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なぜグアルディオラ監督はボールを繋ぐのか。 【サイドバックを中盤でプレーさせる理由】

2020-2021シーズン、プレミアリーグ序盤は今までにないくらい上位チームが均衡していて、毎節順位が入れ替わり、どのチームが優勝してもおかしくない状況でした。

プレミアリーグの競争力の熾烈さが目立ったシーズン序盤でしたね。

しかし、シーズン終盤に差し掛かった現在、グアルディオラ監督率いるマンチェスター・Cが圧倒的な強さを見せつけ、断トツで首位に立っています。

それに、競争力が凄まじいプレミアリーグを戦っているのにも関わらず、公式戦21連勝記録を成し遂げています。

マンチェスター・Cがこんなにも強い理由は何に隠されているのでしょうか。

なぜグアルディオラ監督はボールを繋ぐのかなぜサイドバックを中盤でプレーさせるのか、この2点に今回は迫ります。

「サイドバックが中盤でプレー?」と不思議に思う方は、上記の過去記事にて『グアルディオラ監督のサイドバック戦術』を解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。

それでは、本題にいきましょう。

なぜグアルディオラ監督はボールを繋ぐのか。 【サイドバックを中盤でプレーさせる理由】

下記のTwitter動画にて、グアルディオラ監督本人が『グアルディオラ監督がボールを繋ぐ理由』『サイドバックが中盤でプレーする理由』が詳しく解説しています。

なぜグアルディオラ監督がボールを保持することで勝ち続けられるか、詳しい理由がわかります。

Q:カンセロ選手が左サイドバックでプレーしているのに関わらず、中盤のエリアでプレーしていますよね。
バイエルン・ミュンヘンでも、キミッヒ選手で同じようなことをされていました。
最初に何を考えて、どこからそのアイデアが浮かんだのですか?

グラルディオラ監督:
「ドイツにいたときです。ドイツでは、ボールを失ったとき、サイドバックが開いているとカウンターでやられてしまいます。これが動機となり、学んだことです。
バルセロナでは、とてつもなく素晴らしい選手がいたので、もっと試合を支配(コントロール)できていました。
なので、バルセロナの選手たちがボールを失うには、相手チームは3つのピストルと100つの銃弾が必要だったので、ボールを失うのは不可能だったんです。(笑)
でも、ドイツは完全に違っていました。

サイドバックを中盤でプレーされる最大の理由は、ボールを運ぶために、より多くの選手を中盤に確保することです。それが最大の理由になります。短いパスを繋いで試合を支配するためにより多くの選手を中盤のエリアに、4人、5人、6人と。それが唯一の理由です。
これを私たちはプレミアリーグで勝ち点100を達成した年(2017-2018シーズン)にデルフで実行しました。
素晴らしかったし、ジェンチェンコでも実行しました。カンセロもそれを熟すクオリティを持っています。

もちろん、すべてのサイドバックが中盤エリアでプレーできるわけではないです。
たとえば、この前のフルハム戦では、私たちはメンディーとプレーしました。メンディーはサイドに貼ってプレーを好む選手なので、選手の特徴によっても異なります。私たちが望む形に選手たちのクオリティを組み込んでいるのです。

私たちの最大の概念は、ボールを持って守備をすることです。
可能な限りボールを保持し、ボールを保持していないときはアグレッシブに奪いにいきます。
ボールを保持しているときにたくさんのパスを繋ぐのは、状況(チャンス)を生み出せるからです。
チャンスはプロセスの後に生まれます。
もし、すぐにチャンスを作ろうとすれば、それはよくないですね。
それが中盤に多くの選手を置く理由です。」

私たちの最大の概念はボールを持って守備をすること

グアルディオラ監督本人が言っていた「私たちの最大の概念はボールを持って守備をすること」とは、ボールを保持していれば守備をする必要がなくなるといことを意味しています。

つまり、ボールを保持していれば、守備をしなくて済むということです。

常に攻撃をしていられるように、グアルディオラ監督はボールを保持しているのです。

ポゼッションはチャンスを増やすための手段である

グアルディオラ監督がボールを繋ぐ理由は、「ボールを保持しているときにたくさんのパスを繋ぐのは、状況(チャンス)を生み出せるから」です。

つまり、試合で勝つためにできるだけ多くのゴールチャンスを生み出すための手段であるのです。

サイドバックを中盤でプレーさせる戦術はドイツで生まれた

グアルディオラ監督は、サイドバックを中盤でプレーさせる戦術はドイツで生まれたと言っています。

「ドイツでは、ボールを失ったとき、サイドバックが開いているとカウンターでやられてしまいます。これが動機となり、学んだことです。」

サイドバックを中盤でプレーさせる戦術は、ドイツサッカーに対応するべくして生まれたのです。

・まずはボールを失わないようにする → 中盤エリアに選手を増やしてポゼッションしやすくする
・ボールを失っても対応できるようにする → すぐにカウンターを仕掛けてくるドイツではサイドバックがサイドに貼っているとやられてしまう

この2点を理由に生み出した戦術を、今マンチェスター・Cを率いてプレミアリーグでも実践しているということです。

下記のゴールシーンは、ドイツのショートカウンターの速さがわかる映像です。

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実際にドイツでプレーし、感じている『縦への速さ』を詳しくまとめているので、興味がある方はぜひご覧ください。

チャンスはプロセスの後に生まれる

グアルディオラ監督の「チャンスはプロセスの後に生まれる」には、人生を生き抜くための鍵が詰まっていると感じます。

マンチェスター・Cの得点や勝利、タイトルには、グアルディオラ監督のプロセスがあるからこそ、世界中の人に喜びや魅力を届けています。

マンチェスター・Cのゴールシーンやハイライトを見ると、簡単にやっているように見えますが、グアルディオラ監督と世界でトップレベルの選手たちの日々の取り組みがあるから生まれているものであるということです。

サッカーとは別の話になりますが、日本語で「働く」とは、「仕事をする」といったニュアンスが強いと個人的に感じます。
これは世界から日本が「勤勉」とされ、評価されている部分ですし、日本人の強みであると感じています。
スペイン語で「働く(trabajar)」ももちろん「仕事をする」というニュアンスで使われますが、スペイン語で「働く(trabajar)」は、「努める」といったニュアンスも強いです。

言語には、それぞれの国の文化が根付いているのもなので、グアルディオラ監督の言う「チャンスはプロセスの後に生まれる」は日本人とはまた少し違う「勤勉さ」を表しているように感じました。

まとめ

今回は、『グアルディオラ監督がボールを繋ぐ理由』『サイドバックが中盤でプレーする理由』をご紹介しました。

グアルディオラ監督がボールを繋ぐ理由は、「ボールを保持しているときにたくさんのパスを繋ぐのは、状況(チャンス)を生み出せるから」でゴールチャンスを増やすための手段であり、守備をしないで攻撃し続けるための方法の1つでした。

サイドバックが中盤でプレーする理由は、「短いパスを繋いで試合を支配するためにより多くの選手を中盤のエリアに、4人、5人、6人と増やすことが理由」でした。

どちらもゴールを決めるために作られ、実行されている戦術であることがわかります。

マンチェスター・Cの今後にも目が離せませんね。

今回は以上になります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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