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インストラクターという仕事

自分は大学を中退した。
それはなぜか…
就職氷河期の真っ只中の年代だったからだ。

大学の先輩は50社受けても受からず…
やりたくもない仕事に就き、渋々社会人となっていた。
その先輩が食堂でご飯を食べながら…
やりたいことがあるなら、大学を辞めてでもやるべき。
やりたくない仕事をして、お金を稼ぐ。
なんてそんなしょうもない未来はないやろ?
って言われた言葉が自分には凄く心に響いた。

その当時働いていたスポーツクラブのスタッフ。アルバイトだが…とても充実していて、学業が疎かになるくらいアルバイトが楽しかった。その一つがレッスンだった。

人前に立ち、倍近い大人何十人に指導をし、自分の動く真似をしてくれる。
そして、その数十分はまるで芸能人かのような扱いをしてくれる。

そんな快感を知ってしまった自分はこれを仕事にしようと決意するまでにはそう時間はかからなかった。

甘くはない世界〜

そう簡単なのかと思うとそうではなく…
体力も使い、そしてなにより準備が凄く時間と労力がかかる。
さらには怪我のリスクもある。
メンテナンスなんてしないものなら、すぐ故障。そしてスキルや資格を取るために学ぶセミナーやワークショップは何万、何十万と簡単に飛んでいく。
もちろんインストラクターでなくてもそのくらいは簡単に吹っ飛ぶのだろうが…
20そこらの自分にとっては大金だ。
ただ学んで、はいどうぞ。とレッスンができるわけでもなく…
それをアウトプットできるようになるまでに相当な練習や経験がないと…それはもうひどいものだ。
なんなら参加者の方が自分より歴が長い。そんなこともある。
標的になればたまったもんじゃない。
ほぼ罵声と言ってもいいくらいのありがたいお言葉。
なんなら途中で出ていかれてしまう始末だ。
もちろん自分の準備不足だから仕方のないことだ。
そんな甘い世界ではない。

フリーランスとスタッフの違い

フリーランスは一つのレッスンに対して対価が払われるが、スタッフは時給の範囲内だ。
もちろんフリーランスの方と比べるなんて…御門違いと言われればそうだが…これまた仕事道具はフリーランスと同じようにお金がかかる。
だが…時給の範囲内。
そうなってくるとどうしても差が生まれてしまう。ウェアも買えない。CDも買えない。
先輩方が忘れていったCDを借りてはレッスンということは珍しくはなかった。
そうしてスタッフ時代を2年半くらい過ごした。

はれてインストラクターに。

フリーランスの仲間入りとなった自分は…
さて、どうやって仕事をもらうのか…がわからなかった。
今でこそ笑い話だが…
普通はスポーツクラブにオーディションがあり、それを受けて、契約する。というのが主流なのだが…そんなこと知る由もない自分は…

タウンページを開き、大阪にあるスポーツクラブ全店に電話。
約120店舗くらい電話をひたすらかける。
初めまして。4月からインストラクターをしております。レッスンをしたくて、募集していないかご連絡させていただきました!
これをひたすらかけ続け、話を聞いてくれたのはたった一つ。
それでも今考えれば奇跡だ。笑
そうして面接をし、はれてレッスンを持たせていただくことになった。

初めてのフリーランスとしてのレッスン。
プールでの指導だったが…
マイクはなく、7コース。そして60〜70人のマダムの方々をお相手に45分間。
皆様は大変喜んでくださり、大盛況に終わった。

こともなく…ズタズタのボロボロ。緊張で声は震え…なんとも成功とは程遠いレッスンでした。
そうして1ヶ月続けて、給料日。
とても嬉しかったのを覚えている。
凄く凄く嬉しくて…ずっと通帳見てニヤニヤしていたのを今でも鮮明に覚えている。

こうして仕事が始まったのだった。
続く。

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