見出し画像

【セルフ密着取材】 会社を辞めたかったわたしが、仕事好きになっていった話。


突然ですが、皆さんは会社を辞めたいと思ったことがありますか?


わたしはあります。というか、割と早い段階で仕事が嫌すぎて逃げ出しました。


そんなわたしが今となっては仕事人間へと変貌を遂げたので、今日はそのきっかけとなったエピソードをご紹介したいと思います。


また、普通に書いてもつまらないので、密着してもらうことにしました。ただ、密着してくれる人も特にいないので、全部自分でやります。最近流行りのセルフインタビューってやつです。


ということで、本記事は以下のメンバーでお送りします。

<今回のキャスト>
密着者:小木曽(密)
密着される人:小木曽
撮影:小木曽
書き起こし・編集:小木曽
※密着と書いていますが、一人でやっているだけなので密ではありません。こんな注意書きが必要な世の中が早く変わることを願っています。



それでは本編をどうぞ。


今回のテーマについて

小木曽(密):
本日はよろしくお願いします。

小木曽:
こちらこそよろしくお願いします。なんだかお久しぶりですね。

最初にお伝えしておきますが、外なのでマスク姿で失礼します。本当は素顔で対応したいのですが、SNSで炎上するのは嫌なのでご理解ください。

画像1


小木曽(密):
全く問題ありませんよ。

小木曽:
ありがとうございます。
今日のテーマですが、若手のころは仕事が嫌で嫌で腐っていた私が、仕事を楽しめるようになったきっかけについてお話ししたいと思います。


小木曽(密):
今はすごく楽しそうに働かれているのに、そんな時代があったんですね。

小木曽:
そうなんです。特に新卒の頃は高い高い壁にぶち当たっていましたし、負のオーラしか出ていませんでした。

小木曽(密):
そこまでですか。

小木曽:
実はわたし、新卒時代に一度逃げているんです。それも結構本腰を入れて逃げました。でも、人に救われて今の会社にいるんです。あと一歩で全く違う人生を歩んでいたと考えると、やっぱ仲間は大切だなと思います。

小木曽(密):
え、そんなことがあったんですか?ちょっと詳しく聞かせ・・・

小木曽:
すみません、今から髪を切ってもいいですか?

小木曽(密):
はい????

小木曽:
最近髪を切ってなくて。予約入れてるんでちょっと行ってきますね。あそこのビルの2階なんで、ここらで待っててください。

画像2


小木曽(密):
(勝手な人だな・・・)

現在の会社への入社動機

小木曽:
お待たせしました。

小木曽(密):
本当に切ってきたんですね。

小木曽:
バッサリいきましたよ。いやー、気持ちいいですね。やっぱ夏はショートが一番。

画像3



小木曽(密):
はぁ・・・。では仕切り直しで。
そもそもなんで小木曽さんは今の会社(Mtame)に入社されたんですか?


小木曽:
いい質問ですね。

遡ること大学3年生。わたしはそこそこ早くから就活をしていたんですけど、実は公務員志望からベンチャー志望へ急な方向転換を行っていました。


小木曽(密):
ほう。なぜですか?

小木曽:
シンプルにそっちの人生が楽しそうだったからです。育った家庭がそこまで裕福でもなかったので、安定的に一定のお金がもらえる仕事がいいなと思っていて、短絡的にたどり着いたのが公務員でした。


ところが、自分のやりたいこととか性格とかを無視していたので全くワクワクしなくて。それで偶然参加した就活イベントの影響で、「ベンチャー楽しそうじゃん!」ってなったんです。


画像4



そういうノリだったので、”ベンチャーであること”以外に具体的な軸もないまま漠然と就活をしていました。そんなわたしでも、だんだんと自分の向かいたい方向性も見えてきたんです。


それが

「中小企業にITソリューションを提供しているベンチャー企業」に入社する。

というものです。


就活をしていた当時、リーマン・ショックを引きずっていたせいか日本の景気がとても悪く感じました。


実際に良くはなかったのもしれませんが、それにしても、しつこいくらいに不況だ不況だっていう言葉が耳に入って来ていたので、どうにかこうにかこの悪い空気を変えられないかと考えたんです。せっかく働くなら、今の日本に対して、自分ができることをしたいなと。


ちょうどその時、どこかの説明会かセミナーで、

「日本の企業の99%は中小企業である」


という話を聞きました。単純な私は、

「なるほど、では中小企業をもっと元気にするような仕事をすれば、日本がもっと元気になるかもしれない。」


そう考えたのです。良くも悪くも染まりやすい私はその軸で就活をしてみようと考えました。

画像5



そして、中小企業が一番困っていることってなんだろうと考えた時に、「IT」だろうなと考えたんです。単純ですよね。


そこで私の就活の軸は

「中小企業にITソリューションを提供しているベンチャー企業」

に決まりました。


実はこれ以外の軸は特になく、結局は入ってから自分がどう働くかだと思っていたので、最初に内定が出た会社に入りました。それが今の弊社(Mtame株式会社、厳密にはスターティアという会社に入社後の配属)なんです。

小木曽(密):
確かに就活がゴールではないですもんね。入ってからが大事。


小木曽:
ただ、今もし就活をやり直すなら「人」を軸に入れますね。私は幸運にも肌に合う会社に入れましたが、正直ギャンブルだったなと。

部活動も、いくら競技自体が好きでも一緒にやる仲間が嫌いだったら辞めたくなるじゃないですか。それと同じで、会社選びも最終的には人だと思うんです。

最近は面接をする機会も多いのですが、学生にも同様に伝えています。出来るだけ多くの人間に会って話した方がいいと。もちろん時間は有限なんで、できる範囲でですね。

画像6



小木曽(密):
同じ組織に属する人は重要ですよね。一緒に苦楽を共にする仲間ならなおさらだと思います。

意識とプライドが高かった研修時代

小木曽:
話を戻しますが、そんな軽い動機で弊社に入社し、入社後は約3週間、座学での研修を受けました。

もともと意識高い系だったので、その研修期間も始業の2時間前(7時頃)には最寄り駅に着き、読書や勉強に励んでいるような新卒でした。

夜も絶対に飲みには行かないと決めていたので、まっすぐ家に帰りその日の振り返りと英語の学習。その後は引き続き読書といった様子でした。めちゃくちゃ意識高くないですか?


小木曽(密):
超絶真面目ですね。ちゃんと同期と馴染めていたのか不安になるくらいです。


まあぼちぼちでした。でもちょっと子供だったなと思う部分もあります。


例えば『7つの習慣』という有名な本を会社に持ってきてる同期がいて、その時のわたしは

「フッ、雑魚め。そんなもの私は大学三年生の時に読破しているぞ。」


と、心の中で小さくつぶやいて優越感に浸っていたりする人間でした。そんなしょうもないことで張り合って、私の器の小ささが伺えるエピソードです。恥ずかしいけれど、過去の自分として真摯に受け止めています。


今でもこの川を眺めていると、「自分はなんて小さいんだろう」って思ったりするんです。まだまだだなあと。他人との比較ではなく、過去との自分と比較するべきなんだよなと。スカイツリーは大きいけれど、東京タワーと比べても仕方ないなと。

画像7



小木曽(密):
・・・そうですか。


小木曽:
話が逸れましたが、そのくらいの勢いで勝手に調子に乗っていたんです。あまり表には出さなかったので同期ともある程度は仲良くしていましたが、やっぱりちょっと痛いやつだった気がします。

突きつけられた理想とのギャップ

小木曽:
ただそんな自信も一瞬で砕かれることになりました。最初にして最大の試練、「テレアポ」です


私はスターティアラボという会社に配属され、まずはARのテレアポをしておりました。はじめはぼちぼちだったんですが、そこからWeb制作のテレアポに移った瞬間にまあアポが取れない取れない。1000コール1アポとかでした。


今だから笑い話になりますが、当時のわたしの顔から笑みなんて生まれません。とにかく毎日必死に改善しようと頑張ってました。

小木曽(密):
1000コールはたしかにやばい。センスないにもほどがある。


小木曽:
そう思いますよね。当時のわたしも思っていました。ちなみにこの時、焦りに焦って発明したのがカラオケでのテレアポ練習法、『シンクロナイズド・テレアポトレーニング』です。

小木曽(密):
なんですかそれ。

小木曽:
テレアポを自主練をする際に、自分の声を録音して聞いたりするじゃないですか。当時はギリギリの生活をしていたので、いちいち録音して聞くのが非効率だと思ったんです。

そこで、カラオケのマイクでテレアポの練習をすれば話すのと聞くのを同時にできることに気が付きました。そうすれば練習時間が2倍になる。そして、練習が辛くなったら歌えばいい。最高じゃないですか?

小木曽(密):
・・・ちょっと何言ってるのかよくわからないです。


小木曽:
常人にはなかなか理解されません。まあちょっと手段が目的になってましたけどね。そんな感じで自分なりに工夫して、頑張ってはいたんです。懐かしいなあ。大変だったなあ。

画像8


徐々に腐っていく心と精神の限界

ただ、流石にアポ数が増えなくて心がやられていったんです。


その頃はチームでアポ数を競っていて、自分がアポを取れないと周りのメンバーの足を引っ張るという悪魔のような仕組みになっていました。ただでさえ競いごとが苦手なわたしからしたら地獄のシステムです。
(※今はそんな厳しいルールはないのでご安心ください。)

しかも、わたし以外のメンバーの商材が全てARだったことが、更なるプレッシャーとしてのしかかってきました。


当時、ARはすごく目新しかったので、Web制作と違ってアポがバンバン取れていたんです。みんなが1日に何件もアポを取る中、わたしは1週間に1アポとかなんですけど、みんな優しいから励ましてくれました。その優しさが逆に辛かったし、本当に情けなかったですね。

小木曽(密):
もともと意識が高いゆえに、なおさらギャップに苦しみそうですね。


小木曽:
そうなんです。落差が尋常じゃなかった。
入社前から意識高い系で、入社後もそこそこ気合いいれて活動していたので、同期にだけは絶対に負けたくないと思ったら足を引っ張りまくってる現実に耐えられなくて。迷惑もかけていて。会社に行くのが本当に嫌でした。自分なんていない方がいいと本気で思っていましたね

いま振り返れば、なんであそこまで思いつめていたんだろうと思うのですが、当時は本当に追い詰められていました。毎日ビルが爆発して欲しいと思っていましたし、入る会社を間違えたんじゃないかと本気で思っていました。



そしてついに、わたしは逃げてしまったんです。

「もー無理だー!」と。



わたしは会社を欠勤しました。そして当時の上司にメールで「辞めたい」と伝えました。

画像9


小木曽(密):
ついに限界がきてしまった小木曽さん。

そうだ、沖縄に行こう

小木曽:
限界は迎えたものの切り替えは早かったので、次のことばかり考えていました。今でも鮮明に覚えているのですが、実家で『沖縄県公式移住応援サイト おきなわ島ぐらし』のWebサイトを2時間見ていました。

小木曽(密):
わかりやすく現実逃避してますね。


小木曽:
当時はたいそうな言い訳を並べてましたけどね。


あと沖縄以外にも、動物が好きなので動物園の飼育員も候補にありました。


ただ資格が色々と必要なのと、何より給料が大幅に下がるのでやめたんです。追い込まれて辞めようとしている分際で、何を偉そうにって感じでした。

画像10


完全に辞めるモードの私に、上司が一度だけ会って話そうと言うので、流石に会うことになりました。待ち合わせ場所は忘れもしない、私の地元である千葉県市川市南行徳の駅前ドトールです。

意識的に”頑張りすぎない”ことの大切さ

小木曽:
正直、上司に何を言われようともう辞めようと思っていたんです。第一声も「辞めたいです」から始まりましたし。律儀にネクタイまで締めて、恐る恐る上司に伝えたんです。

小木曽(密):
意思は固まっていたと。


小木曽:
はい。ただ驚くことに、2時間後には「明日からまた頑張ります!」と言ってました。見事に意思がひっくり返ったんです。このドトールでの面談がなかったら、今のわたしはいなかったと思います。


特に印象的だった言葉が「お前は頑張りすぎだ。そんなに休みの日も詰め込んだら俺でも病むぞ。」という一言。正直、逆の言葉がくると思っていたんです。当時も根を詰めて働き続けていたのですが、頑張りが足りないのだと思っていたので。


ところが、かけられた言葉は「頑張りすぎ」というもの。衝撃だったのと、気持ちがすごく楽になりました。ただ、この「頑張りすぎ」というのは遊べという意味ではなく、くそまじめにやりすぎるな、という意味だったのだと思います。当時はちょっと勘違いしてましたが、今ならよくわかります。


この時の上司はもう弊社にはいませんが、とても感謝しています。短い間しか同じ部署で働かなかったのですが、間違いなくわたしの人生に影響を与えた1人です。年を重ねるほど、感謝の念が強くなっています。

小木曽(密):
まさに恩人ですね。

画像11


点と点が繋がった瞬間

小木曽:
その後もしばらくは結果は出ない時期が続きました。気持ちだけで結果が変わったら苦労はしないですよね。


ただ少しずつ、ほんの少しずつは成長を感じていました。特に成長を感じたのは2年目の後半、カスタマーサクセスを立ち上げた時ですね。


前述の通り入社当初から意識は高かったんで、人一倍インプットはしていました。でも、それを結果に繋げられない日々が続いてたんです。不器用なんですよね、どうしても。


そんな亀の成長をしていたわたしも、カスタマーサクセス(当時の呼称は無料コンサル)に異動になった途端、少しずつ花が開きました。点と点が繋がった瞬間でした。


Webマーケの知識やノウハウをどれだけ身につけても、新規開拓のセールスとしては結果に繋がらなかったわたしですが、クライアントの運用のフォローとなるとめちゃくちゃ力を発揮できたんです。結果、受注も増えたりして、今まで積み上げたものがついに爆発した!!と思いました。


正直それまでは、本ばかり読んで、インプットばかりしても数字取れないと意味ないって、ちょっと腐りかけていたんです。無駄なことしているのかなと。


でも少しずつ、これまでやってきたことが無駄じゃなかったってわかって、仕事が本当に好きになりました。頑張ってきたことが間違ってなかったとわかっただけでも、本当に嬉しかったです。そうなるまでに2年くらいかかりました。


長い道のりでしたが、途中で折れなかったのもやはり人に恵まれていたからだと思います。よく「社会人は楽しい」って就活の時に聞いていて、「ほんとかよ」って思っていましたが、本当にその通りでした。


そしてこういった経験があったからこそ、うまくいかないことがあっても自分を信じて続けようと思えるようになりましたね。

画像12

仕事との向き合い方は自分次第


小木曽(密):
花開いてよかったです。そこからは、順調に成果は出せたんですか?



小木曽:
まあ、ちょっとうまくいったからってそんな順調にはいかないですよね。というか仕事って順調に行き過ぎても成長が生まれないと思っていて、常に届くか届かないかの目標を自分で掲げていたんで、ギリギリの戦いをしていました。


でも、自分のやってることへの自信とか、やりがいもそれまでとは段違いでした。


純粋に仕事が楽しくて仕方がなくなったんです。起きてる時間は全て仕事のこと考えてましたし、勉強する時間も増えて、これだけ物理的に時間使ってるんだから社内で一番俺が詳しいはずって調子に乗ってました。調子に乗り過ぎて怒られたこともしばしばあって、少しずつ謙虚さも身につきました。


小木曽(密):
その毎日が、今に繋がっていると。

小木曽:
そうですね。ベースはその頃できたと思います。あれからまた6年くらい経ってるので、数えきれないほどの壁にはぶつかってきましたし、価値観も少しずつ変化してますが、仕事が楽しいと思えるようになったベースはこの頃構築されました。

画像13

経験したからこそ声を大にして言えること

小木曽(密):
こんなに楽しそうにしている小木曽さんも、暗い過去があったんですね。ぶっちゃけ昔からこんな感じでひょうきんな人間だったのかと思いました。

ではそろそろ長くなったので、締めてもらってもいいですか?

小木曽:
わかりました。では最後に、お伝えしたかったことを4つほどまとめますね。


・最終的に大事なのは人
わたしは人に救われました。今日はほんの少しだけエピソードをお話ししましたが、もっと数えきれないくらい人に救われています。だから今もこうして、楽しそうにしていられます。

プライベートの仕事も、色々大切なものはあるけれど、一番はやっぱり人だなと。本気でそう思います。


・本は読んだ方がいい
本を読むだけでは結果は出ないのは間違い無いですが、読んだ方が絶対に良い。視野も広がるし、人生のどこかで効いてきます。

辛くて心が折れそうな時も、わたしは多くの本に救われました。教養や趣味としての読書ももちろん大好きですが、それ以上の価値が読書にはあります。


・仕事を楽しめるかどうかは自分次第
仕事を楽しくするためには、「仕事を楽しむ努力をする」か「楽しめる仕事を選ぶ」しか無い、と考えています。わたしは前者を選んできましたし、今でもそうしています。そのためには頑張らないといけないけれど、方向性さえ間違えなければ楽しくなっていくのが仕事です。

そこの感覚が昔はわからなかったし、教えてくれる人もいませんでした。でも今は自信を持ってそう言えるので、同じように仕事で悩んでいる人は、自分次第で仕事は楽しくなると信じて欲しいです。


・人は変われる
根源的な部分は無理ですが、人は時間をかければ変わることができます。わたしも根っこの部分は変わっていませんが、昔よりも明るくなりましたし、考え込まなくなりました。


だから、人は変われると信じて、理想の自分に向かっていくことが大切です。


そんなところでしょうか。今回は貴重な機会をいただきありがとうございました。わたし自身の振り返りにもなって楽しかったです。

小木曽(密):
こちらこそありがとうございました。それでは最後に、小木曽さんにとって仕事とは。


小木曽:
人生ですね。ただそれが全てでは無いと思っています。プライベートも人生なので、変に境界線を設けずに、どちらも楽しんでいきたい。そういう意味で、人生そのもの。だから、これからも楽しんでいきたいです。


小木曽(密):
最高ですね!





苦労も生きがいもここにある、
ここがわたしのアナザースカイ、蔵前!

画像14

※写真の場所はまだ住み始めて半年だしオフィスは新宿なので別の場所だけどやってみたかった。



ありがとうございました。



小木曽


Twitter:小木曽一馬


過去のセルフアーカイブ▼


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?