春の厳しい暖かさ

春は気持ちが良くて、どこか怠い。
空の青さが低くなってきて、圧し潰されそうだ。

物心がついた時から、季節の変わり目が苦手だった。

特に春は厳しい季節だ。

暖かくなり、街行く人々の顔もどこか晴れやかになりつつ冬の寒さを耐えた植物のようで今にも花を咲かせようしてるみたいだ。

そんな新しいスタートを切ろうとしてる人達を横目に、私の心は置き去りにされているような感覚になる。

まだまだ人生は冬で芽が出せてない、このまま土の中で藻掻いて暮らしていくのだろうかと。

そういう風に比べてしまう自分がいる。

どこまでいっても自分は自分でしかないのに。

愛想笑いと自虐だけが上手くなっていく季節だ。

しかし人と比べることは全部悪いことじゃないと思う。

悲観的にもなるが、自分の立ち位置を教えてくれる機会でもある。

起こっている現実を受け入れて生きていく。

その強さを身に着けて、這ってでも前に進んでいかなければならない。

やっぱり春は厳しい。




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