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バルサと対戦して感じた圧倒的な個の力【ポゼッションの本質】
今回は実際にバルサと対戦して感じた事実をお伝えします。
僕はスペインにいた頃、リーグ戦も含め、2度バルサと対戦しました。
当時はFIFAの未成年ルールもなく、18歳以下の外国人が外国でプレーすることが許されていたので、当時のバルサには世界中のエリート選手が集められていました。
バルサの下部組織は、どのカテゴリーでもトップチームと同じスタイルを持ち、同じサッカーを試みます!
ですので、下部組織でも何より目立つのがパスサッカーや美しいサッカーだと思われますが、実際に試合をして感じた事実はパスサッカーよりも違うことでした。
確かに僕らはバルサのスタイルでもあるパスサッカーで試合を支配され、物凄く高いレベルに圧倒されました。
しかしそのパスサッカーを忘れてしまうくらい僕が衝撃を受けたことがあります。
それは圧倒的な 「個」 の力です!
本田選手が「個」とよく発言していたことで話題を呼んだワードですが、正しくその「個」です。
どのカテゴリーにも必ず1人でゴールを決められる選手と1人で状況を打開できる選手がいました。
それを今回は詳しく説明していきます!
【実際に感じたパスサッカーの本質とは】
ボールを回されているとき、グラウンド内で実際に戦っていると同い年なのに相手が常に1人多く感じました。
12人いるわけではないのに常にそのような状況を作られました。
でもパスサッカーの本質がそこにはありました。
僕たちはバルサと戦った際にサイドバックにボールを回させ、そこではめる戦術をしました。
バルサの下部組織はトップチーム同様、全カテゴリーが4-3-3のお馴染みのシステムです。
※僕たちは(青)|バルサは(赤)
基本的に僕たちのセンターフォワードは相手6番を見ながらプレスを掛け、周りの選手がサイドバック以外へのパスコースを塞ぎます。
そうすることでボールを持った相手センターバックの進行方向をサイドバックへ向かせ、サイドバックへボールを集めさせることが狙いです。その途端チームで一斉にプレッシャーを掛けます。
なぜ僕たちがサイドバックをプレッシャーの掛け所にしたかというとサイドバックはライン側に立つと180度しかプレーエリアがありません。
先程も言いましたが、バルサのポゼッションは常に相手が1人多いと感じるくらいなので、サイドバックが僕たちにとって1番の狙い所と監督は考えました。
その週に行った練習のほとんどが「バルサ対策プレッシング」でした。
イメージは図で表したようなプレッシャーの形です。
練習した甲斐もあり、試合開始早々から上手くはめることができました。
しかし、バルサのセンターバックはそれがわかると果敢に自らビルドアップしてきました。
サイドバックから打開できないとみると自ら前へ運んできました。
これが僕が先程言った「個」の力です。
パスで打開できなければ、6番とパスを混じえながら、センターバックだろうと果敢に打開してきました。
僕らも対応しますが、すると自然にフリーの選手を作ってしまいます。
「パスだけで崩していき、ゴールを決める」と一切縛られていませんでした。
相手のウイングも1対1でいけると見ればギリギリの場面でもミスを恐れず、果敢にドリブルで仕掛けてきました。そうすると僕は左ウイングでの出場でしたが、自然と低い位置まで下げられました。
ポゼッションというのは形で、攻撃の選手たちはどんどんドリブルしてきました。
僕たちは「個」の能力に圧倒されました。
「個」とはただ単に上手いとか足が速いというわけではなく、試合中のシチュエーションに応じて状況を打開できる能力やゴールに直結する能力を言うのだと感じました。
パスサッカーということに捉われてただ回しているだけのポゼッションでは、サッカーの本質を見失っていると思います。ボールポゼッションはあくまで手段であり、目的はゴールすること。
バルサの下部組織と戦い、果敢に1対1やドリブルを仕掛けて来られたことで感じたことです。
ここで言う「ポゼッションは手段」とは、優位な状況を作り、ゴールへ直結するプレーをすること。
バルサの優秀な選手たちがポゼッションをするということは、元々高い「個」を持った選手たちがチームになることで、より活きているなとバルサの下部組織と戦い感じました。
ゴールをするためのポゼッションは1つのスタイルでした。
僕のカテゴリー1998年生まれのバルサにいた、先程から言う「個」で打開できる選手たちが誰だったかというと
カルレス・アレニャ (バルセロナ / ベティスへレンタル中)
カルロス・ペレス (バルセロナ / ローマへレンタル中)
マルク・ククレジャ (バルセロナ / ヘタフェへレンタル中)
イ・スンウ (韓国代表 / Kシント=トロイデンVV)
ダニ・オルモ (スペイン代表 / ライプチィヒ)
といった現在トップリーグで活躍している選手たちでした。
サッカーでは戦い方を理解して「個」を育成することや自分にとっての「個」を磨き、高めることが大切ではないかと改めて今感じてます。
ボールを回すというチームコンセプト以上に1人で打開できる能力を持った選手たちだったということを対戦して感じました。
伊達 和輝
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