いので、気にならないのです。結末を見てしまっても、そのまま仕舞っておけます。またインプットしているだけで処理していないので(少なくとも内容の文字は把握しているのですが)、感情を司るところは通らず理解しているわけでも無いので、どんなに素敵なことが書いてあっても、少なくともその時点では何の感動も無いことです。国語の試験には向いていますが、人格が疑われかねないこともありますよね。

結局、その図書室には5500冊あまりの本があったということが、読破してわかったわけです。なんだかんだで半年くらいはかかりました。毎日、遅くまで図書室にいたので最後には担任に追い出されるようになっていましたけど(実は塾まで直行するのにちょうどよい時間つぶしでもあったのです)。

そういえば家にあった全35巻だかの百科事典も1年近くかけて読んだ覚えもあります。良くもまあ眼が悪くならなかったものです。眼が悪くなったのはPCを使うようになってからです。

学校の本で満足したのかといえば、読み終わってしまったので、今度は区の図書館に通うようになりました。一般的な部屋にある本は数は多いものの正直、似たりよったりで今一つだったのですが、地域の資料というコーナーには他では手に入らない地元の歴史とかがまとめられていて、こちらのほうにすっかりハマりました。さすがに月に数回くらいしか行かなかったので、読み終わることはさすがに無かったですし。

中学に入ると学校の近くには都立の図書館がありました。本当は高校生以上でないと入館できないのですが、先輩に高校の制服を借りて忍び込んでいました。それまでの図書館に比べれば無限とも思われる本や資料があります(おまけに食堂まであります)。高校生になったら、もうコソコソしなくても良いので、閉架棚にある本を探すのに検索の仕組みを覚えたり、マイクロフィルムの閲覧に挑戦したりもしたのですが、この頃になると何かと忙しいので、あまり図書館にこもることは出来なくなりました。

まあ今と比べれば娯楽も少ないので、本はたくさん読みました。文庫本は月に10~20冊くらい、雑誌はだいたい毎月30誌は読んでいました。ほとんどSFとPC関連ですけれど。ネットがない時代は、情報源は本です。全部買うのも大変なので半分くらいは立ち読みでしたけど、早く読めることはここではとても役に立ちました。

大学・大学院では学術関係の雑誌にはまりました。まだネットでの購読は無理だったのと、いずれにしても古いものは紙です。研究のネタに詰まると1週間ほど閉架書庫にこもって乱読し、教授の論文などを見つけては悦に浸っていました。でも殆どが英語なんであまり早くは読めなかったです。たまたま通った大学は特定の領域ですがほぼ著名な雑誌を網羅していたので、国会図書館まで足を運ぶことはさすがにあまりしませんでした。あそこは目的の本がわかっていないとうまく使えませんしね。

こうして考えると、結構な時間を図書館や本屋で過ごしていたんですね。でも覚えているのは読み終わった後に喫茶店に行って、コーヒーを飲みながら本日の成果を頭の中で反芻する至福の時間です。読んでいる最中はそれこそ一心不乱なんで。

そうそう、これだけの本を読んでも自分の書く文章はあまり上達しませんでした。いやぁ、本は「ちゃんと理解して」読みましょう。

ヘッダ画像は以下にあったものを使わせていただきした。

https://publicdomainq.net/gladstones-library-0037501/



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