最短2日でクビにした、という話
前回のこちらの記事の中で
「雇用はゆっくり解雇は素早く」というのがありましたが、前回の記事では「雇用はゆっくり」の話しかしていません。
もちろん後半の「解雇は素早く」という話もしなければ片手落ちです。
躊躇なくクビ!
うちの事務所、まれにですがスタッフをクビにします。(といってもこれまでに実際にクビにしたのはパートスタッフだけですが)
最短記録は入社後2日です。
(→14日以内の解雇は解雇予告不要&解雇理由は長文メールにしたためて通知しました)
あとは直接的なクビではなくて、3か月の有期労働契約で更新せずにそのまま終わるとかですね。
(→有期労働契約で初回の満了と同時に終了&更新するかしないかの基準は当初の契約書に明記)
こんな感じで、「ゆっくり雇用したにも関わらず合わない人を採用してしまった場合は速やかに解雇」の方針をとっています。
なぜ頑張って育てずにクビなのか
たぶん世間的には「そんな簡単にクビにするなんて横暴だ」「ちゃんと育てろよ」というご意見もあろうかと思います。
そこは重々承知しているのですが、実際のところうちのように小規模な組織では1人が全体に与える影響が非常に大きくなります。
足を引っ張る人が1人いると、他のちゃんとしているスタッフたちに多大なしわ寄せがいくことになります。
また、合わない人をそのまま雇用して何とか育てようとするとその人に多くの時間を割くことになってしまい、一方のちゃんとしているスタッフたちには時間を割けなくなってしまうということが往々にしてあります。
つまり本来はちゃんとしているスタッフたちを大事にしたいのに、結果的に疎かになるという逆転現象が起きてしまいます。
それにちゃんとしているスタッフ側からしても「明らかに足を引っ張っている人がいるのに経営者がそれを放置している」という状況はモチベーションの低下・経営者に対する信頼の低下を招きます。
一方、クビになる本人にとっても「合わない」→「足を引っ張っている」という状態で事務所に居続けるよりは、早めに次の職場を探してもらった方が結果的にいいだろうと思っています。(当の本人がどう思うかはわかりませんけど)
ということで自分としてはちゃんとしているスタッフたちを大事にするために、足を引っ張る人はできる限り速やかに排除という方針をとっています。
そして今までのところ「クビにして失敗した!」ということはありません。
こんな感じで「合わない人をちゃんとクビにする」というのは小さい事務所においては所長にしかできない仕事ですから、しっかりとその役目を果たそうと思っております。
クビにする判断基準
じゃあ実際のところ、何をもって「合わない」「足を引っ張っている」と判断するのかです。
1番大きいのは、「そもそもちゃんとしているとはどういう状態か」の価値観が全く合っていないパターンです。
前の記事でも書いたとおり、これまで20~30年培ってきた根本的な価値観を、ちょっと一緒に働いたからといって変えることはほぼ不可能だと思っています。
ここの価値観が大きく違うと、本当に日常の細かいこと1つ1つで他のスタッフとの間でズレが生じていきます。
うちのように小規模かつビジネスモデルがカチッと決まっている事務所では致命的な影響が出てきますので、この場合は即刻クビです。
逆に単純に知識が足りない、経験が足りないのは一緒に働く中でリカバリーできますので全然OKです。(というかうちの場合、簿記の知識不要で未経験の人を普通に採用しています)
また3か月で契約更新しないパターンになるのは、うちの業務・作業に対する向き不向きです。
価値観はそんなにズレてないけど、単純作業を正確に効率的にさばくというのが全く向いていないとなると、ちょっと申し訳ないけど終わりにしましょうねと。
このパターンでのクビ(契約を更新しない)については具体的な作業スピードの基準を決めています。
クビにするのは採用活動の失敗
ここまでクビについて書いたものの、出来る限りクビにはしたくありません。
自分は良い人だと思われていたいですし、人をクビにするのは後味も良くないですし、何よりクビにするということは自らの採用活動の失敗を認めることになりますし。
当然ではありますが、クビになる事案を発生させないためには採用活動の精度をどこまで上げられるかという話になります。(雇用はゆっくり)
特に正社員に関しては、まさにこれで生計を立てているわけであって、クビということになれば人生に多大な影響を与えることになります。
なので採用の段階をより一層慎重にやっています。
(これにより幸い、今まで正社員をクビにしたことは一度もありません)
実際の例として、県外在住の応募者で最後の最後まで迷った人がいたのですが、このときはこちらでウィークリーマンションを用意して2週間実際に働いてもらってから決めたことがありました。(結果は残念ながら不採用)
この「雇用はゆっくり解雇は素早く」に関する部分は経営者として常に悩むところではありますが、経営者にしか決断できない大事な部分でもありますので、これからも精進していこうと思っております。
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