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見えにくいけど「女が自由に語れる場」が広がっていること。レスポンスを私たちは見つけられているだろうか。

昨日の投稿で紹介した「シモーヌ」では、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの「人は女に生まれるのではない 女になるのだ」という言葉を引用していた。

これは結構面白い言葉で、性別を逆転させた時にこの言葉が成立するか否かで考えがわかれる人がいると思う。

つまり、体の性別とは別に、社会化するなかで獲得される性があると考えた時、なにも強制されていない状態を男ととらえるか、女が強制されていることで「女でない」状態を強制する力が男にも働くか、という話。

まぁ、それは各々考えてもらえばいいんだけど(雑)。

今日は女が自由に語れる「場」について話したい。

昨日も書いたけど、私はInstagramが好きで、この中でもエッセイコミックが気に入っている。ホーム画面でおすすめに表示される画面の半分はコミックで、あとの半分はアンティークとDIY。

なんでそれが好きかって言うと、特に母親たちがものすごく自由にしゃべっているからだ。

私は結婚もしてないし、子どもを産む予定もないから、はじめは「母親」というカテゴリーにいる女性たちが、その肩書きで何を語っているのかよくわからなかった。

きっかけは偶然だったと思う。
何の気なしに開いた育児系コミックエッセイ。

私の友人で、母親になった人の大半は子どもの投稿しかしなくなって、子どもたちは可愛いけど、漠然と「母親になるってそういうことなんだ」と思っていた。

でも実際は想像と全然違った。

「子育てなんて私もはじめてなのによく『俺よくわかんないし』って言われてもやったので夫をつめた」

とか

「子どもとプールに行って、水着で隠れるところは誰にも触っちゃいけないところなんだよって、はじめての性教育をした」

とか

「私はしんどくても夫の性欲に付き合うのに、なんで私が誘った時に夫はそれを雑に断るの?」
(又は、断りかたで夫を傷付けてしまったエピソード)

とか

「若い時に、こんな被害にあってとても怖い思いをして辛かった」

とか

「夫の娘への発言に激怒。『これぐらいで傷付いてたら社会でやっていけない』ってなに!?」

とか

「子どもに挨拶をするよう言っていたら、子どもが友だちを連れてきたときに(投稿者が)挨拶をしなかったと怒られた」

とか。

私の想像の100倍くらい、彼女たちは自由に語っていた。

母親が、母親である前に女であること。

妻と夫は対等なパートナーであることとか。

子どもへの接し方とか。

自分の性欲や、性癖、逆にトラウマとか。

社会問題についても、虐待についての話題をとりあげたり、家族で投票に行ってるって話とか、税金の使い方おかしくない?とか、ニュース見て子どもが言った言葉とか。

そういうことを当たり前のように彼女たちは話していて。それが私はとても好きだ。

Instagramでそういう話がしやすいのは比較的、環境が整ってるからというのもあると思う

・投稿とコメント欄がハッキリわかれていること(Twitterは一体型ね)
・任意で投稿ごとにコメントを制限できること
・コミックエッセイをどんどん積極的に拾ってまとめる育児サイトなんかがあること
・読者の想定が同じ性別で年齢もあまり離れていないこと
・おすすめ機能で似たような投稿や好みの投稿が自動で表示されるため仲間が見付けやすいこと

彼女たちはフェミニズムを名乗るわけじゃないし、母親という肩書きがついた上でっていう前提はあるし、やっぱり政治についての投稿はすごく少ない。

でもそこで、「母親」とか「育児」とか、フェミニズムから遠い投稿しかないんじゃないの?って勝手に壁をつくっていたのは、むしろ私自身だったんだよね。

自由にものを言える女たちがこんなにもたくさんいる。それに賛同する人たちが集まってることに、すごく嬉しくなる。

そしてそれは、母親以外の女性にも、そして少ないけれど男性にも広がっている。

父親として直面している子育てのことや、夫婦の話。年齢を重ねた女性の婚活の話。浮気されたりDVされた過去の恋愛について話してる人もいて、読者の体験をコミックにして掲載している人たちもいる。

言いたいことが安全に言える場は少ない。けれど、確実に自由に物を言える場は育っている。なかには眉をひそめたくなるようなものもあるのは確かだけど、そこはこのnoteと同じく玉石混淆。

「政治」や「運動」が彼女たちとつながるのは、正直難しいと思う。でも、彼女たちと、政治家や市民運動をしている人の現実は地続きで、確実に届いてる声があることは確かなんだよね。

レスポンスを見つけられるか、それが問われてるんだと思う。

自分と違う存在、コミュニティにどれくらい関心を持っているかハッキリわかってしまうから。コミュニケーションが成立するかはそれからの話だよね。

きっとこのnoteにも楽しいコミュニティがあるんじゃないかなと思ってる。

実は、Twitterのなかにもものすごく自由に物を言っている女たちがいる場所があるんだけど、それは次の投稿で。

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