見出し画像

アラブ首長国連邦で財布をロストした話。


UAE(アラブ首長国連邦)の美術館にいった時に、なんと財布を落としてししまった。

中には現金と、キャッシュカードとクレジットカードが計4枚、そして現地での保険証も入っていて顔面蒼白。

こんなにもムンクの叫びの様な心境になったのは何年ぶりだろうか、、、。

あと1か月は仕事で現地滞在しないといけなかったので、再発行なり、紛失停止中の引き落としなり、一体どうするんだ状態。軽いパニック。
インドで2万円ぐらいの現金入った財布すられた時よりはるかにショックだった。(インド話もいつか書こう。)

状況は、美術館を一巡し、ちょうど閉館時間で帰ろうといったタイミングで気がつくが既に時遅し。

カウンターの女性に財布が届いてないか聞くが、『届いて無い』と言われるし、丁度閉館時間だったので速攻帰宅モードの彼らに対して、英語がほぼできない私はもはや付け入る隙もなく、美術館を出て行くほかなかった。

翌日、職場の英語堪能な日本人の責任者に相談してみたところ、次の日の仕事前に一緒に美術館に探しに行ってくれる事になった。

まず、私の財布の結末を書く前に、自分への戒めを込めて、海外での紛失の心構えを以下に記述しておくことにする。
自分の滞在した国や状況もあるので、皆さんに全て当てはまる訳ではないと思いますが、とにかく自分への教訓として書かせて頂きたい。



1、盗難、紛失はまず戻ってこないと思え。

海外ではまず戻ってこないと心しておきましょう。
日本は本当に世界最高レベルで良心ある国民性だと思った方がいいです。
他国では紛失したら、帰ってこない前提で貴重品の管理をしましょう。
UAEも例に漏れません。ここには様々な国から出稼ぎ労働者の方が来ています。いろんなアイデンティティを持った方がいますので、日本のそれとは違います。出稼ぎ労働者の方を蔑むつもりはありませんし、いい人ともたくさん出会いましたが、総じて返ってこない可能性は高いように感じます。

状況によるかもしれませんが、あまり使わないカードや、携帯不要な重要書類は住まいに置いておいた方が安全な気がします。
もちろん旅行者の方は外出の際のパスポート所持は必須です。

2、英語を話せないと相手にしてもらえないこともある。 

探すためにカウンターに行って色々聞こうにも、英語(もしくは現地語)が話せなければ相手にしてもらえないことも。ここは大分人によると思いますが、もちろん話せなくてもコミニュケーションを取ろうと努力してくれる良い人もたくさんいます。

しかし今回のカウンターのお姉さんは親身に探してくれる感じではなかったので。そちらの話になります。
特に今回は閉館寸前だったこともあり、私の様な英語も通じない外国人のトラブルなど、正直めんどくさいと思われていたのでしょう。

ちなみに、翻訳機を見せつけて凄んだところで、相手に話を聞く気がなければ暖簾に腕押し状態だと思います。(これは現地での仕事にて元々感じていた部分。)

あと、今の翻訳機のレベルでは会話が成り立たない事もしばしばあります。
翻訳機は諸刃の剣です。伝わらないどころか間違って伝わってしまう事もあります。

でも翻訳機が役立つタイミングももちろん沢山あります。
・お互いがコミニュケーションを取りたいと心から必要としている時。
・相手にリスペクトがある場合
・好意的に教えようとしてくれる人
など、プラスの感情を持っているときは翻訳機でもコミニュケーションが成り立ちます。

反して、
・相手と言い合いになったり、険悪な雰囲気になっている時
・面倒臭い案件だと思われた時
・努力しても意味がわからない、伝わらない時
など、負の感情を持たれてとしまうと、ただでさえ語学力が低い方は基本相手にしてもらえません。

今回もまさにでした。紛失当日、すぐにカウンターに尋ねたものの、
『遺失物の預かりはない。どんなに聞かれてもないものは出せない。』といった反応。

セキュリティや他の人に聞いてもくれません。閉館直前にトラブルを持ち込む客は相手からしたら、

『早く帰りたいのにメンドクサイのキター。』

と思われていること必死です。

日本だったら、もっとちゃんと調べてくださいと言いたいようなシチュエーションでした。でも語学力が無いためにそれもできず、すぐに閉館時間になってしまい、当日は抜け殻になって帰宅したのです。

3、警察に行こう。

警察に行って遺失物が届いていないか確認しましょう。
UAEの場合は、見た感じ遺失物はデータベース化されているっぽいので、その場で該当するものがあるかどうか調べてくれました。
その際は身分証が必須なので、遺失物を探しに行く際は必ずパスポート、もしくは労働者の方はアイデンティファイカードなどを忘れずに持って行きましょう。
ちなみに私の場合は届いていませんでした(涙)。


4、監視カメラを確認してもらおう。

後日、件の日本人と一緒に美術館へ再度捜索に行きました。
そこで彼が監視カメラを見せてくれと聞いてくれました。
皆さんもこう聞いて見ましょう。

Would you show me CCTV?
監視カメラを見せて頂けませんか?

ちょっと強く主張したいときは、
Please show me CCTV?
監視カメラを見せてください。

何か重要な手がかりがわかるかもしれません。

警察に行っても、現地をくまなく探しても見つからなければ、諦めましょう。
国際電話でカード類を止めましょう。そして帰国後に再発行しましょう。


そして私の財布の結末。

まずは美術館に行き、二人で全室くまなく探す。→も無い。
再度カウンタースタッフ(別の人だった)に聞くもやはり無い。

念のため当日行った別の美術館にも行ってみるが届いてない。

その足で警察に行ってかなりしっかり聞いてくれたがやはり届いていない。

もはや駄目かと思いましたが、もう一度最初の美術館に行ってみた。
その際に、同行者の方が監視カメラの閲覧を要求してくれたのですが、スタッフ側は

『監視カメラの担当者が2週間ほどバカンスに出ているから確認ができない』

と言ったそうですが、

、、、、そんな訳無い。

って事で、同行者が英語で凄んだらようやく上司に内線で連絡を取り始めた。そしたらなぜか、

監視カメラは特に見せられることなく、館長室に案内され、

そこにいたカンドゥーラ姿のいかにもな館長に名前を聞かれ、私が答えると彼の机の引き出しから

出てきたーーーーーー!!!!!!!
私の財布!!!


本当に今回の出張一のサプライズだった、、、。

しかもお金もカードも取られているものは何も無い。その後同行者と館長の雑談に花が咲き、その時のエキシビジョンのごっついノベルティグッズまで頂いて、和やかな雰囲気の中私たちが退室しようとすると、

『ちょっとちょっと!』
館長に声をかけられ、指さされた先を見ると、

私、また机の上に財布忘れてる、、、。


これにはみんな苦笑い。私も苦笑いするしかない。
内心は心底笑えなかったけど。

END.

〜あとがき〜
自身の管理能力の甘さを猛省すると共に、親身になって一緒に探して下さった日本人の方には感謝してもしきれません。

皆様も私のような二の轍を踏まれないよう、海外での貴重品の紛失・盗難には十分にお気をつけください。

上記の通りUAEの社内、組織内では、連携や業務連絡は日本ほどしっかりと取られていない印象を受けました。(ちなみにシャルジャ首長国営の美術館だったのだけど。)
今回は同行者の方が英語堪能かつ交渉力に長けていたので見つけることができましたが、正直英語ができても人によっては館長室までたどり着くことはできなかったかもしれません。

同行者の日本人の方が、事前に現地人上司に相談した際も、
『そういうのは電話じゃなくて直接現地に行った方がいいよ。』
と言われたそうです。
もしかしたらこの様な場合、粘り強く交渉したり聞いたりするのが向こうでは前提なのかもしれません。

日本人感覚では、無いと言われれば殆どの人が引き下がってしまうと思いますが、日本の常識は通用しないと実感した体験のひとつでした。
私の体験がどなたかのお役に立てられれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?