無限のブルー

どこまで遠く、遥か向こうまで広がる空と海の青さに無限を感じる。

僕は今サーフィンをしている。

波が板を押し出す、静かに海に浮かんでいた時間は終わり、周りの景色が歪み、僕を海の彼方へ葬りさろうとしてきた。必死についていく、足を立て、前を向き、新しい景色が見えてくる。

それは雄大な自然と一体化している感覚だった。

程よく薄い7.2ftの板の上に立っている自分を認識できたのは、ほんの数秒だった。
とてもスローな体感だった。さっきまで感じていた潮風の匂いも、海水の味も感じない、五感以上の「何か」が研ぎ澄まされた時間「無」だった。

なにも感じない。

やがて海に沈み、蒼天へ顔を向けると、例えようのない興奮が身体と精神を駆け巡っていることに気付く。
呼吸が乱れている、視界がボヤけている。
だが確かにあの走馬灯にも似た感覚を脳がはっきりと覚えている。
僕は叫んだ、今を生きている実感を。

日々を難しく生きすぎだと海の神が私に教えてくれるようだった、その強烈でシンプルな体験がまた私の体を沖へと運び出す。

ここはどこまでも無限のブルーだ。

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