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1000人企業へ PART2(2/2)

前回記事

前回は、現在の当社がこの数年でどのようにできて来たかを書きました。
ポイントは、
・たった4年ちょっと前は、10人規模だったという事実。
・会社の方向性をどのように考えて決めてきたか。
・自然と今の状態になったわけではない。
ということかなと思います。

10人、30人、50人・・・

この数年、当社では毎年新年度にあたる4月に、社員全員で札幌・定山渓の温泉ホテルにみんなで1泊して、新年度ミーティングを実施しています。かなり安いホテルなんですがw

4年半前の新年度ミーティング、まだ社員が10人程度だった時のことをはっきりと覚えています。ホテルの会議室みたいなところを借りてミーティングをしたのがこの時初めてでした。
この頃の僕は、今後の会社規模拡大に対しとても期待感が持てる状況でした。
ミーティング前から、そこでみんなの前で言ってやろうと決めていたことがありました。そして、それを言ってみんながどんな顔をするかを見たいと思っていました。ミーティングの最後に言いました。
「この勢いなら、社員30人とか超えちゃうかもね!」
反応は、普通でした笑
まあ雰囲気的には、「またあいつ、面白いこと言っちゃったわ」って感じだったかも知れません。

今なら、「20人社員が増える」ということが全然可能だとみんな思える状況ですが、頑張って増えてきて10人になった人達に、「30人になる」ってのは、かなりの高いレベルの考えでした。単純に3倍ですから。
僕も、かなりでかいこと言ってやろう!って勢いで言った「30人」という数字でした。なんか今では信じられないです。
言った時のみんなのピンときてない雰囲気は想定していましたし、むしろそれが見たかったという心境でした。
“シナリオ通りに進んだ"という思いでした。

拡大へのシナリオ

現在もそうですが、ほぼ全ての事業においてのメインリソースとなるのが、“人材(社員)”という会社です。商品の開発・製造・販売などとは違うので、「会社の成長=人の成長」に直結します。
会社が拡大していくためのシナリオには、その時いる社員に生々しくリアルに会社が成長することを体感してもらう必要がありました。
こんなシナリオを描いていました。

①10人に「30人になるぞ!3倍になるぞ!」と言っちゃう。
②みんなピンとこない。
③その後、30人になる。
④みんな、「おいおいなっちゃったよ!」を経験する。
⑤「次は50人になる」って言い、最初の10人から「やるぞ!」って人が出てくる。
⑥って、繰り返すと、もっと拡大する。

だから、この時のミーティングで②のピンとこない事が割と重要でした。
ここであまりやる気ある発言を聞いても、「本当にイメージできてるのかなあ・・・」と、心配になったかもしれないです。
重要なのは、④の“生き証人”をまず作る事でした。
この流れがあって、⑤の時のやる気が本物だと思えました。

言ってたらそうなる

これを1番見せたかったのです。
逆に言えば、言わない事は勝手に起きないと言う事を見せたい!と考えていました。
スポーツなどをしていた人とかは、割とこういう経験してる人も多いですよね。
大きな目標を口に出せる人の割合って、そんなに高くないと思うので、言った時点で叶う可能性が上がると思ってます。
言ってできなかったら恥ずかしいなんて、考える必要なんてないのです。たとえ、「言ってた事と違うじゃん!」と言われても、経営者にはそれくらいの変化の早さも必要です。

成長予測できた理由

最初に書いたように、僕は今年で起業20年になりました。
では、なぜ過去にそのようなシナリオを描くことができなくて、今できたのだろうか、それをとても考えました。
正解かどうかもわかりませんが、今思う昔との違いは、
①成長領域での事業に進んだ。
②成長できる人達(社員)に出会えた
③僕自身の経験と成長(歳とったことも含む!)
だと思います。
僕個人にとってのそれまでの期間は、社会経験もなく起業してしまった僕にとって、いろいろ経験したいといけなたい必要な時間だったんだと思っています。
特に、①はその時代その時代に何かあるものです。
一番の要素は、②と③だと思います。
どんな人に出会ったかで、その人のライフスタイルや考えが決まると思っています。当社に入社し、それで変わった人もいると思います。
同じように会社自体も誰かに出会って変わっていくということを、たくさん繰り返してきたと思います。

30人からと50人からの違い

10人から30人まで、30人から50人まで、この2つはかなり違いました。
成長が目に見えてわかり期待感に溢れた30人まで。
先の事を考えて準備とプレッシャーに溢れた50人まで。
自分の置かれている立場を理解し、考え方も変わりました。
『このままいくと、もう自分の目が届かない規模になる』という事を肌で感じ始めてきました。
会社の成長において、よく"30人の壁”と言う言葉を聞きます。ここからが伸びにくいと言う意味ですが、その感覚もわかりました。
正解かはわかりませんが、僕が思ったその理由は、
『1人で頑張ってた時から、変わらない仕事の姿勢で出来る限界』と言う意味なのかなと思います。
仕事時間、睡眠時間、休み、遊び、投資額の比率、それを変えずにできる限界なのかなと。
でも、こういったことは、そもそもそういうものを犠牲にしてやろうと思ってたので、30人の壁はシラッと通過してきた気がします。

そうは言っても、今考えたら結構大変なことをしてきたと思います。
ここまでしてきたことを、もう一度したいとは思いません。
睡眠は3時間、土日もほぼ仕事に使っていたと思います。
規模が大きくなり、仙台営業所もオープンして出張も多くなり、物理的にも精神的にも僕の管理の能力にも限界が見えてきたのは、
“社員50人の壁”くらいだったと思います。
それを超えて今がある一番の要因は、
僕から仕事を奪ってくれる人達が現れてきた事だと思います。
見返りや評価などを期待しない、純粋な思いでサポートをしてくれた人達が出てきました。
いなかったらこうはなってないし、今も保ててないでしょう。
そんな人にたまには感謝も伝えますが、みんな「それは仕事ですから」と言うだけです。もうなんも言えないですね。
いつの間にか僕よりも時間を使い、深く考え、今やるべき事を探し出し、能動的に行動する人達が出てきたと思います。
結局僕がした事と言えば、とにかく自分がやり続ける事を見せていただけでした。でもそれが僕にできる正解だったと思っていますし、今後もそのやり方が正解だと思っています。
「社長が働いていたらダメだ!」みたいなことを書いている本もたくさんありますが、僕にそれで成り立たせる能力はないので、働いて、見せて、真似する人がいて、それ以上にやってくれる人が出てくる、このやり方で今後も大きくなりたいです。

未経験の世界

現在、札幌と仙台の営業所、そして東京にも社員がおります。社員70名が3エリア、この状況で会社が機能するための各マネージャーやリーダーの役割は、3年前から比べたらかなりレベルの高さが求められてきたと思います。
そして、春には全エリア合わせると30名くらいの新卒入社が予定されており、100人体制になる事が現実的になってきました。

僕も社員も、全く経験した事のない世界に突入してしまいました。長さ不明のトンネルに入った気分です。
進むか、戻るか。
経営者って、間違って進んでいても、誰も教えてくれません。
社内から声が上がって来る内容もとても重要ですが、それは経営者より高い山から見えている意見とは違います。
あくまで、一緒に同じ隊列で山を登っている人の目線です。
会社組織としても、当社の現状から見てタイムリーにロールモデルになる企業もなかなか近くには見つけられません。
僕も会社組織も、今、何の頼りもなく自発的に進み続けるしかない時期になっていると、強く感じています。
最近は、布団に入ってもトイレにいても、心のどこかに不安があります。不安が無くなったことなんてないですが、最近は過去にないくらい不安になります。寝れなくなるから、すぐ寝れるくらいの疲労を待っている時があるくらい笑笑
でもこの不安は、これから大きく飛躍する位置まで来た会社にしか味わえない貴重な物だと思っています。
大勢の人が、同じような不安は感じてないと思ってます。
"その他大勢”の中から飛び抜けられたら、かっこいいんじゃないか!その期待感とやり抜こうと思う決意は、不安以上に感じています。

1000人企業を目指す

ここまで来たら、もうやるしかないかなと思ってます。
1000人以上の企業数は、たしか0.2%。
100人以上だと3%くらいだったと思います。(違ったらすみません)
ここまで、『社員数』の話ばかりしてますが、もちろん人数が増える事が会社の成長になるわけではありません。結局は売上だったり経常利益が大切です。
それでもこの『社員数』に指標を置くのは、前述で話したように、『雇用創出』の意味と既存社員が自分達の成長を視認しやすいという理由です。
5年で10人から100人、10倍です。
それならあと5年もかからずに、10倍の1000人にできるでしょ。
なぜ1000人かってのは、理由はありません。
1000人いたら、すごい!って思うので。
すごい会社にしたいです。

もし、1000人になるとして逆算すると、
■優秀なマネージャーやリーダーが100人くらいいる。
■既存事業は相当レイヤーを上げた社会的地位で業務をしている。
■各事業の売上単価の桁が変わっている。
■業務エリアが拡大している。
■国内だけでなく海外でも動いている。
■新しい事業が相当増えている。
■行政機関、大手企業との取引や連携が、今と比にならないくらいになっている。
■すごい稼いでカッコいい生活をしている社員がたくさんいる。
■就職人気ランキング上位になっている。

こんなことが想定できます。
想定できるので、もうそのつもりで準備していること、構想段階に入っていることもたくさんあります。
想定できることは、全部取り掛かるつもりです。
全部やっておけば、その一部しかできなくても、結構できているはずなので。

「社員1000人の会社にする」
もう言っちゃったのでw
言っちゃいましたので。

僕も今年で46歳になります。
サラリーマンの定年だったらあと15年を切ってます。
経営者の中で言えば全然若い方ですが、それでも起業して20年も経つと、生きてる間に何かしらの集大成を作らないといけないと考えます。
最初に書いたように、この日本の一部分でいいので、「この会社で働きたい!」と思い、そこで働くことを自分のライフプラン・キャリア設計の軸としながら、その人やその家族が良い生活をできるようにできる、そういう会社にしたいなと思います。

勉強ができない人、お金がない人、話が苦手な人、人との関わり方が苦手な人、体力的に弱い人、家族関係が複雑な人、子育てが大変な人、病気の人、人それぞれに何かしら不得意やハンディがあります。
そういった人達が、自分の良い部分を活かし、ここにいたら安心して頑張れる。
そんな場所が作れたら、ようやく自分がやってきた事に自信を持てるようになれるのではないかと期待しています。

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