BLMと一般化
サッカーのヨーロッパカップであるEURO2020が始まった。本来、去年に開催される予定だったので、2021年の開催だけど、名称はEURO2020なのだそうだ。
サッカーファンとしては、見ないわけにはいかないので、独占放送するWOWOWに加入してしまった。
その中で、イングランド対クロアチア戦を見ていると、不思議なタイミングで一瞬ブーイングがあった。
スタジアムは、ロンドンのウェンブリースタジアム。つまりはイングランドのホームということになる。
キックオフのホイッスルの前、イングランドの選手達は、プレミアリーグでの試合同様に、ピッチに片膝を付いて、人種差別反対の意向を示した。
その瞬間に、ブーイングはあった。
短い出来事だったし、ウェンブリーの恐らくはイングランド人の観客は、一体何に対してブーイングをしたのか、良く分からなかった。
試合が始まっても、一体あのブーイングが何だったのか気になり、DZNEのプレミアリーグ解説でお馴染みのベン・メイブリーさんのTwitterを覗いてみた。
すると、下記のようなツイートがされていた。
【ブーイング】
— Ben Mabley(ベン・メイブリー) (@BenMabley) June 13, 2021
・5月中旬、プレミアリーグ第37節と最終節に観客がスタジアムに戻れるようになった
・そして、膝をつくジェスチャーが観客の前で行われるようになった
・一部の会場、一部の観客によるブーイングなどが見られた
・EURO前の2つの親善試合でこれが更に大きな問題になった
【BLM】
— Ben Mabley(ベン・メイブリー) (@BenMabley) June 13, 2021
・当初、「黒人の命だって大切だ」を意味する「Black Lives Matter=BLM」という運動を支持するべく、選手たちが膝をつくことに
・だが、政治的な団体なども支持するニュアンスの可能性を避けるべく、2020/21シーズンから基本的にその表現を使わなくなった
・完全に人種差別に反対という意味だ
【支持できない人】
— Ben Mabley(ベン・メイブリー) (@BenMabley) June 13, 2021
・多くは「BLMは極左の団体だから支持できない」という
・これは誤解や誤情報、或いは嘘に基づいたただの言い訳だ
・選手たちは何回も「人種差別に強く反対する姿勢を見せる為だ」とはっきり説明している
・それに耳を傾けないのは本当にサポーターなのか?
・私は違うと思う
私的に解釈すると、BLM運動の背景には、グローバリズムや極左的な政治背景があるから、BLMを支持するようなポーズに反対する、という旨のようだ。
コロナ禍になり、プレミアリーグはずっと無観客で、実際のサポーターが、このポーズに対してどのような反応を見せるのかは、観客を入れ始めたこのEUROで初めて知ることになった。
個人的には、もちろん差別するのも、されるのも反対だ。というか、今のご時世、私は差別主義者だ、と公に宣言するような、不思議な人はいないだろう。
ただ、一連のBLM運動の盛り上がりには、不自然さを感じる部分もある。
BLMについては、これ以上ぼくが言うことはない。ベンさんのツイートが、とても鋭いので是非見てください。
中でも、ぼくはこの言葉が印象に残りました。
【一般化が差別の素=絶対ダメ】
— Ben Mabley(ベン・メイブリー) (@BenMabley) June 13, 2021
ダメな考え方の例:
🙅♂️ベンはクズだからイングランド人は皆クズ
🙅♂️あの○○人はやらかしたから○○人は皆ダメだ
🙅♂️あの△△ファンはうるさいから△△ファンは皆嫌いだ
🙅♂️デモに参加したあの人は過激になったから平和に参加する何百万人も過激派
などなど。
「一般化」です。
これ、ついつい良くやってしまいます。
その人個人を見ずに、その人が属している集団やカテゴリーで、人間性を判断してしまう駄目なやつ。
男なら、女なら、若いんだから、おじさんだから、おばさんだから…
ぼくも良くやってしまいますが、これは人に対する駄目な見方だと思います。
一般化かあと思いながら、JFAのYouTubeチャンネルのTeam Cam見てたら、長友選手にイタリアでの成功の秘訣をインタビューしていて、長友選手曰く、道化を演じ、陽気に振る舞え、そうすればラテン系の民は受け入れてくれる、という旨の発言をしていた。
ここにも一般化がありますよね、陽気じゃないイタリア人も沢山いるだろうし、内向的だけど成功しているサッカー選手も沢山いる。
誰かに上から目線でアドバイスする時、アドバイスを受ける人のことを一般化せず、その人個人の人間性を見れているかを考えないと、余計なお世話になってしまうのかもね。
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