見出し画像

良い牛は人間の手で双子にされている!?

お久しぶりです!
自分がレポーターを務めるTV番組なるほど!畜産現場
前回から、ついに新シリーズ「肉用牛」がテーマになりました!

美味しいお肉、みなさんも大好きだと思います。
そんなお肉に関するトリビアが満載なのでお得かも!

毎回のロケでの体験や取材で聞いた話、めちゃくちゃ刺激的です!
今回は肉用牛シリーズ第1段のおさらいをします!

ここでクイズ!!
Q. 和牛には何種類あるでしょうか?それぞれの名前はわかりますか?

正解はぜひ、下のオンエアをご覧ください!

取材先「家畜改良センター」とは?

みなさん、良いお肉を安心して食べたいですよね!?
そのためには良い品質の牛を育てる必要があるんです。
家畜改良センターは優良な牛の種を見極めたり、
地域の農家の支援を行いながら安全で美味しいお肉の製造を目指しています。

おいしい肉となる牛はどうやって生まれるの?

そもそも、みなさんが食べている牛肉が「人工授精」で生まれていると知っていましたか?これは乳牛も同じなのですが、性感染症の予防などが理由なんです。そのため、良い牛だと判定された牛の精液凍結保存・配給されているんです。現在、家畜改良事業団では58種類もの肉用牛の凍結精子が販売されています。

じゃあ、その「良い牛」ってどうやって判断するの?これが疑問ですよね。

なんと家畜改良センターが持つバイオテクノロジーを使って、
まず、オス牛の受精卵を切断して双子を産ませるんです!

そうして生まれた双子のうち、片方はお肉として評価し、もう片方の牛は精液を採取されて凍結保存されるんです。もし、お肉の評価が高ければその精液が各農家へ配給されます。

しかし、優秀な血統が普及しすぎてしまうと「ある問題」が発生してしまいます。
血縁関係が近い牛が増えすぎてしまい、血統の偏りが生まれてしまうんです。

そこで、家畜改良センターは牛の遺伝的多様性を維持するために、
鳥取、岡山、兵庫、広島に由来する系統のメス牛群を確保しているんです。

人間が生物を操作しながら、そこから生まれる課題もまた技術でカバーする。
頭が下がる思いです。

「おいしさ」って、どう評価するの?

味覚ですから、人それぞれの主観が関わりそうですよね?
どうやっておいしい牛肉だと判断するんでしょうか。

大きく分けると下の2つの評価タイプがあります。

・機械による成分・物理特性評価
・人間による官能(かんのう)評価

機械による成分の分析対象は、水分、脂肪、タンパク質、コラーゲン等です。

一方、人間による官能評価の中でも、プロの分析官による品質の比較と、消費者の評価と2つに分けられます。ここで、一番驚いたのは、分析官になるまでの関門の多さでした。テストの一例としては、ものすごく薄い濃度で薬品が塗布された5つくらいのサンプルで、一つだけ違う濃度のものを「匂い」で当てるというもの。

一発でも間違えられない上に、細かすぎるって!
ぼく、理科の実験で高濃度のアンモニアを直に嗅いでから、鼻がバカなんでムリ!

もう一つ驚いたのは、しっかりと「美味しさ」の定義があること。
みなさん、「風味」って言葉聞いたことあると思いますが、
意味聞かれたら戸惑いますよね。

こちらのテストにおいては「風味」は「味」と「香り」の総合評価だそうです。
そして、温度や食感などが合わさり「食味」となり、
食べる環境までも考慮に入れることで、全体的な「美味しさ」を判断するんです。

おいしいって深い...

牛のマイナンバー:個体識別番号

たくさんの牛肉を提供するために、全国には数えきれないくらいの牛が飼育されています。でも、その1頭1頭に番号が割り当てられているのはご存知ですか?

よく牛を見ると、耳にタグがついてますよね。これは「耳標」と言います。
これを見て、どの個体かが分かる。しかも、特定の農家だけでなくて、日本全国の牛がこの番号で管理されているんです。

この番号から分かるのは、その牛の所在地や移動先、
そして牛肉になって配給される場所までの詳細な履歴です。

みなさんが普段購入する牛肉に貼ってある値段のシールをよ〜く見ると、
個体識別番号が書かれています。

そして、ぼくらのスマホからこの個体識別番号を入力することで、
上記のような履歴を誰でも見られるんです!
昨年、台風の影響で牛舎から出てしまった牛も個体識別番号を頼りに
どこの農家の牛かがわかり無事に保護された、なんてこともあります。

最後に。そして次回は衝撃度No1!

さあ。いかがでしょうか。専門知識てんこ盛り。
でも、牛肉をありがたくいただく身として、このようなことを知ることでさらに食へのありがたみも自覚できます。

次回放送は、1/20月〜1/24木 7:00AM
個人的には、「ここへ踏み切ったか!」というような衝撃度No.1回です!
マジでヤバかったっす!お楽しみに!

展示やイベントレポート、ブックレビューなどを通じて、アート・テクノロジーなど幅広いジャンルを扱った記事を書こうと思います。また、役者としても活動しているので劇場などでお声がけさせてください!