2019茂原先生まとめ

【iPadを用いた授業作りのヒント②】Creativity(クリエイティビティ)の重要性

前回のブログで、iPadを使って日々の授業をどうデザインするかそのポイントについてまとめていきました。

Creativity(クリエイティビティ)の重要性

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前回のブログで書いたことのポイントの他に、せっかく授業を受けるなら「生徒たちが英語を楽しく、将来に役立つ意味のある形で学んでほしい」という願いもあります。

ですがこれ、意外と実現するの難しいんです。

この願いを実現するためには、英語の授業ですと単に英語ができるようになるという部分へアプローチすることだけでは不十分で、自分はどんな人間で、自分の将来に必要な英語力とは一体何か。生徒自身が考えながら英語力を獲得するような授業作りをする必要があります。
そうした授業を組み立てるうえで、Creativity(クリエイティビティ・創造力)という言葉は重要なキーワードです。

Creativity = Identity

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学習を古いスタイルから新しいスタイルに変えていくなかで、授業では生徒たちに様々な形で自分を表現できる場があることが大切になってきます。
知識や技能を受け身に覚えるのではなく、学んだ内容をいかにクリエイティブ(創造的)にアウトプットできるかが、学習効果に大きく影響してくるからです。

クリエイティブな学習活動というと、企業が求める人材が変わってきたから学校でも取り組むべきだといった意見もあります。
でも私は、自分とはどういう人間なのか、アイデンティティを確立するためにやるべきだと考えています。大げさに聞こえるかもしれませんが、表現は自分をつくることの本質につながると考えています。(和田, 2017)

生徒たちのクリエイティビティは積み重ねていくとだんだんと生徒のアイデンティティ(自分らしさ・個性)の一部になっていきます。
クリエイティビティを育むことで生徒たちの学びがより深まり、どんな世界でも活躍できるしっかりした芯のある人格を形成するのに役立っていくのです。

感情が揺さぶられた体験を、アウトプットする

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学校行事を教室の学びに活用することは、ひとつ重要なアイデアです。
学校行事には、机の上では学ぶことのできない貴重な体験が詰まっています。こうした学校行事での体験を自分の授業に活かすことで、学校行事で学んだことをより深く学び直すことが可能です。

本校では中学2年生の夏休みに宿泊キャンプ学習に行きますが、そのなかのプログラムのひとつに「魚を自分で捕まえて、捌き、食べることで、どこまでが生命でどこからが食べ物なのか考える」というものがあります。
この体験は、子供達にとってかなり強烈なインパクトを残します。
なかには泣き出す女の子が出てくるくらい、生徒達はこのプログラムを通じて生命の大切さについて深く考えます。

この体験をもとに、2学期の授業を使ってこのキャンプで学んだことを英語でビデオにしてまとめよう。という授業を3コマほど行いました。
学校に帰ってからもう一度行事のプログラムについて考えることで、しっかりと振り返りをすることができます。(極論、英語科なので英語を使えばなんでも授業として成り立ちますw)

こうした活動を授業に取り入れると生徒がみんな楽しそうに個性的な作品を作って、提出してくれます。
中には、その作品をSNSでシェアをしてみて「いいね」や「作品へのコメント」をもらい、学校よりもっと大枠の社会的な評価を得ることができる生徒が出てきたりします。
こうやって、楽しく、意味のある学びを授業中に積み重ねていくことがとても大切なのではないでしょうか。

この「魚つかみ」のプログラムを通じて、食物連鎖について考えたことや「いただきます」「ごちそうさま」を言うことの大切さを表現し、Twitterを使ってその体験をシェアしてくれた生徒の作品をご紹介します。

Creativityを授業に取り入れた一例として、記事を紹介いたいますのでこちらも参考にしてください。

STEAM

日々の授業に少しだけ生徒のクリエイティビティを刺激するような活動が入ってくると、生徒の学びはより立体的に変化してきます。
教室での学びがより深いものに変われば、生徒の理解度や学習効果が飛躍的に向上するのは当然のことです。
そうした学びを構築するうえでもうひとつキーワードとなるのはSTEAM教育です。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、STEAMはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)のそれぞれの単語の頭文字をとったものです。
STEAM教育の細かい歴史や生まれた背景などは割愛しますが、こうした要素を複合的に取り入れながら授業を組み立てることで、考える力を育み、将来どんな社会でも生き抜いていける力が付くといわれています。

例えば、「理科で調べたことを英語でプレゼンテーションしてみる」など、違う教科の先生とコラボレーションしてひとつの授業を実施してみることなども広い意味でのSTEAMに値するかもしれません。

(参考:「未来の教室」教職員向けSTEAM教育研修の実証事業より引用)

次回のブログでは、今回ご紹介したSTEAMの要素などを実際の授業にどのように組み込んでいくかについてまとめています。ぜひこちらもご一読ください!

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