オープンソース開発者が報われる世界を作る為に。日本のIT企業として、今出来ること。
※この記事は最後の一文字だけ有料です※
本日、僕たちが運営しているIssueHuntというサービスより、オープンソース開発者向けの支援プログラムを発表させて頂きました。
早速様々な方々より支援の表明を頂き、とても嬉しい気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!
※IssueHuntは、オープンソース開発者向け支援サービスです。誰でもGitHubのissueへ投げ銭することが出来、それらが貢献者とOSSのMaintainerへ分配されます。現在170ヶ国ほどへ広がっており、世界中のオープンソース開発者の方々より愛用されています。
支援プログラムを始めた理由
そもそもIssueHuntは、僕らが運営しているOSS、Boostnoteの為に作ったのが始まりでした。
Boostnoteは、現在ほぼ全ての開発がコミュニティベースで行われているのですが、日々貢献をしてくれる彼彼女らに対して何かで還元したい、お礼をしたい、そういった思いをCTOとディスカッションするうちに出来たのがIssueHuntです。
BoostnoteのBounty programをリリースしてみると、たった一週間で、それまでに経験した事のない数のプルリクエストが寄せられて来ました。(Bounty programを開始した時のアナウンス記事)
「これは他のOSSを救うことが出来るかもしれない・・」そんな思いに駆られ、IssueHuntを一般リリースしたのが昨年の7月のことです。
リリース直後から、Alibaba傘下Ant Financial製のAnt Design、元々Intelで作られていたNW.js、GitHub Pagesの裏で動いているJekyllなど、数多くのプロジェクトが続々とIssueHuntを活用してくれるようになりました。
あるオープンソース開発者との出会い
その中でも特に僕ら開発チームをエンパワーメントしたのは、Sindre Sorhusという開発者の存在でした。
彼はフルタイムのオープンソース開発者として、企業に所属せずオープンソース開発で生活をしています。
一端の開発者である僕からすると、彼は雲の上の存在。そんないわゆる憧れの人が、ある日突然プロジェクトを登録してくれたのです。
せっかくの機会なので、いろいろ話をしてみることにしました。その中で、あのレベルの人でさえ、スポンサー集めに苦労をしている現状を知りました。その時、僕はこう思ったのです。
「スポンサー、代理で集めれば良いのでは?」
そして立ち上がった支援プログラム
上記のようなきっかけがあり、動機はシンプルでした。僕らの会社も含め、ほぼ全てのIT企業はオープンソースの活用によって様々な恩恵を受けています。
これまでPatreonやOpen Collective等、オープンソース開発者やプロジェクトを支援するサービスはありましたが、どうしても開発者自身がセールス(スポンサー集め)や、カスタマーサポート(寄付に対する特典付与への対応など)を行う必要があり、もしそれらをフラットな立場の第三者が担うことが出来れば、才能を持った開発者が、開発に専念することの出来る環境を作ることが出来るのではないかと感じていました。
また、オープンソースに対して支援をしている日本企業はとても限られているのが現状であり(反面、アメリカでは盛んに行われています)、それをどうにか変えたい思いは、IssueHuntリリース時から心の中にありました。
そういった背景があり、また素晴らしい後援企業様のサポートがあり、当支援プログラムが始動しました。
世界の技術発展へ、大和魂をぶちこみたい
結果、ソフトバンク様やマイクロソフト様、LINE様といった素晴らしい企業様より当支援プログラムに名乗りをあげて頂きました。
IssueHunt上で報奨金が付いていると、貢献数(=Pull requestの数)が増えるのは実証されており、IssueHunt参加前と比較してPull requestの数が6倍、10倍になったプロジェクトも存在します。
また、「これまでコミュニティで見なかった人からプルリクが届いたよ」とフィードバックを頂くことも最近は増え、オープンソース開発者たちの出会いの場になっている実感があり、とても嬉しく思っています。
僕は、世界の技術革新はオープンソースが牽引していると確信しています。そのド真ん中へ、この日本から世界中へ大きなウネリを起こしていく覚悟です。
大事なことは、今できる貢献をすること
「コードを書くことだけがオープンソースへの貢献ではない」僕が声を大にして言いたい事です。
例えばGitHub issueの整理やPull Requestのレビュー、READMEやドキュメントの翻訳、IssueHuntを通した投げ銭なども、立派な貢献だと思っています。
僕らが管理しているオープンソースプロジェクトであるBoostnoteは、1,000人超のコミュニティメンバーに支えられて多くのユーザーへサービスを届けることが出来ているんですね。
Issueの整理は皆が、Pull requestのレビューはベトナムにいるコミッターらコアメンバーが、翻訳は各国の有志が取り組んでくれた結果、現在では約20ヶ国語に翻訳されています。
そして(ちょっと寂しいですが)僕は彼彼女らのほぼ全員と会ったことも無ければ直接話したこともありません。ここにオープンソースの素晴らしさ、すごさがあると思っています。
おわりに
IssueHuntをリリースして、半年ちょいがすぎました。まだまだ理想の姿からは程遠いですが、より良い支援を、より多くのオープンソース開発者へ届け、世界の技術発展に寄与できるよう、チーム一同頑張っていきます。
長々と拙い文章をお読みいただき、ありがとうございました!最後にIssueHuntトップユーザーたちから寄せらたコメントの一部を掲載して、締めたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
Sindre Sorhus / Maker · Full-Time Open-Sourcerer · Into Swift and Node.js
"IssueHunt has been a big help in getting more people involved in my open source projects. The bounties have enabled me to get a lot of important issues resolved.
I would highly recommend the service to other open source maintainers."
Rakshit Kumar / 2nd year computer science undergraduate at IIT(BHU), Varanasi, India
"IssueHunt is a great platform for open source opportunists throughout the globe.
I really hope that more people know about it's existence to make the flow and rhythm of new issues and solutions smoother."
Norris Oduro / Php developer loves Laravel ❤ and in an unhealthy relationship with C++❤❤❤❤❤❤
"IssueHunt has been a big help in getting more people involved in my open source projects. The bounties have enabled me to get a lot of important issues resolved.
I would highly recommend the service to other open source maintainers."
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支援プログラムへのスポンサーのご案内
当支援プログラムでは、一定の基準を満たした個人開発者、もしくは下記の基準を満たしたオープンソースプロジェクトより投げ銭リクエストを受け取り、そこに対してスポンサード資金を用いて投げ銭を行なっていきます。
① 個人オープンソース開発者に焦点を当てる
IssueHuntの信念は、優れた技術を持った個人のオープンソース開発者を支援する事です。その為、企業のプロジェクトより、個人開発のプロジェクトを優先的に支援を行います。
② GitHub Star 500以上の有望プロジェクト
開発者から受け取った投げ銭リクエストに対しては全て運営がレビューを行いますが、GitHub Star500以上のプロジェクトのGitHub Issueに対して、優先的に投げ銭を行います。
また、ライブラリを中心に投げ銭を行います。その理由は、ライブラリはあまり光が当たりませんが、今のソフトウェア・アプリケーション開発においてはなくてはならないインフラのようなものであり、特に重点的に支援を行う必要性を感じているからです。
これまで特に表立ってスポンサー企業を募っていなかったのですが、本日から公募を行いますので、関心をお持ち頂けた方はこちらから申請をお願い致します。ご連絡お待ちしております!
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この後は一文字しかありません。このブログの収益は全てIssueHuntに掲載されているオープンソースプロジェクト支援に充てさせて頂きます。愛のご支援を💪🌞
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