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牛肉の「A5等級」、味で決めてません!格付け現場に潜入!

『なるほど!畜産現場』肉用牛シリーズ第2段は、お肉の質をランク付けする格付けの現場を取材しました。オンエアがYoutubeにもアップされているので、ぜひご覧ください。なかなか観られない和牛の輪切りはビジュアルのインパクトが半端なかったっす!

今回は、内容としてはシビアな領域にも入ると思います。というのも、前半は肉用牛の育て方を知るため肥育牛舎を訪問し、後半はその牛たちが肉になっている姿が映ります。生き物から食べ物へと移り変わる荘厳さが30分にまとめられています。

では、肥育牛舎と格付け現場をそれぞれおさらいしていきましょう!

1. 関口牧場の「彩さい牛」の育て方

前回、家畜改良センターでは品質のより良い牛を生物学的アプローチで探求していましたね。

一般的な肉用牛の飼育方法とはどういうものなのでしょうか?実は、牧場の経営には大きく分けて「一貫経営」と「分業経営」の2種類あります。

一貫経営:子牛の育成から肥育・出荷まで全ての工程の担う
分業経営:上記の仕事を部分的に請負い、他の農家と連携する

今回、取材した関口牧場は一貫経営で、子どもの牛をケアする保育から大人の牛を最大限大きくする肥育までを案内していただきました。「彩さい牛」というのは関口さんの農家によって生産される埼玉のブランド牛です。

特に、ビックリした点なんですが、肉用牛ってオスメスどちらだと思います?

答えは、その牛肉のブランドによって違います。ですが、オスの肉用牛の場合、育成の段階で去勢しなければならないそうなんです。これはオス牛のホルモンによって独特な匂いやクセが生産される肉に反映されてしまうのを防ぐためだそう。番組では、牛の睾丸を切除する器具を見せていただきましたが、震えましたね。絶対、痛いって。

また、牛に生えているツノも切ります。同じ牛舎にいる牛とぶつかって傷がつかないように、あえてツノの後ろの部分を少し残すことで、また生えてきたときには後ろ向きにツノが生え、ぶつかっても刺さらないようにするんですって!

関口牧場はご家族で経営されているんですが、息子さんは牧場を手伝いながら後半でお話しする格付け機関でも働いていたそうです。肉用牛を生産する仕事を誇りに思っている様子がオンエアから伺えますね。

2. A5等級ってどう決めんの!?格付け機関へ取材

焼肉屋でよく聞く「A5等級」といった文言。なんとなく良い牛なんだろうな〜としか思っていませんでした。しかし、いったい何を基準に良いとしているのか、今回で明らかになりますよ!

まず、タイトルにもあるようにこのランクは決して味で決めてないんです!つまり、美味しいか否かを味覚的に判断していないことを念頭に置いてください。

実は、この等級は「歩留まり」といって牛から骨などを剥ぎ取った食べられる部分に注目して、その中で脂肪などの面積や色合いなどを視覚的に評価した結果なんです!細かい基準や計算方式などはオンエアで確認いただけるため割愛します。

そんな格付けの現場がコチラ!

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冷蔵庫に入った瞬間に言葉を失いました!うわ、でけえ!!

1頭の牛が半分に輪切りにされて、決められた部分に切り込みが入ってますよね。その断面を格付けに用いるんです。この断面、部位でいったらリブロースです。

全体を観ると「牛」、部分的に観ると「肉」という生物らしさが曖昧になる臨界点に立った気がして、めちゃくちゃ貴重な体験でした!

ちなみに...ここだけの話ですよ!

この等級は味に基づいているわけではないことが分かりましたよね?
なので、農家さんによると「A3とかA4の方が美味しい」という意見もあるんだそうです!ますます、牛肉を食べ比べてみたいと思いますよね!

俺が言ったって言わないでね!

『なるほど!畜産現場』次回もお楽しみに!

展示やイベントレポート、ブックレビューなどを通じて、アート・テクノロジーなど幅広いジャンルを扱った記事を書こうと思います。また、役者としても活動しているので劇場などでお声がけさせてください!