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会社のつくりかた

  私は今まで延べ100社以上の会社設立に関わってきました(本当は多分もっと多いですが…)。
 ここ数年、フリーランスの方やサラリーマンの方などから「会社のつくりかた」について質問が多く来るようになったので、ここで紹介していこうと思います。

1.会社の種類をえらぶ

会社の作り方01

 まずは、「そもそも会社ってどんな種類があるの?」というところから、お話していきます。
 皆さんがよく聞く会社、いわゆる有名どころの会社には、”株式会社”という名前がついていると思います。一番作られている会社の種類も、この株式会社です。ソフトバンクやKDDI、ドコモなど、日本の会社に多いですね。

 ここでもう一つ、自分で会社をつくる際の選択肢に覚えておいてほしいのが、”合同会社”です。Amazonやスタバなどの日本法人は合同会社ですね。
 ここだけ聞くと、日本は株式会社、海外からきた会社は合同会社、みたいな印象になってしまいますよね🐍

では、この株式会社と合同会社は何が違うのか?

  大きく違うのは株式があるかないか。というところです。いわゆる株ですね。合同会社には、株が無いので、もちろん株を売ることも出来ません。上場企業は株式市場で株を売っているので、全て株式会社です。

 この株、実は持っている人に発言権も与えられます。つまり、株をたくさん持っていると、会社の事にやんややんや口出しできるようになるのです。それが株主総会です。

 専門用語では、「所有と経営の分離」などと言ったりします。株を所有する人と、社長が経営するのが分かれている状態ですね。合同会社だと所有と経営が分離していない状態です。

 Amazonやスタバなどの日本法人は、日本で上場する気がないので、偉い人を日本に送り込んで、日本法人の所有権と経営権を同時に与えています。その分、本社へ上納金を払うシステムにしていたりします。

 あとは会社をつくる時にかかるお金が合同会社の方が安いです。株式会社は20万円ほど、合同会社は7万円ほど、会社をつくる時にお金が必要です。士業へ外注する際は、追加でその手数料も取られます。(5万ほどが相場ですかね。)

1人社長で節税目的なら合同会社OKです。

 実は他にも、合名会社や合資会社、公益法人や社団法人など、色々と会社の種類があるのですが、基本的には馴染みが薄いかと思うので割愛します。

2.定款で色々きめる

会社の作り方02

 定款とは、会社のルールブックの事です。これは、今ルールを決めなきゃ!というよりかは、会社をつくる時に必要な会社法テンプレみたいなものです。ただ、抑えるべきポイントがあるので、そこをかいつまんで紹介していきます。

実際に作るときはfreeeやMFなどの無料ツールが案内してくれます。
ので、細かいルール違反はツールが弾いてくれる前提で紹介していきます。

会社名
自由に決めてください。領収書を切りやすく苗字にしちゃう社長もいます。一応細かいルールはありますが、大体ツールがはじいてくれます。

事業目的(どんなビジネスをするか)
事業目的、つまりどんなビジネスをするか、というところで何でもかんでも入れていくと、銀行口座をつくる際にてこずることがあります。特にメガバンクは、マネーロンダリングの影響で怪しい会社の口座は作りたくないんです。あとは許認可が必要な土建業や介護業などは、事業目的にその仕事が入っていないと許認可が絶対にもらえません。

会社の住所
ここで会社の住所は市区町村でいう、市区でとどめるのがポイントです。そうじゃないと引っ越しするたびに変更登記で3万円以上取られてしまいます。(違う市区に引っ越す場合は問答無用でお金かかります)

 また、最近バーチャルオフィスが流行っていますが、融資を受けたいときにてこずることがあります。銀行は実態のないものをすごく嫌うためです。

会社の実態見えづらい銀行に嫌われてしまいます。

 実際に、バーチャルオフィスで事業目的山盛りの会社で融資を受けるときはとても面倒でした(だから言ったのに…と思っていましたが笑)。結局は社長が自宅に住んでいる証明で水光熱費の領収書を見せたり、ビジネスをやっている書類を見せたり、余計な書類をたくさん集めた記憶があります。
 要は、マネーロンダリングでは無いですよ。と必死に伝えた形です。

 私の場合だと、ネットビジネス。とふんわり表記してしまったがゆえに口座開設で面倒なことになりそうでしたが、ホームページを作ってURLと画像を印刷して送ったら銀行の審査が通りました。あればいいんですねあれば笑

資本金等
資本金とは、いわゆる会社にいくらあるかというものです。1円でも大丈夫ですが、融資を受けたいときに、1円だと、またてこずります。
 要は、会社つくる段階でお金無いのに借金返済できないだろ。という銀行の気持ちです。まぁそうですよね笑。借りたい金額の3分の1もあれば融資は引っ張りやすいです。300万円借りたければ100万円の資本金といった具合ですね。残りの3分の2は事業計画と熱意で補います。

発起人の氏名と住所
発起人とは、要は会社を作ります!と手を挙げた人です。株式会社なら株を持っている株主。合同会社なら株がないので経営者、つまり社長のことです。住所は住民票があるところの住所が必要です。もちろん後で住民票も提出します。

決算月
決算月とは、毎年区切る月の事です。個人だと12月で固定ですが、会社だと1月から12月までのどれか好きなタイミングを選べます。日本は3月決算が多いですが、海外は12月決算が多かったりします。

この決算月が結構重要で、決算月は書類を集めたりなんだりで本業とは関係なく忙しいです。なので一番忙しい月のちょっと前にするのが良いです。後ではなく前にしておけば、忙しくて売上が高い月が最初に来るので、節税対策もしやすくなります

株主総会(社員総会)の時期
株式会社では株主総会、合同会社では社員総会と呼ばれる、いわゆる総会は、会社の事についてあーだこーだ言う会議の事です。このあーだこーだ会をする時期も定款で決めるんですねー。これを決算確定の日から3か月以内と書いておくと、本来2か月以内の税金申告を、3か月まで延ばせます。
※税金を払うのは2か月以内にしないと1か月分の利息とられます。

とまぁ、色々書きましたが、ツールが近年とても優秀で。結構ちゃんと誘導してくれます。出始めた時に行政書士の友人と実際に使ってみたので、freeeやMF会社設立は、本当に優秀なツールだと思っています。(最近は国も無料のツールを提供しているらしいですね)
 唯一、全ての流れを知っているからこそ、全部一気に作れないのは、もどかしかったです。めちゃくちゃ急いでいる人は潔くプロに頼みましょう。きちんと早く終わらせてくれるプロに。

3.謄本を手にいれる

会社の作り方03

定款をつくった後、公証役場で認証をしたり、登記申請書やらなんやら必要な書類を法務局に持って行ったりしたら、後は法務局で謄本を手にいれるだけです。ついでに会社の印鑑証明も必要な分は買っておきましょう。はい、買います。謄本も印鑑証明も、法務局でいつでも何部でも買えます。牛丼代くらいです。ちなみに、謄本の情報変えるときは牛丼200杯分くらいかかります。

てかあれ、いつ印鑑作るの?ってなりますよね。そうなんです。会社名決まっていたら印鑑も作っておいてください。この辺もツールが促してくれます。お詫びと言っては何ですが、簡単に印鑑の種類をまとめておきます笑

実印(最悪これさえあれば良い印鑑)
最強の印鑑です。印鑑証明として法務局へ登録する印鑑です。役所の手続きは全てこれでやると思ってください。契約書に押す会社も多いです。

銀行印(なんでもかんでも実印押すのは怖いから分けとこう印鑑)
実印は無敵ですが、銀行手続きのたびに実印押すの怖いですよね。と別で印鑑を持つのが銀行印です。印鑑証明のように書類はありませんが、銀行へ登録する印鑑になります。

角印(もっとラフに請求書とかに押せるやつ欲しいよね印鑑)
名前の通り四角い印鑑です。形に触れてきませんでしたが、実はどの形でも実印にも銀行印にもできます。登録するだけなので。
 昔からの暗黙ルールとして、ラフに押す印鑑、つまりどこにも登録しない印鑑は四角い角印にしている。というだけです。

うっかり角印を実印登録にしちゃったおちゃめな社長さんもいましたが、契約のたびに確認されるわ、役所から初見で指摘されるわで戻すことになりました笑。もちろん登録変更するのに恐ろしくてこずりました。

そんなことも過去にたくさんあったのか(知らんけど)、

実印、銀行印、角印の3つをつくるのが圧倒的に多いです。

最近は電子契約も一般的になってきているので、正直実印と銀行印だけあれば良いかな。と個人的には思います。角印はデータで作っちゃいます笑

4.各所へ届出する

会社の作り方04

謄本が出来たことで、初めて会社が出来ました(おめでとうございます!)できたばっかりですが、税務署、年金事務所、ハローワークや労働基準監督署、知り合いへ自慢する必要があります。…すみません、自慢はご自由にどうぞ。

税務署への届出は5種類年金事務所は社長も含めた給料について、それぞれ届ける義務がタイトにあります。会社が出来て2週間以内が期限のものもあるので、実は同時進行に進めることが多いです。
ハローワークや労働基準監督署は、従業員を雇う際に必要になってきます。

税務署への届出5種類
設立届・・・・・・・・・・会社作ったよーってやつ
給与開設届・・・・・・・・会社作ったよーってやつ(給与版)
源泉税の特例の申請書・・・毎月支払うものを半年に1回へ変えとくやつ
青色承認申請書・・・・・・しっかりやるから得させて?ってやつ
申告期限の延長の申請書・・総会が3か月かかるから税金も待って?のやつ

会社作ったよーってやつ2つあるじゃん、なんなん?とかなりますよね。法人税法と所得税法で似たような届出ダブっちゃったんですね~。ぶっちゃけ必要なければ全部出す必要は無いのですが、出しておいて損は無いので基本会社つくったら全部出します。

実際、私が作るときも説明して(もちろんこんな雑な説明じゃないです笑)社長に出すかどうか聞きますが、「この書類は必要ない。」と言われた書類は1枚も無かったです。

特殊な例では、そもそも書類が出す意味がない会社もありましたが、その場合でも出したことによるペナルティは無いので、調べるのが面倒な方は、5種類だすんだぁと覚えておいてください。実際に出すときは、国と地方の管轄へ出す書類もあるので、5枚以上にはなります。

社会保険まわりは3か所に届出
人を雇うと、健康保険や厚生年金、労働保険や雇用保険の社会保険に加入する義務が出てきますので、各所へ届出が必要です。社会保険の場合は、給料を支払い始める事が分かった日から5日以内が期限というえげつないものもあるので、注意してください。

健康保険や厚生年金・・・年金事務所(1人社長ならとりあえずここだけ)
労働保険・・・・・・・・労働基準監督署
雇用保険・・・・・・・・ハローワーク

面倒くさいですね。

社会保険周りの手続きは、自分も経験があるのですが本当に面倒くさいです。ある程度人を雇うのが決まっている方は社会保険労務士さんを探すことを激しくお勧めします。税金はもちろん税理士さんへ。

ステマとかでは無いんですが、以前ご自身で「法人の申告をした!けど今年からお願いしたい!」と手書きの税金申告書を持参された方がいました。おそらくたくさん調べて書類を作ってくれたのでしょうが、修正の嵐。手書きなので転記も間違っていたり大変でした。

よほどの知識が無い限りは、法人の申告はご自身でやらないことをお勧めします。青色申告なんか一発で取り消されると思います。

5.決算準備をはじめる

会社の作り方05

各所へ届出するという手続きが終わったら、なんやかんやで3か月くらい経っていると思います(会社が出来てから1か月くらい)。息をつく間もなく今回の決算準備を始めていきましょう。

決算準備ってプロに頼むものでしょ?そんなの知らないし何からしたら良いかわからない。とよく聞きます。

イメージは、会社の利益がなるべく正確にわかる状態を作ることです。

これは会社を経営している社長が一番最初にわかる情報です。プロはこの状態を作るために、社長が雇うんです。もっと直接的にいうとプロを使いこなしてください。という事です。

具体的には月次で(毎月)決算を締めてください

つまり、毎月売上から経費の書類を集めて、帳簿をつくるのが決算準備の第一歩という事です。毎月確定値を知っていれば、会社の利益が分かりますよね?つまり税金がいくらかかるのかも予想しやすいのです。

プロを雇っていれば、書類を早く集めて、早く報告させるだけ。税理士業界だと報告が毎月ではなく年1回などの安いプランもありますが、それは決算準備が出来て、プロのコスパを極めた時に使うことをお勧めします。

あとは、節税や補助金、助成金をもらうときはプロが詳しいです。要所要所必要なところでうまくプロの力を借りていくのが一番良いです(ピンキリで高かろう良かろう、、、でもないのが難しいですが。)

節税に関しては、意外とやること限られているので、別の記事でまとめておこうと思います。記事でまとまってること提案してくれないプロであれば、もうこっちから指図して動いてもらいましょう笑

会社のつくりかた まとめ

会社の種類を決めて、あとはツールの促すまま作ったら、その書類を色んな所へ提出して、会社の正確な利益を知るために月次決算をする。

なんか簡単そうじゃないですか?

会社法や税法、会計基準が絡んでくるので、活字漢字マジックでものすごくとっつきづらいですよね。ただ、全て法律なので、要点抑えればシンプルに考えられるもの(だと思ってます)。

一番大切なのは、なんで会社をつくるのか。というところですからね。

会社をつくる理由は、本当に様々です。

個人で限界を感じた。従業員のために会社にして信用力を上げたかった(従業員は、個人よりも会社に雇われている方が住宅ローンがおりやすくなったりします。)。許認可のために。ボケ防止で。節税がしたくて。ホールディングス経営がしたくて。リリースしたいサービスを開発していて。副業が大きくなって。大手との取引で与信を通すため。共同経営でビジネスを始めたくて。会社を作って上場させたくて...etc

このどの理由もすべて会社をつくりたい理由です。よく「会社は生き物だ」と言われるのには、こういった社長の思いがあるからなんだなぁと良く思っています。

皆さんも会社をつくる際には何かしらの理由があると思います。それが具体的であればあるほど、すぐ会社を作った方が良いです。

さいごに…会社つぶすの結構面倒でお金かかるので、その時は休眠(寝)させるのは簡単で無料。と頭の片隅に置いておいてください笑

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