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熊野古道伊勢路を歩くday3#5

大台町下三瀬地区で、国道42号線から脇道に逸れて車通りの少ない道へと進む。

この先どんどん狭くなる


車がやっと一台通れるくらいの幅の道をのんびりと歩く。途中紀勢本線の線路の下をくぐり、ここで列車が来たらレアなアングルで撮れるなと思いながら進むと、わずか1分足らずでワイドビュー南紀が通過していった。

紀勢本線の下をくぐる


あっと思ったが時すでに遅しだ。失った時間は戻ってこない。

足を進めると、何もない所に看板が出てきた。
定峠(さだとうげ)の案内板だ。

知らぬ間に峠を越えていた


女鬼峠の次に迎える2番目の峠らしい。が、峠を越えた感覚がなく、知らない間に終わっていた様だ。

定峠の近くにある観音堂跡を後にして更に進むと分岐点が出てくる。
このまま旧道を進むルートと今はなき三瀬の渡し跡に行くルートだ。
体力的にはまだ余裕がある。また宮川の清流に浮かぶ渡し船も想像してみたい。僕は、三瀬の渡し跡に向かうことにした。
向かうことにしたと言ったものの、正直言って進んで良いものかどうか不安になる。
道と言うより、人の家の敷地を進む様な道なのだ。

この道(?)を進む


ほんの少し躊躇していたら、見知らぬおばーさんに「歩きさんですか?」と声を掛けられた。返事を返すと「気〜つけてお行きなぁ」と。
そうか。僕は今、熊野古道を歩いているんだ。ちゃんと看板もあることだし堂々と胸を張って歩いて行こうと決めた。

民家の横や畑の脇を抜けて県道770号線に出た。そこから少し進むと、宮川の清流が出迎えてくれる。

高速の下に流れる清流


エメラルドグリーンを淡くした様な川の水は、多くの旅人を癒してきたのだろう。
当時は、ここに渡し船があり一人六文で対岸の多岐原神社付近まで渡してくれたらしい。

流石に今の時代に渡し船はないのだが、昔を想って河辺の岩に腰掛け一息ついた。

身も心もリフレッシュ

河辺のマイナスイオンで身も心も一新した僕は、迂回路を目指して歩き始めた。
ここから約 3kmほど登った所に船木橋がある。かなり遠回りになるが、歩いていくしかない。
正当な道から外れるかと思ったが、よくよく考えたら、これも一つの道なのだ。
色々な道が色々な所に繋がり町ができ街道となる。この道が正解であの道が間違いなどないのだ。

そう考えながら歩いていたら、三瀬の渡しが今でも運営しているとの案内板を見つけた。
予約制で5名まで2,500円。

興味のある方は是非とも


今の時代で、渡し船が体験できる様だった。

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