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熊野古道伊勢路を歩くday6#4

ツヅラト峠の登り口を越えてもすぐには歩きやすい道になるわけでもない。

ツヅラト峠の登り口


しばらくは、木々に囲まれ川のせせらぎを楽しめる道が続く。途中、街中を歩く道と歩行者用の山道と別れるが、もちろん僕は山道を選んで進んだ。

木漏れ日が気持ちいい

ツヅラト峠の向こう側にはウグイスの鳴き声が山の奥から聞こえてきていたが、峠を越えるとウグイスの声は聞こえなくなる。代わりに違う小鳥の囀りが聞こえてはくるのだが、野鳥の知識がない僕にはその鳥の正体がわからなかった。

山道を越えると舗装された道が出てきた。
なんとなく今日の踏破は終わりを迎えたようで、気持ちが楽になった。
振り返ると汗水流して登り切った山が遠くに見える。横に流れる大内山川には鮎の友釣りを楽しむ釣り人たちが巧みに長い竿を操っている。

夏を感じる釣り人たち


雨上がりの空は青く澄み夏が近づいていると感じる景色が広がっていた。

梅ヶ谷駅まで進む道の途中には、定坂山と呼ばれる小さな山がある。
ツヅラト峠を望むことができる、観音菩薩像などもある由緒正しい場所だが、今回は立ち寄ることはしなかった。

うねる川をいくつかの橋で渡り、高速の高架をくぐり抜け、梅ヶ谷の駅にようやく辿り着いた。
色々あったが、無事にゴールへ辿り着いた。

2024年5月20日
8:35から11:35
気温18℃湿度86%
距離11.0km total 97.6km

今日の歩きはここで終わるはずだった。
11:50頃発の尾鷲行きの列車に乗って帰るつもりだった。が、またやってしまった。

ネットで調べて確認したはずだったが、尾鷲方面行きの列車は、10:51発だった。そう。また1時間見間違えてしまった。
今日一日、一体何をしていたのだろう。
あまりのもバカな自分に腹が立ち情けなく不甲斐ない。
悔やんでいても仕方がない。
心を落ち着かれすためにも、梅ヶ谷駅の裏にある八柱神社へと向かった。

八柱神社の境内で呼吸を整えながら、次の一手を考えた。

八柱神社

次の列車は14:38。3時間半も待たなければならない。バスを調べたが、これまた13:55発。若干早いくらいだ。
近くのタクシー会社を調べて電話したが、遠いから無理だと断られた。

自分が招いた事態だと充分承知の上だが、過疎地の交通は完全に麻痺している。こんなんじゃ若者はいなくなるし老人は免許の返納ができない。

とは言え、3時間もここで足止めしてと仕方がない。
地図を見ると、道の駅マンボウはまでは約7km歩けば1時間半程度のはずだ。

僕は、疲れた脚に鞭を打って歩く決心をした。

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