作曲家修業の思い出(4)フリーソウルとカフェアプレミディのシリーズは全部買え

前回は、デモの打ち込み方法にダメ出しをされたわけですが、次に曲作りの前に指南されたのは、

レファレンス音源を沢山持っておけ

ということでした。

ぼくの場合、当時は「オリジナルラブフォロワー」だと2ちゃんねるに書かれるくらい、田島貴男さんの曲にどっぷりはまっていましたが、それ以外にもいろんなジャンルをかじっており、広く浅くは聴いているつもりでした。余談ですが、大学時代にプログレを聴いていたのは今になってみるとすごく大きくて、特にBill Brufordのタイム感、Dave Stewartのコード感とボイシングはとても勉強になりました。

さて、曲づくりにあたって「手っ取り早くネタとして仕込んでおけ」、ということで指示されたのが、フリーソウルカフェアプレミディのシリーズだったのです。

※このシリーズの選曲をされているのが、サバービアスイートというユニットで活動されている、橋本徹氏です。彼については、他のブログが詳しいので、そちらをご覧ください。

橋本徹のカフェ・アプレミディ/フリー・ソウル/サバービア

Mix Tape Troopers 「ミックステープ・トゥルーパーズ」 Books of 「Suburbia Suite」 - サバービアとフリーソウルについて

確かに、あの「Free Soul Underground」やOrgan Barのイベントには、大学生~社会人なりたての頃に何度か行ったものです。そこで出会った、Jackson Sistersをはじめとした「発掘」音源は数知れず。


そして、このシリーズで発掘された音源が元ネタの、J-POPな名曲も数知れずなわけです。

関係者でなくても有名なのが、これ↓ですね。


このネタ、Free Soulのシリーズでは1995年の「Avenue」に収録されています(つまりFree Soulシリーズのほうが後でリリースされており、SMAPの「がんばりましょう」を作曲された方は、ご自身のレコードコレクションの中から「レスペクト」という形で元ネタとして引っ張ってきたということになります)


一方、カフェアプレミディのシリーズはジャズ~映画音楽~フレンチ~ボサノバサンバ系が多く、1曲1曲のタイムが短いがために1シリーズで20曲以上の収録が多いので、若干散漫な印象があります。どのシリーズも一長一短ですが、ぼくはこの「カフェ・アプレミディ・ローズ」が好きです。


選曲家のチョイスしたコンピレーションです。メーカー縛りとかいろいろあったとしても、まあ「失敗」は少ないわけで、良曲をコンパクトに集めるには手っ取り早い。

そこで、普段まったく使わないTSUTAYAに行く→会員証を作る→全シリーズをまとめて借りる→即リッピング→iPod格納&CD-R焼き、という行動に出たわけです。


それにしても、今になってもこの2つのシリーズは本当に良いコンピレーションだと思います。今でも曲づくりに悩んだときは、この2シリーズに立ち返ることが多いです。

作曲家だけでなく、アレンジ面でも参考になりますし、純粋に家でかけっぱなしにしておけば、家カフェ気分も味わえます。初期のリリースはもう新品では売っていないようですが、Amazon マーケットプレイスで買えますし、最近は中古ショップでもちらほらみかけるようですので、ご興味のある方は是非制覇してみてください。あ、ショップを経営されてる方はこのシリーズを制覇して、BGMでかけるだけでセンスが上がった風味を味わえると思います。

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