はじめまして

写真家をしている竹下和輝(たけしたかずき)と申します。

遡ること2007年高校を卒業後、無事に第一志望の大学に受かるもなんだか人生がつまらなくなって大学を辞め、ストリートアーティストらと共に旅をして過ごしてました。
ストリートアーティストらはいわゆるグラフィティライターやラッパーの人たちで、親の敷かれたレールの上をただ進めば人生安泰だと教わってきた私にとっては彼らとの出会いはとても刺激的でした。
当時、私は重度のうつ病とパニック発作を患っており、対人恐怖症も相まって人と接するのが億劫でした。
ですが、夜行性のストリートアーティストらはむしろ人通りが少ない時間帯に活動を開始しますし、クラブはほとんど視界がぼやけて音楽とお酒で感覚が麻痺できたので重度の心身症の私でも苦痛ではなかったのです。
そして私は出会ったストリートアーティストらに「うつ病」であることを告白して回りました。
面白かったのは彼ら全員が「いいなー。アーティストじゃん」と言ってくれたことです。
大学や家ではうつ病というとなんかその場の空気が変な感じになりましたし、みんな腫れ物に触るように接してきます。そのくせ「ねぇねぇ、体調が悪いってどんな感じ?」とか聞いてきます。
ストリートアーティストらにはそんな感覚が一切なかったのです。
お酒を飲みながら彼らと話すのはとても楽しかったです。
彼らは平気な顔して「親父がヤクザで行方不明」「普通の暮らしに戻りたくないから全身に墨入れた」とか言っているのです。
なんだかそれが私にはおかしくてたまらなかったのです。
大学では「うつ病なんかになって就職できないぞ」と先生に脅されましたし、親には「うつ病のことは世間に隠しときなさい」とか言われてました。
なんで自分のことを表現してはだめなんだろうと思いながら過ごしてきたので、自分らしさを出している彼らがとてもうらやましく思いました。
旅の最中は彼らの家やダンススタジオで寝泊まりをさせてもらいました。布団などないので文字通り雑魚寝です。
身体が痛かったですが、外出と言えばちゃんと宿をとる人生しか送ってこなかった自分にはとても新鮮な体験でした。
仲良くなったアーティストの一人に写真家の人がいました。私と同い年でした。
彼は町中のグラフィティやアーティストの制作過程を記録していました。
一緒に飲んでいる時、彼は先輩アーティストから叱られていました。
どうやら写真の撮り方がよくなかったようです。
私は彼がお説教されているのを横で聞いていました。
そして、だんだん写真を撮ることに興味が湧いたのです。
「いいか、一つの被写体に対して300枚撮るんだよ!」
先輩アーティストはそう叱っていました。
ほどなくして写真家の彼は写真家を辞めストリートからも姿を消しました。
そして、私は300枚撮る練習を始めたのです。

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