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欧米型「学生寮」の世界戦略

不動産の開発というと、「①商業開発 ②宅地開発」というようなところが、大まかな分類なのですが、昨今はちょっと様子が変わってきました。Amazonがあるから消費はオンラインで。人口が減ってるし家も売れない。ということで、不動産開発は方向変換を求められてます。

今回調査したのは、その中でも面白い、学生寮という存在です。

旧来の「学生寮」のイメージ

日本最古の学生寮 京都大学吉田寮
  1. 古くて汚い

  2. 共同風呂・共同トイレ

  3. 男子だけで、男臭い

というのが、ぼくが思っていた学生寮というイメージです。上の写真、吉田寮のようなものは今ではまずありません。普通のアパートやマンションのようなものに変わっていってます。

慶応大学網島学生寮

こんな感じで、学生寮に投資をする大学もでてきてますが、多くの大学はあまり予算がない。古い学生寮をリニューアルしながら耐えてる。
学生寮は安いけど、選択肢は狭いし、コミュニティが限定される。ということで普通の賃貸アパートを探すのが主です。日本人ならそれで十分なのです。

問題は留学生向けの不動産が充実してないということです

立教大学にくる留学生
  • 高いセキュリティをもち

  • 外国人でも手軽に契約が可能で

  • 共同生活を体験し文化交流が育まれ

  • 所属大学以外の学生とも交流ができ

  • 生活のサポートをするスタッフが配備されていて

  • さらにWiFiが完備!

こういう学生寮が需要が高い。従来のものと区別するため「PBSA」(Purpose Built Student Accommodation)と呼ばれてます。1990年のイギリスでスタートしたモデルです。大学ではなく民間ディベロッパーが建設します。

人気を集める欧米型の学生寮「PBSA」

イギリス バーミンガムにできたPBSA「Gosford Gate」

日本の大学は、今後ますます売上確保に苦戦します。つまり学生確保に苦しみます。人口が減ってますので大きな戦略として、「学生の囲い込み。」「地域に開放。」「留学生の大募集。」の3点が成長の道になります。

別の大学の学生と交流できる

①これからは多様性の時代だ。
②海外で活躍できる教育を。
③自分の意見が言える人材を。

ってなことを日本でも言う。若い人も、そんな体験ができ安全が担保されれば、こぞって参加するのでないかと思います。

逆にいうと、PBSAをもっている大学が、一人勝ちの状況になるのだろうと思います。

文京区白山駅にできたHakusan House

2018年。東洋大学の白山キャンパスの駅チカに、これが完成しました。「Hakusan House」です。慶応大学、早稲田大学、東京大学本郷キャンパスに近く、あちこちの大学生が利用できるPBSAです。外国人留学生も多く、日常生活の中でグローバルなリテラシーを身につけることができる。

hakusan house を開発したユニネスト

開発したのはユニネストというイギリスの会社。日本人が出来なかったのが悔しいですが。現在はコロナでどうやねん。という心配もありますが、どっこい稼働率は落ちていないそう。人気がある施設だから、入居者が列をなしているようです。
(↓↓↓https://www.uninest-japan.com/↓↓↓)

まとめ

岸田文雄内閣総理大臣

日本政府は2021年3月に「留学生30万人計画」の検証結果報告を公表しました。2020年までに留学生を30万受け入れようという計画は、2019年に前倒しで達成されています。

ポスト「30万人計画」の政策は、技術流出防止の観点にも十分留意しながら、交流の入り口である受入数を拡大していくことは戦略として変わっていません。今後は外国人をより親日派になってもらい、個人個人の友好的な外国人ネットワークの構築を重視されてます。

PBSAにかぎらず、時代の変化に応じて必要な建築の形やサービスが変わる。食・エネルギー・教育、あれこれ変わっていくので、頑張ってアップデートしていくのが大事ですね。

それにしても、「英語が話せる、英語で読める」が、やっぱり必要と思います。大学の経営維持とか企業の労働者確保とか、また事業拡大のフロンティアを探すにも、やはり英語能力が必要不可欠。(母語の国語による訓練はいわずもがなです)。

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