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社会人になっても自力で学び成長できる人に求められる4つの素養
1週間の中で、誰にも強制されずに自分でやっている学びや自己投資はありますか?
学びは学生の間だけのものではありません。高校・大学を卒業し、社会人になってからも自主的に生涯学び続ける力は、21世紀を幸せに生きていく上で不可欠な素養です。
この記事では、具体的にどんな能力や素養を身につけておけば、社会人になってからも主体的に効果的に学んでいくことができるのかをお話します。
社会人の学びに大切だと私が思う要素は次の4つです。
学び・成長にワクワクできること
読書習慣
批判的思考
自己認識能力(セルフアウェアネス)
1つずつ説明していきます。
1. 学び・成長にワクワクできること
能力やスキル以前に、新しいことを学んだり、未知の経験に挑戦したりすることにワクワクや楽しさを見いだせなければ、誰にも強制されない環境で学びを続けることは至難です。
そもそも、学びや成長へのワクワクはすべての人が備えている素養です。
「できなかったことができるようになって嬉しい!」
「わからなかったことがわかるようになって楽しい!」
という感情がなければ、歩いたり、言葉が喋れるようになったり、自転車に乗れるようになったりするわけがありません。興味を持ったことに対して技能や理解を深めたいという欲求はすべての人が持って生まれるものです。
しかし、「勉強しなさい」と言われ続けたり、夢中になってがんばっていることに対して「役に立たないことに熱中してないで宿題しなさい」などと言われたりして、好奇心や成長意欲を抑えつける習慣がついてしまった人が少なくありません。
学びや成長は本来楽しく嬉しいものです。書店を散歩して気になった本を手に取るなど、小さなきっかけから好奇心を心に灯しなおしてみてください。
2. 読書習慣
何かを学ぼうと思ったとき、最も効果的な手段は結局は読書になります。入門書にしても、専門書にしても、論文や記事にしても、読んで理解する力が不可欠です。
耳学問の方が得意だという方もいると思います。
他の人の話を聞いたりするのは、新しい視点やきっかけを得るのには適していますが、論拠などをきちんと踏まえつつ深く学ぶことには適していません。
また、最近はオーディオブックやポッドキャストなども便利な学習手段として使いやすくなってきましたが、単位時間あたりの情報処理量では「聞く」より「読む」に軍配が上がります。
また、オーディオブックの場合、一度聞いた箇所をもう一度確認・引用するために参照するのには不便です。分野についてさらっと概念を知りたいという場合には手軽で便利ですが、深く学ぼうと思えば、最終的には書籍や参考文献をじっくり読み込むしかありません。
読書は習慣と慣れがとても重要です。
日頃から本を読む習慣がない人が、いきなりがっつり読書に取り掛かるのはなかなか大変です。まして社会人として忙しく過ごしている中で、慣れない読書に時間やエネルギーを割くのはなかなか難しいでしょう。
学生の頃から呼吸するように読書する習慣が身についれば、忙しい中でも読書を苦にすることはありません。
また、読書もある種のスキルなので、いきなり難しい本を読んで理解していくことはできません。
たとえば、私は20歳のときにジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』を読もうとしましたが、難解すぎて十数ページで挫折しました。「一般書のくせに論文調で600ページもいかつい文章書いてんじゃねえよ!」と自らの未熟さを棚に上げて著者にブチギレました。
ちなみに私はセンター試験の国語の現代文は95/100点でした。自慢みたいになってしまいますが、20歳の段階で一般的な水準より読解力は高かったと思います。それでも、読書に慣れていなければ読めないのです。
22歳のときに、いくらか読書に慣れてきてから再挑戦し、苦戦しながらもなんとか読破することができました。
26歳のとき、さらに読書習慣や読解力が強化された状態で読むと、とても楽に読めただけでなく、22歳のときにはよく理解できなかった箇所がスッと理解できたり、1つ1つの抽象的な論に対して自分なりの具体例を思い浮かべられたり、同じ本から得られる価値が倍増していました。
若いうちから読書の習慣を持ち続けて、読解のスキルを上げておく必要があります。学生のうちから読書する習慣を身につけておかなければ、社会人に求められる高いレベルでの学びをスムーズに進めていけなくなってしまいます。
3. 批判的思考
批判的思考(クリティカル・シンキング)とは、情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討した上で論理的・客観的に理解しようと努める能力や習慣のことを言います。
批判的思考を身に付けないまま社会人が勉強すると、しばしば悲惨な結果になります。
医学的根拠に乏しく発信元が怪しい情報を真に受けて、陰謀論的な反ワクチン派になってしまったり、「パソコン一台で簡単な作業で月収◯◯万になれる方法を教えます」といった詐欺的な商材を買ってしまったりと、眺めていてなかなか辛いものがあります。
ものごとに批判的な考察を向けるためにも教養が必要です。さまざまなことを学ぶ中で、
「あれ、この本とあの本が言ってること、対立してるな。どっちを信用すればいいんだろう」
「この人、著書で書いてることと講演で話していたことが矛盾してるように聞こえる。なぜだろう?」
という曖昧さや複雑さの壁に何度もぶつかり、自分なりに調べたり考察したりして乗り越えてきた人にしか批判的思考能力は与えられません。
また、批判的思考とは、自分が読んだり聞いたりしている内容を批判的に考察する能力だけを意味するものではありません。いま自分が信じている価値観や信条に対して「本当に正しいのだろうか」「まだまだ理解が浅いのではないか」と疑問を持つことができる力も、クリティカル・シンキングの重要な能力です。
現状の知識や理解に満足してあぐらをかいている姿や、自分の間違いを認められずに頑固に威張っている姿は大変見苦しいものです。
「自分が信じていることが間違っているかもしれない」と認めるのは非常に難しいことです。これまでの自分を否定するような気持ちになるからです。自分自身にも批判的思考を向ける力は、一朝一夕に身につくものではありません。学生の頃からたくさんのことを学んで、
「あ、昨日まで信じてたこと間違ってた」
「十分に理解してると思ってたけど、実はもっと深かった」
という経験をたくさん積んでいればいるほど、自然に謙虚になることができます。
4. 自己認識能力(セルフアウェアネス)
セルフアウェアネス(Self Awareness)とは、自分自身について客観的よく気付くことができ、自分自身についてよく理解していることです。
学びにはさまざまな課題や困難が伴います。
モチベーションが切れそうになって、途中で投げ出したくなることもあります。また、理解していると思っても、求められる水準できちんと理解できていないこともあります。
セルフアウェアネスが高いと、自分の心が折れそうになったときに、早い段階で気づくことができモチベーションを維持するための対処をすることができます。
また、自分はどんなときにやる気が出やすいのか、どういう工夫をすれば学習を継続しやすいのかをよく知っているので、より適切で効果的な対処をすることができるようになります。
さらに、自分の現段階での学習到達状況を客観的に把握し、「理解していないのに理解していると錯覚する」「まだ十分に熟達していないのにできるようになったと勘違いする」ことを防ぐことができます。
いろんな学びや習慣に挑戦し、失敗したり成功したりしながら、自分をよく観察することでセルフアウェアネスは高まっていきます。
まとめ
というわけで、自力で学んでいける人に求められる素養についてお話してきました。
社会人になってからは、勉強を強制してくれたり、何をどう勉強したらいいか教えてくれる人はもういません。
また、忙しい社会人生活の中で、慣れない学びや読書にエネルギーを割くのは本当に大変です。学校や塾だけに頼らず、自主的に学ぶ能力は習慣は学生の頃に身につけておきましょう
貴重な時間を割いて最後まで読んでくださりありがとうございます。みなさんの人生が、彩りと充実に満ちた素敵な日々の連続になりますように。
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