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危機はそこに迫っている・・・かも

Hana's Suitcase
(ハンナのかばん)
この本を初めて手にしたのは7年前。

お手伝いに入っていたモンテソーリのプリスクール。
そこで知り合ったレノアが私が日本からやって来たと知ってこの本を貸してくれた。

ホロコーストで命を失った女の子Hanaのことが取り上げられている。
んでなぜ日本人の私にって?

それは残されたひとつのスーツケースから持ち主のHanaを探し出したのが石岡史子さんという日本女性だったからである。

レノアは小学校の先生をしていた当時、生き残ったHanaのお兄さんがトロントに住んでいることを知り、小学校に招いたという経緯もあった。

石岡史子さんは現在NPO法人ホロコースト教育資料センターKokoroを運営されている。

そのKokoroが主催するオンラインイベントに先日参加した。

ドイツにあるザクセンハウゼン強制収容所記念館のガイドをされている中村美耶さんを招いてのセッションである。

時差があるのでこちらでは午前7時の開始。でも当日はヨーロッパなど海外からの参加の方もいらした。

セッションはホロコーストを踏まえたうえで”抵抗とは”という切り口であることが興味深かった。

この政策が、この法律が不当だと思った時
あなたはそれに抵抗できますか?

このセッションがきっかけで興味のままYoutubeを検索していると・・
いやはやはや
動画が芋づる式に次々と出てくる。
Youtubeってつくづくすごいなと思う。
Timeline world history documentary
とか
トラベラー目線の
History undergroung


そしてこのドイツを起点に繰り広げられたホロコーストの悲劇はユダヤ人ばかりではないことにも気づかされた。

元ナチスの家族を持つ人々の苦悩。
それは語り継がれる歴史の悲劇ではなく現在も進行中の悲劇だった。

私はバイリンガルではないため、必ず英語字幕付きで見るのだが、まだまだ理解がついて行かない部分が多くもどかしい思いをしている。

折も折、ここカナダで下院ロタ議長が辞任に追い込まれたという報道があった。それはウクライナのゼレンスキー大統領がカナダに来たとき、議会での演説に招いた元軍人がナチスの関係者だったからである。戦争での功労者として賞賛し議会で喝采を浴びた人物が実は大量虐殺にかかわっていたことがわかった・・。(戦争の功労者、英雄って何?とも思うが)

第二次世界大戦の戦禍は今も続いているのである。
戦争は終わっていない。

”先の戦争”と言えば応仁の乱のこと、と言われている京都生まれの私。
小学生の時ベトナム戦争が終わったというニュースを見て驚いた。
戦争って教科書に載っている昔の話だと思っていたのだ。
今も戦争している国があるんだ・・・の衝撃。

戦争を語り継ごう
その悲惨さを次の世代に伝えなければ・・。
と言えるのは
私にとって戦争が完全に過去の他人事だからこそ。

戦争はサイレントヒストリーでもあるのだ。
悲惨すぎると語れない。

夫ジェイはベトナム戦争に行ったがその話をほどんど聞いていない。
あのジェイでさえも。

ここカナダには第二次世界大戦後ドイツから逃れて来た元ナチス関係者も多数いると聞く。そんな人たちは、その家族は、今回の下院議長辞任で何を思っただろう。

アメリカL.A.にいたときは、近くにユダヤ系の病院があったこともあり、たくさんジューイッシュの人と知り合った。
その人たちの中には大戦中に生き延びるためにやって来た家族もいただろう。
ナチスから逃れることができた幸運は紙一重の違いだったかもしれない。

レノアはこんな本も貸してくれた。

ブックマークは彼女からのバースデイプレゼント!うふふ。

第二次世界大戦下のアメリカでの日系人収容所送りは知られているが、ここカナダのことはあまり語られていない。
この本はカナダ・バンクーバーに住んでいた日系カナダ人の著作。収容所へと送られる生活が子供目線で描かれている。(Obasan→叔母さん)

私がもう少し早く生まれていたらここカナダにいて同じ経験をしていたかもしれない。

収容所で生まれた日系アメリカ人の友人がいる。彼の容姿以外から日系であるというかけらさえも見つけることはできない。日系として敵国で安穏に生きることが許されなかったのである。
ここでも戦争は続いていた。

戦争は今もどこででも続いていて
それなのに新しい戦争がまた始まろうとしている。
ひょっとしたら今日きょう日本が平和であるのも
紙一重のことかもしれない。

英国人のスーの夫はフォークランド紛争と湾岸戦争に行っている。
その話をスーから聞いたときは
そういやそんな戦争あったなああ・・
反省💦
安穏に生きすぎてしまった、同じ時代なのに。

でも今は違う。
明日何かが起こってもおかしくない。
紙一重の違いで人生を大きく左右する出来事が迫っている、
かもしれない。
戦争は終わらないというのに次への準備が進められているのだから。

そしてそれをおかしいと思うのにそれに抵抗する自信が私には全くない。

だからせめて私はこっそり準備をする。
戦禍を逃れる地としてのここカナダに。
ここにいることを選択した理由の片隅にそれがあった。

なあんて言ったら
マジで?ってあなたは思ったかしら?

大丈夫。
必要になったらあなたもいらしてください。
家はまだ完成していませんが・・・(笑)


ということで、は~い、急いで湖畔の家を仕上げます~
危機がすぐそこに迫ってい





るかもしれないから。


日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。