恋文(中原中也に憧れて)
休み時間になると
君は日の当たる窓辺の席で
一冊の本を取り出し読んでいる
明るすぎる髪色
少し濃いめのお化粧
ピアスにドキドキするほど短いスカート
前の席の友達に話しかけられれば
静かに本を閉じて会話で大声で笑う
やがて友達と同じように
取り出した携帯の画面をテキパキと操作する
あの文字を追う物静かなギャップの中の目線の君を
ずっと見ていたいのに邪魔されたようでため息が出た
次の休み時間
君の机の上に置かれた本
好奇心が足早に机の横を通り目をやる
『詩集』?………『中原中也』