詩作Ⅳ「海辺のナポリタン」
海辺の街に 君はいて
ナポリタン
作ってもらう 夢だった、
カモメと 飛行機が
空を追いかけっこ
僕はテトラポッドのない街で暮らす
ピーマンと、玉ねぎを、炒める
貝殻のなかで眠っていた頃
潮騒は遠く
夜は更けて
背中合わせに歩いていった
砂浜の先は十字路
口を拭う
硝子みたいな真夜中
波の音がする
そして、ケチャップを口につけた君を
忘れた
<作者あとがき>
ナポリタン、誰かに作ってもらうのが夢でした(が、今日も自分で作りました)。ピーマンを刻んでフライパンで炒めていたときに、何となく思い立って、詩を作れないかなと思いました。普段は小説を作っています。でも、ひょっとすると詩を作る方が楽しいかもしれない。そう思うのは、たぶん、詩についてほとんど何も知らないからだと思います。
2023/03/11 16:03
kazuma
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