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「教員免許更新免除:93%賛成」日本の教員に必要なのは「研修」の前に「働き方改革」

こんにちは!
最近、「教育公務員特例法および教育職員免許法の一部を改正する法律案」が可決され、それに伴い現在有効な教員免許は更新する義務がなくなりました。
さらに、更新時に必要とされていた教員研修がなくなりました。
今日はこのことについて少し書いていきたいと思います。

ReseEdさんの記事によると「更新制度廃止に賛成」が93.4%


まずはこちら、
教育業界の記事を配信しているReseEdさんが独自に教員121人に行ったアンケート結果によると以下のような結果になったそうです。

「教員免許更新制度の廃止について、どのように感じていますか?」
75.2%…賛成
18.2%…どちらかと言えば賛成
2.5%…どちらかと言えば反対
0.8%…反対
2.5%…わからない
0.8%…その他

https://reseed.resemom.jp/article/2022/07/12/4287.html

圧倒的な「賛成」票が入っていますね。
この理由には様々なものがあるようですが、1番大きな理由は2つではないかと考えています。

1)忙しすぎて更新手続き(研修)どころではない
2)研修にあまり意味を感じられない

もちろんそのほかにも、
更新手続きがなくなることによって教員数が増えると考えているなどの理由がありそうですが、
大まかに見て、上記の理由が大多数だと考えています。

教員研修の意味


教員研修の意味を考えたとき、その必要性は大いにあると考えています。

僕が教員をしていた時は自分の力不足を痛感することが何度もありました。
それだけでなく、教育方法は日々更新されていき
新しい教授法、変わりゆく価値観、ICT(最近技術を使った教育法)など常に時代を追いかけていないといけないとヒシヒシと感じていました。

そして、この国の教育が30年間変わっていないと言われてしまうように
今でも、多くの学校では伝統的な板書スタイルの教授法が行われているのではないでしょうか?
(一概に板書スタイルが悪いとは言えないですが、、)

教授法だけではありません。
校則による個性の規制、部活動でのハラスメント、学校に来ない生徒への対応、など
価値観は日々変わってきています。

これらの変化に対して、教員は常にアンテナをはり、
情報の更新、自身の価値観と生徒への対応を考えていかなければいけないと思っています。

当たり前ですが、大事なのは常に学び続けることです。
刻一刻と変わる時代に
教育が社会に取り残されて、遅れをとっていては
いつまで経っても実社会で使える実用性のある知識や経験を伝えることはできないのではないでしょうか?

教員研修が効果的に実施されない1番の理由


研修の必要性はおそらく多くの人が理解していると思います。
僕が出会ってきた多くの教員も、より良い教育を届けるために日々努力されていました。

教員が研修できる場所や機会も少なくはないのではないでしょうか?
各自治体の教育委員会が提供する研修会、
一般企業が設ける研修など
調べれば様々な機会を見つけることができます。

モチベーションもあり、機会もあるのになぜ研修がうまくいかないのか
それはやはり、教員の働き方に原因があると考えています。

OECDのTALIS (Teaching and Learning International Survey)が調査した内容をこちらのサイトが見やすくまとめてくれています。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/07/post-12554.php

あからさまに働きすぎです。
しかも、その勤務時間に対する準備を含む授業に関する勤務時間は全体の46.2%にしか達しません。

日本では教員は専門職ではなく、総合職と言ってもいいでしょう。
その役割は生徒の能力開発から大きく広がり、多岐にわたります。

これでは「研修に参加するくらいなら他の仕事をさせてくれ」と言われても仕方ありません。
日本の教員には相応の余裕が必要だと感じました。

ただでさえ勤勉で、仕事での責任感の強い日本人です。
こと子どもの未来に関わる教員という仕事に関してはより一層の自負を持っています。

他の先生方はできているという同調圧力や、保護者からの期待(時に過度な)も相まって身体的にも精神的にも調子を崩してしまう方も少なくありません。

これでは、課題解決への意欲も湧き起こらず、燃え尽き症候群になってしまうのも納得できます。
それでも多くの先生方は現状を変えようと行動を起こしています。
家庭や私生活を蔑ろにしてしまってはいないかと、心配でなりません。

問題の根本はやはり、
教員のの働きすぎにあるように感じています。

まずは学校の働く環境を改善することから始める必要があるのではないでしょうか。

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