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アセクシュアルと気付くのがめちゃくちゃ遅かった私の話

はじめまして。記事を読んでくださって、ありがとうございます。福島県でイラストレーター・ライターとして活動している一葉(かずは)です。趣味はゲームと写真。好きなものは会津と歴史と甘いもの。今は漢字検定と殺陣を一生懸命やっています。
最初の投稿なので、今回は私の自己紹介を兼ねて、私がアロマンティック・アセクシュアルと自認したのが、実はめちゃくちゃ遅かった話をしようかなと思います。

別世界のことだから私は分からなくて当然と思っていた

私がアセクシュアル……というか「恋愛が分からないことの違和」を感じたのは大分遅くて、31歳のときです。
アセクシュアルの理解を深める活動をしていることで有名な中村さんなどもそうなのですが、多分多くの人は思春期の恋バナに全く共感できないことで「あれ?自分っておかしいのかな?」と気付くんじゃないかなと思います。私の周囲にも思春期にそういう話をしている友達がたくさんいたし、面倒見の良い人間という認識をされていた私は、何ならめちゃくちゃ恋愛相談もされました。
ただ、私は彼女たちに全く共感はできなかった。でもそれに違和感はありませんでした。

というのも、そもそも私は自分のことを「人間の欠陥品」と思っていたから。

私に対し、彼女たちは「ちゃんとした人間」です。だから住んでいる世界が違っていて、私には起こり得ないことが彼女たちには起きている。「もともと自分はおかしいのだから、彼女らの世界が理解できなくて当たり前」という認識。アドバイスは、少女漫画と超論理的思考で培った当たり障りのないことを言えば良い。私にとっては、それだけでした。

妹の結婚で「違和感」を自覚

そういう私が「アセクシュアル」という自覚をしたのは、妹の結婚がきっかけでした。私が31歳のときです。10年ほど前に進学のために家を出ていた妹が実家に帰ってきて「結婚する」と言ったんです。
そのときに私は「あ、こういうことって身近で起きるものなんだな」と思いました。

同時に、妙な「違和感」がありました。

私は「恋愛して結婚する」というのは、ずっと自分とは別世界のことでファンタジーだと思っていました。ただ、妹の結婚で「身近に恋愛と結婚がある」と認識したことは、私にとっての「ファンタジー」が「リアル」になった瞬間でした。

妹が幸せなら良いという気持ちと、ファンタジーがリアルになったのが気持ち悪いという気持ち。その違和感に名前を付けたくて調べたら、出てきたのが「アセクシュアル」でした。

自分がアセクシュアルであることに、ショックはありませんでした。もともと私は自分が欠陥品であることを自覚しているので、恋愛感情が分からないとか、他人に性欲が湧かないとか、そういうのも「自分が欠陥品である」という要素のひとつでしかないと思ったからです。

ただ、私みたいな人が他にもいることを知れたのは、すごく救いでした。彼らの話を聞いていると、彼らは皆「人間」でした。欠陥品ではない。じゃあ、もしかしたら自分も欠陥品ではないのかなと思えて、心が楽になりました。

最後に

世の中には、アセクシュアルのことを理解してほしいと思って活動してくれる人がたくさんいます。私は彼らのブログや動画を見て、もうヘビメタライブでのヘドバンと同じくらいの勢いで共感しています(笑)私は地方に住んでいる人間なので「恋愛が幸せ」「女は結婚して当たり前」みたいな風潮が濃く、うんざりすることが未だに多いです。年齢を重ねたことや人間関係を厳選したことによって、大分少なくなりましたが、残念ながら都心に比べると遥かに理解度が低いと感じます。
でも私は、他のセクシュアリティの方々に、アセクシュアルの気持ちを無理に理解してほしいとは思いません。
なぜなら、彼らがアセクシュアルの気持ちが分からないのと同じように、私も他のセクシュアリティの人たちの気持ちは分からないから。
なので「理解したいという姿勢」を持ってくれるだけで十分だと思っています。色んな考え方、生き方がある。否定はしない。他のアセクシュアルの方々がどう考えているのか分かりませんが、私にはそれで十分です。

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