赤ちゃんに意思疎通を試みる
朝起きて、まずは顔を見る。
おはようと声をかけてみても無反応。
これは後で分かった事なのだけど、生まれたての赤ちゃんは声を出して笑わないし、特別な反応もしない。
笑うという力、意志を発するという力はゆっくり育まれてくるのだ。
だからと言って何も感じていないわけではなく
心の中では様々な感情を持ち、意志を持っている。
そう本に書いてあった。
それを信じて片思いの男の子ように、僕は小さな声で話しかけて、そして赤ちゃんに対して愛している事を伝え続けた。
そう言った事を続けていると、ある時目が合うと微笑むようになった。
笑った顔は、僕の小さな時の顔にそっくり。
いたずら好きな感じ。
そして、どこか妻の顔にもそっくり。
自分の親に写真を送ると、とても嬉しそう。
人生初めてまともな親孝行をしたかもしれない。
本当に親には迷惑をかけ続けている人生だった。
子育てや結婚は、今の時代もしかしたらコストパフォーマンスという観点から見ると優れていないのかもしれない。
でも、思った。
体で感じた温かさや喜びは、真実である。
抱っこした時、顔によだれをつけられる事は
幸せである。
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