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じいちゃんとココス

じいちゃん。このじいちゃんとは僕の父のお父さんにあたる。

じいちゃんは数年前に一度倒れてからは車の運転ができなくなり、昔よりしゃべるペースがゆっくりになっている。

年に2、3回実家に帰る度に少しずつ老いを感じる。
別れ際の「また帰ってこいね」で泣きそうになるし泣いている。

あと何回じいちゃんばあちゃんと話すことができるんやろうか。

じいちゃんは昔から、そこまでお喋りな性格ではなかった。ぺらぺらというよりかは、ぼそぼそと呟くタイプだ。

小学校の時たまーに2人で出掛けることがあった。決まってじいちゃんのタバコの匂いがついた車に乗ってアルプラザへ行く。

アルプラザとは地方の大型のスーパーだ。イオンよりは小さくて少し田舎くささが残っていて味がある。

なにをしていたかはほとんど覚えてないけど、当時ハマっていたデュエル・マスターズのカードを買ってくれたのは覚えている。
そしてお昼ご飯は決まってココスに行くのだ。

じいちゃんはココスで頼む人はおそらく1割もいないであろう定食を頼む。そして自分は今はたぶんメニューにない、バーベキューチキンとジャンバラヤを頼んだ。
2人とも定番の包み焼きハンバーグやステーキには目もくれず同じものを食べた。

どちらかというと寡黙なじいちゃんなので、なにを話していたかは覚えてない。なぜかふと昔じいちゃんとココス行ってたなーと思ってこの文章を書きたくなった。

2、3年前にじいちゃんが入院した時があった。自分は車の免許も持ってたので1人でお見舞いに行ったことがある。なんか会話がなくなると嫌やなーと思って読みかけの本をもっていった。

じいちゃん元気ー?と言ってからはもう覚えてないけども、なぜが涙がとまらなくなり、本を読むふりをしてずっと泣いてしまった。
じいちゃんがそのことに気付いていたかは分からない。
昔から想像力が豊かなのか感受性が豊かなのかは分からないけどいろいろ考えてしまう。
もしかしたらをいっぱい考えてしまう。

人と人との時間は無限にあるわけではない。またいつか失う直前で気付き後悔することもあるやろう。

じいちゃんの趣味は競馬と野球観戦だ。今じゃ昔みたいに競馬場に1人で行くことはできなくなってしまったから、親子3代、自分と父とじいちゃんで競馬場に一緒に行きたいと思う。

ハマるかは分からんけど初めての競馬はじいちゃんと行ってみたい。
みんな元気でおってほしいもんやな〜





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