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詩作Ⅶ 折り紙の星

 折り紙の星を見上げる

 小さな樅の木のてっぺん

 シャンシャンシャン きみは口ずさむ

 凍えた口びる トナカイのそりすべり

 ぼくのポケットには二枚の銀貨

 この街に サンタクロースはいないみたい

 あたし いい子じゃなかったかしら?

 両手にシュトレンの包みひとつ

 どこから来たの?

 ぼくは雪の子 きみは星の子

 名前も知らない ベルが鳴る

 銀貨をひとつに シュトレンはふたつに

 あたし 行きたいところが あるの

 シャンメリーの瓶を傾けて

 粉砂糖の雪を頬にまぶして

 星はどこにあるのだろう

 きみは回転木馬の前に立ち

 ポケットの銀貨を放り込む

 ぼくはラムレーズンを噛みながら

 歌のつづきを口ずさむ 

 きみの知らない 雪国の言葉で

 木馬は巡る 落ちてきた星飾り

 月の音がするオルゴール

 もう一度 星が見たいの

 なけなしの銀貨 指で弾いて落とした 

 シュトレンのくるみを割って

 どうか きみの折った折り紙の星が

 いつまでもきみのそばで

 かがやいているように 

 

 <詩作のあとがき>

 クリスマス、ということで詩をひとつ作りました。7番目に作った詩です。

 思い立ったら作れるのが、詩のいいところかもしれないなと思います。小説みたいに難しく考えなくていいから。

 寒いのでお風呂に浸かりながら、思い浮かべました。

 いい子にも、そうじゃない子にも、クリスマスの朝が等しく訪れますように。

 kazuma

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