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東山魁夷さんを愛でに山種美術館へ 「東山魁夷と日本の夏」

暑い日が続きますね。
前日にロードバイクで走ったところ、少し心肺に負荷をかけたとはいえ、平地を4時間程度走っただけで熱中症の兆候がみられたので、早々に帰宅して身体を冷やしておりました。皆様もお気をつけ下さい。
さて、そんな日は冷房の効いた屋内で美術鑑賞。ということで山種美術館を訪れました。お目当ては、度々noteでも書いている、大好きな東山魁夷さんの作品。
東京国立近代美術館のように大作は少ないものの、こちらの美術館には、京洛四季のシリーズなど、同氏の商品を多数所蔵されているので度々訪れています。
東京国立近代美術館の所蔵品については、過日書いたこちら↓のnoteをよろしければご参照ください。

いつも午前中に訪れるのが、今回は午後の訪問になったせいもあるでしょうけれど、比較的混雑していた本日。

タイトルは「東山魁夷と日本の夏」とされていますが、後述するように東山魁夷さんの作品は季節を問わず所蔵品を展示されている一方、後半には他の方々の夏の作品が多く展示されており、「東山魁夷さんの作品」と「日本の夏をテーマにした作品たち」といった印象の構成となっていました。

展覧会全体として、写真撮影が許可されているのがこちら↓の「緑潤う」のみ。

東山魁夷 氏作 「緑潤う」

「緑潤う」は京洛四季のシリーズの中の一作品。修学院離宮ですね。
同シリーズは川端康成さんから、その美しさが失われる前の京都を残すことを勧められて描かれたシリーズ。
修学院離宮、および離宮からの比叡山の借景は保存されるでしょうから失われることはないと思いますが、私自身、しばらく訪れていません。久しぶりに再訪したいものです。やはり新緑の頃が良いかな?

他の作品は、写真撮影が禁止ですので、展示されていた多くの作品の中から、いつも通り、私が惹かれた作品の感想をいくつか述べたいと思います。実は、メインビジュアルになっている「満ち来る潮」にはさほど惹かれない私です。芸術の良し悪しを理解できず、好きか嫌いかしか述べられない素人ですのでお許しください。
しかし、この大作を描かれるための波のスケッチには惹かれました。
その他、惹かれた作品は次の通り。

「春静」 東山魁夷 氏作
早朝なのでしょうか。緑陰深い山を背景に、満開の桜が淡い薄墨のように描かれたシンプルな構成の作品。描かれた場所は鷹峯のようですが、あぁ、懐かしい京都の、いえ、日本の春の姿だなと郷愁と言いますか、安らぎのようなものを感じる作品です。度々こちらの美術館で拝見している作品ですが、やはりこの作品の前では飽きずにしばし佇んでしまいます。
桜の種別は染井吉野でしょうか?山笑う新緑の山の中で淡い抒情を流す山桜に一際惹かれる私です。しかし、この作品のように常緑樹の濃い緑の中で凛とした佇まいを見せる染井吉野の花咲く姿も好きです。


「白い嶺」 東山魁夷 氏作
たっぷりと新雪をまとった山の情景。描かれた舞台は蔵王とのこと。
稜線であれば、以前にこちらのnoteでもご紹介した通り、蔵王の樹氷は闊歩するモンスターとなります。

おそらくこの作品の世界は、そこまでの風雪を受けない、麓付近の樹林帯。しかしそれであればこそ、蔵王に限らず見ることのできる日本の山の雪景色をそこに見ることができるのだと思います。
この作品に惹かれたのは、単にお前が山の雪景色がすきだからだろう?と問われれば、はい、ご明察!と答えるしかないので、多くの方が惹かれる作品ではないのかもしれません。この作品の前に立ち止まってらっしゃる方もあまりいらっしゃらなかった。
北欧を描かれる旅から戻られて、その青の表現の新境地というような解説が描かれていましたが、その技巧の違いを解する以前に、私が好きな惹かれた雪の山がそこにはありました。

「初夏」 川﨑小虎 氏作
水辺の蓮の花が描かれた小さな作品です。
表現も素っ気ないほどシンプル。
しかし、そんな中に、清々しいほどの奥行き、広がりを感じた作品でした。
引き算の美しさとでも言うのでしょうか。
どれだけ見ていても見飽きることのない素敵な作品でした。


「蛍」 上村松園 氏作
上村松園さんの作品は今回の展覧会でいくつか展示されています。
美女は人並みに好きですが、特に美人画を好むわけでは無い私ですが、上村松園さんの描かれる女性の姿には惹かれます。「はんなり」という言葉は同氏の作品の中の女性の為にあるような。
そんな中でも、この蛍という作品世界、その時間がゆったりと流れる優しさのようなものにしばし引き込まれていました。


この展覧会は9月23日まで。
その後、9月29日から12月8日までは、「福田平八郎 × 琳派」という展覧会が開催されるとのこと。福田平八郎さんの作品は、先般、中之島美術館で堪能しました。

それ以来、にわかファンとなっている私です。再訪せねば。
そうそう、タイトル写真は美術館の喫茶室のお抹茶セット。御所車と名付けられたお菓子です。私の好みでは、このゼリー上の赤い扇(?)は表現として余計かな。。
美術館の入場料とは別に、喫茶ではJAFの割引がありますので、会員の方はご活用ください。

今、この美術展の他に、訪れたい美術展、写真展が複数同時開催されています。
訪れて期待通りであれば、追々こちらで感想文という形でご紹介いたします。
あまり期待せずにお待ちください。

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