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偶然の縦糸・横糸 3

偶然の縦糸1 偶然の横糸2の続きです。

ばらばらだった糸が紡がれ始めようとしていた。

オンラインで英語リーディングのレッスンを受けたい。
そう言ってきたのは東京に住むナナである。

そのころ私はカナダ湖畔の家にいて、東京にあるスクールをかろうじて運営していた。
本当にかろうじてという状態で、ここだけの話、全くその仕事に対する意欲を失っていたのである。
いつ閉じてもいいというくらいに。

以前はスクールの講師のひとりにオンラインクラスを持ってもらっていたが、彼は引っ越して教室クラスからも遠のいてしまっていた。

ナナと私は会えば何時間でも話せる仲。ただのおしゃべりではない。彼女も語学を専門に仕事をしていたから、扱う言語が違うとはいえお互いの情報や体験のシェアでいつも話が尽きなかった。
そんなナナに合う講師は?


そのときである
縦糸が一本すっと通ったのは。

レノア!

ナナがLineで連絡をくれる少し前、レノアがこんなことを言っていたのである。

オンラインで中国の子供たちに英語を教えていたのに、中国政府の外国語学習禁止の方針で突然、すべてのクラスがキャンセルされたと。

こんな偶然ってあるかしら?
レノアに講師を頼もう!

そしてリーディングのクラスに使う本として真っ先に私の頭に浮かんだのがHana's Suitcase

私の心の隅にとどまっていた一冊の本。
表紙にうっすらとかぶった埃を私は手のひらで払った。

夫のジェイとオランダへ旅することになったときナナが教えてくれたのである。アムステルダムにあるアンネの隠れ家(アンネの日記)を見に行った時のことを。
きっとナナもHana's Suitcaseに興味を示してくれるに違いない。


こうやってレノアはナナとのリーディングクラスを皮切りに東京のスクールをカナダから手伝ってくれることになった。
そして今はもう三つのクラスを持っている。

きっとナナ自身は気づいていないだろうな。
こんな風に縦糸を通してくれることになったことを。

それだけではない。
日本に一時帰国中、このHana's Suitcaseの本に描かれている石岡史子さんにぜひ会いたい!
帰国前そうレノアに伝えると手をたたいて喜んで、私に見せてくれたあの大切な写真のコピーを託してくれた(偶然の縦糸2  参照)

残されたスーツケースを追ってHanaを見つけ出した石岡史子さんは現在NPO法人ホロコースト教育資料センターKokoroの代表である。

メールを送るとすぐ返事をくださって、ナナと一緒に都内の学校で催される講演会を見学させてもらえることになった。

今東京にいて、その報告をカナダにいるレノアにすると、オンラインの画面越しに太陽のような笑顔がはじけた。

一本の縦糸に横糸が渡され、そして知らぬ間に縦糸そしてまた横糸と編み込まれていることに気づくのである。

色々な偶然と絶妙なタイミングの組み合わせ。

そしてこれからは自分で糸を通して行きたい。
編み込むのは日本とカナダの子どもたちをつなぐプロジェクト。

これは実のところずっと心の中にあったプラン。
よく考えたらこのnoteの投げ銭(?サポート)にそう書いて、寄付していただいている方がいるにもかかわらず、全く進んでいないではないか!
ぎゃっ、これって詐欺状態?‼

日本のスクールの子どもたちがカナダに来てホームステイをする。カナダの子どもたちや自然や文化に触れて楽しい体験ができる機会を作りたい。

さあ準備を始めよう。
私はワードを開けて必要なことを書きだした。
とにかく建築中の湖畔の家を仕上げなくては。
子供がステイするのに危なくない程度に(全部は無理だし 笑)
それからステイ中に提供できるアクティビティ。
レノアも一緒に。

書き出しながら
わたしの胸が
ドキドキしてくるのがわかった。

果たして子供たちは興味を持ってくれるかしら?
近い将来にと、スクールの保護者たちにちらりとこの計画を漏らしておく(笑)。

そうだアクティビティのひとつに野菜作りも取り入れよう。
東京のスクールでも毎年行ってはいるが、それは週一回、それもたった10分程度の活動である。
本格的に組み込めるようHorticultual therapy(園芸を使ったセラピー)のコースを取って知識を増やしておくのがよさそうだ。

次から次へとアイディアが頭に浮かび上がってきた。

夫が亡くなってからというもの、ずっと冬眠状態だった私の頭がようやくお目覚めになった感じ?(笑)

その時である。
パソコンの右下にクリーム色の通知が表示された。
新着メール。

スクール宛てのメールだ
クリックする


ーこの間ちらっとお聞きしたホームステイのことですが
ー今年の夏行けたりします?親子で。

保護者からの問い合わせだった。


(ヘッダー写真は東京のスクールで野菜を育てる子供たち)

日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。