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熊野古道伊勢路を歩くday1#5

普段なら傘をさす程でもない雨だが、長距離を歩く僕にとっては厄介な問題だ。
雨宿りをしたところで、天気が回復するとは限らない。僕は、ジャンパーのフードを被り進むことにした。
いつのまにか風は行き先を遮るように前から吹いてくる。ムラのある風で時よりフードが剥がされることもあったが、足元を見ながら一歩一歩前に進んだ。

熊野古道の道標を超えると、多気郡玉城町の田丸までほぼ道なりに進むルートだ。
のどかな道が続くルートなのだが、風と雨が雰囲気を台無しにしている。途中、「孔子廟の碑」や「小林政太郎生家と碑」などがあるが、立ち止まることなく外城田の橋までやってきた。

外城田の橋を越える頃には雨も上がる。

旅籠 扇屋跡

外城田を過ぎると田丸まではもうすぐだ。
田丸には田丸城跡がある。
小山の上にそびえ立っていた田丸城は、南北朝時代に築城されたと言われており、いわゆる絢爛豪華なお城というより難攻不落のお城と言えるだろう。
その面影は城下町の道を見ればわかる。まっすぐな直線がなく武者隠しの道が多数見られる。
そんな観点からお城を見上げるのもまた楽しみの一つかもしれない。

田丸城跡

田丸城跡を目指して歩き続けると、醤油のいい匂いがしてきた。匂いに釣られ足を向けると、ミエマン醤油さんが見えてきた。
三重県特に伊勢近郊の人には馴染み深い、伊勢うどんのつゆも作っている醤油店だ。

ミエマン醤油さん


芳しい醤油の匂いにやる気も出てきたが、すぐ目の前に紀州街道の碑がある。

紀州街道の碑

初瀬街道と熊野街道がここで合流し、伊勢本街道として伊勢神宮に続く場所だ。

今まで歩いてきた道が伊勢街道で、これから進む道が熊野街道。そう、熊野古道の始まりだ。

長い道を歩きようやく辿り着いたこの地から本当の熊野古道巡りが始まる。ゴールはまだまだ先にある。


2024年2月6日
9:30から13:00
気温8℃ 湿度56%
距離15.7km

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