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アイマール監督が考える現代サッカーの育成論 『ドリブラーの生み出し方とは』

現役中は元アルゼンチン代表として活躍し、現在はアルゼンチン代表U-17の監督を務めているアイマール監督。メッシ選手が幼かった頃、憧れていた選手だったということでも有名です。

2015年、メッシ選手がバロンドールを受賞した際に、メッシ選手が憧れていたアイマールさんから直接ビデオメッセージが届き、感動的な授賞式になったのが印象的です。

そんなサッカー大国”アルゼンチン”のレジェンドでもあるアイマール監督が『現代サッカーの育成論』を語っています。

現代社会とサッカーを照らし合わせたアイマール監督が考える「育成論」がわかります。

・子供に戦術は必要なのか
・以前のアルゼンチンからたくさんのドリブラーが生まれていた理由
・現代社会とサッカーの課題

という視点から過去と現在を比べています。

それでは、詳しく見ていきましょう。

【子供に戦術は必要なのか】

アイマール監督:「子供の頃と大人になってからは大きな違いがあるように思います。戦術やボールポゼッションにしても、グアルディオラ監督のチームがやっていることは素晴らしいですよね。彼のサッカーを観るのが大好きですし、僕は永遠のファンです。
これはあくまで僕の意見ですが、10歳の少年が同じことをやる必要はないと思っています。
なぜなら、マフレズ(アルジェリア代表)は小さい頃にドリブルすることを許されていました。だから、サイドで待って、1対1を仕掛けることができるのです。それは彼が10歳の時にドリブルを許されていたからです。
もしかしたら、監督がドリブルするなと言っていたかもしれませんがね(笑)」

【参考:実際のマフレズ選手のプレー】


【なぜアルゼンチンからたくさんのドリブラーが生まれていたのか?】

アイマール監督:「もし僕が今日ギターを始めたとして、ギターの先生に弾き方やどのようにしなければいけないのかを言われ、明日も明後日も同じことを言われ続けたら、家では弾きませんね。
僕たちは30年前、3時間の練習後でもサッカーをしていました。なぜなら、環境が違ったからです。
今の子供たちは、チームに行く数時間だけしかサッカーをしなくなっています。
以前、野生のようにストリートサッカーをしていた頃は、また抜きがだめだと誰にも言われなかったので、また抜きのやり方は知っていましたし、また抜きをされたら、相手は削りに行ってましたね。その野生で身につけたものを、今の多くの子供たちは持っていません。
だから、チームで私たちができることは、純粋なサッカーを少しでもさせてあげることです。彼らは僕たちがチーム以外の違う場所でサッカーをしていた2、3時間を持っていないからです。
もし、その2、3時間違う場所でサッカーをしていれば、チームで2タッチ以内と言われても対応できます。
私たちがチームに通っていたときは、2タッチ以内と言われても、ストリートサッカーで他のことは全部やっていたので、対応できていました。
したがって、チームに行く1時間半だけしかサッカーをしなくなった今、チームで2タッチ以内と決められたら、週末の試合で誰もドリブルしないのは、普通のことです。」


【まとめ】

時代に合わせた育成方法が必要であるということは、どの分野に置き換えても言えることでしょう。

アイマール監督は「野生」という言葉を使って表現していましたが、大事なキーワードですね。

【参考:アイマール監督の現役時代のプレー集】


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