溶接ヒュームへのばく露防止措置
基 発 0126 第 2 号令和3年1月 26 日
特定化学物質障害予防規則及び作業環境測定法施行規則の一部を改正する省令及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令の施行等について
特定化学物質障害予防規則及び作業環境測定法施行規則の一部を改正する省令及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第12 号。以下「再改正省令」という。)が令和3年1月26日に公布され、同日から施行することとされたところである。その改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、その施行に遺漏なきを期されたい。
記
第1 改正の趣旨及び概要
1 改正の趣旨
労働者の溶接ヒュームへのばく露防止措置や健康管理を推進するため、特定化学物質障害予防規則及び作業環境測定法施行規則の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第89号。以下「特化則等改正省令」という。)が令和2年4月1日に公布され、原則令和3年4月1日から施行されるが、公布後の状況の進捗により、特化則等改正省令を再度改正することとしたこと。
また、特化則等改正省令及び粉じん障害防止規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第 128 号。以下「粉じん則等改正省令」という。)で新たに記録及び保存することとされた測定結果等について、厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号。以下「℮ ‐文書省令」という。)を改正し、電磁的記録により作成及び保存することができることとしたこと。
2 改正の概要
(1) 特化則等改正省令附則第2条(経過措置期間中の測定結果等の記録及び保存)関係
特化則等改正省令附則第2条に第2項を新設し、同条の経過措置期間(令和3年4月1日から令和4年3月31日までの間)中に金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場の空気中の溶接ヒュームの濃度の測定を行った場合、その測定結果等の記録及び保存を義務付けることとしたこと。
(2) 特化則等改正省令附則第3条(呼吸用保護具の適切な装着の確認)関係
特化則等改正省令による改正後の特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「新特化則」という。)第38条の21第2項に規定する屋内作業場について、同条第7項の規定による、労働者に使用させる呼吸用保護具が適切に装着されていることの確認等に関し、令和4年3月31日まで適用しないとしていたところ、令和5年3月31日まで適用しないこととすること。
(3) ℮‐文書省令(電磁的記録による作成及び保存)関係
以下の①~③の測定結果等の記録及び保存について、書面に代えて電磁的記録により作成及び保存することができることとしたこと。
① 1年以内ごとに1回、定期に、呼吸用保護具が適切に装着されていることを厚生労働大臣の定める方法により確認し、その結果を記録し、保存しなければならないこと(新特化則第38条の21第7項関係)。
② 空気中の溶接ヒュームの濃度の測定を行ったときは、その都度、必要な事項を記録し、保存しなければならないこと(新特化則第38条の21第8項関係)。
③ 空気中の粉じんの濃度及び粉じん中の遊離けい酸の含有率の測定を行ったときは、その都度、必要な事項を記録して、保存しなければならないこと(粉じん則等改正省令による改正後の粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号)第6条の4第3項関係)。
3 施行日
再改正省令は、公布の日から施行することとしたこと。ただし、上記(3)(℮文書省令(電磁的記録による作成及び保存)関係)については、令和3年4月1日から施行することとしたこと。
第2 留意事項
1 特化則等改正省令附則第2条(経過措置期間中の測定結果等の記録及び保存)関係
溶接ヒュームの濃度の測定結果について、経過措置期間前(具体的には令和3年4月1日前)に当該測定を実施した場合であっても、結果を記録し、及び保存することが重要であること。
2 特化則等改正省令附則第3条(呼吸用保護具の適切な装着の確認)関係
呼吸用保護具の適切な装着の確認(以下「フィットテスト」という。)については、令和5年4月1日から適用することとなるが、金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場における労働者に使用させる呼吸用保護具の選択(新特化則第38条の21第6項)については、特化則等改正省令附則第3条の規定のとおり、令和4年4月1日から適用するものであること。
なお、「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等の施行について」(令和2年7月31日付け基発0731第1号。以下「マスク告示施行通達」という。)の第2の3(1)ウにおいて「本項に規定する呼吸用保護具の適切な装着の確認は、フィットファクタの精度等を確保するため、十分な知識及び経験を有する者が実施すべきであること。」とあるが、フィットテストの実施者に対する教育実施要領については、別途示す予定であること。
第3 その他
関係通達の改正
マスク告示施行通達のうち、第2の4(3)「「防じんマスクの選択、使用等について」(平成17年2月7日付け基発第0207006号)の第1の2(2)中最後に改行し「ただし、特化則第38条の21第6項で規定する金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場について、同項の規定に基づき当該作業に従事する労働者に有効な呼吸用保護具を使用させる場合にあっては、この限りでないこと。」を加える。」を削除すること。
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