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エクストラさよならラテ
緊急事態宣言で、東京のスタバが
一部店舗を除いてすべて閉まった。
当面の間って、いつまでなんだろう。
来年かもしれないし、もっと先かもしれない。
毎日のように通ってたけど
この騒動が落ち着くまではと我慢して
最近はあまり行ってなかった。
ちょっと寄ってみようかなと思ったら
店の前に行列ができていると
ニュースで知って、笑ってしまった。
そんなのは本末転倒だよ。
……気持ちはわかるけど。
大学の図書館にスタバが入った時は革命が起きたと胸が踊ったけど、今の学生たちはやっぱり当たり前に思っているんだろうか。まぁそりゃそうだよね。先人達の血と涙の味なんてしないもんね。今を生きる彼らには過去なんて関係無いもんね
— 石川カズキ (@kazukiishikawa) November 14, 2010
上京して初めて飲んだスターバックスラテは、
田舎者の僕にとっては本当に美味しくて。
「グランデサイズのエクストラホイップ
クリーミーバニラモカフラペチーノ」
他人の注文が、魔法の呪文に聞こえた。
これが東京なんだと思った。
スタバの店員はなぜあんなに爽やかなんだろう。教育なのかそういう人が集まるのか。生まれ変わったら僕も働きたい。彼らは今日も歌うように注文を繰り返す。踊るようにコーヒーを入れる。そしてそれに観とれてぼんやりする僕にお釣りをくれる。自分の人生には一点の曇りもないといわんばかりの笑顔で
— 石川カズキ (@kazukiishikawa) March 27, 2012
それからは、お金もないのによく通った。
テーブル、ソファー、テラス席。
おしゃれな男女に紛れて、
ラテで何時間も居座った。
スタバに居ると稀に甘い物が貰える。お試しサイズの季節のお勧め。でも配ってるのに貰えない時もある。試せるかどうかもまた試されているんだ!ぼんやりしたら目の前を新しい季節が通り過ぎる!言葉に出して捕まえて!店員さんあの!今年から変わったクリスマスブレンドも変わらず美味しいですね!って
— 石川カズキ (@kazukiishikawa) November 17, 2014
田舎者のくせにスカしてるとか。
値段も高いのにバカげてるとか。
誰に何と言われようとも。
それでもスタバが好きだった。
仕事でも。休憩でも。打ち合わせも。デートも。
そして別れ話も、スタバだったのに。
結婚を考えていた子に別れ話をされたスタバの前を久しぶりに通った。中の作りが変わっておしゃれになっていた。おしゃれな男女が何か甘そうなものを飲んでいた。トールサイズのエクストラなんとかラテ。あの夜に飲んだドリップコーヒーは、びっくりするくらい深煎りだったのに
— 石川カズキ (@kazukiishikawa) May 3, 2012
さようなら、僕の東京。
また逢う日まで。