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リバプールが起こした小さな奇跡

日本時間の昨夜2時半頃、世界中のリバプールファン達は、叫び、飛び跳ね、喜びを共有した。
あの瞬間、リバプールという信仰で結ばれた信者達は奇跡を分かち合った。

なんのこと?

とお思いの方は、以下をお読みいただきたい。

リバプールというのは、サッカーイングランド1部、通称プレミアリーグに所属するサッカーチームだ。

このチームは、一言で言えば、「熱い」のだ。

ざっくりと、チームの紹介をしよう。

まず監督はユルゲン・クロップ。
香川真司選手がドイツブンデスリーガのドルトムント在籍時に、香川選手の才能を開花させた監督と言って良いだろう。

ヘビメタサッカーとも称される、激しく運動量を必要とする戦術と、選手のモチベーションマネージメントに長けた現代サッカー最高の監督の一人だ。

主な選手を見てみよう。

前線には、爆速ファラオの異名を持つエジプト人ストライカーのサラー、寡黙なプレースタイルながら抜群の身体能力で攻守に貢献するセネガルの豹、マネ、トップフォワードでありながらゲームメイクまでこなすブラジルの忍者、フィルミーノ。

中盤には、今季からバイエルンから加わった頼れるスペインの寺島進兄さんことチアゴ、抜群の調整力を持つ、縦に伸びた一休さん、ブラジル人のファビーニョ、寡黙なハードワーカー、オランダ人のワイナルドゥム。

後方には、現代サッカー最高のセンターバックと評されるオランダ人ファンダイク、同じく現代サッカー最高キーパーの一人ブラジル人のアリソンが君臨する。

この錚々たる面子で、昨シーズンは怒涛の勢いで念願のプレミアリーグ制覇を果たした。
昨シーズン終盤には、我らが南野拓実選手も加わり、今シーズンも怒涛の勢いで連覇に向けて発進してくれる、とぼく達サポーターは期待していた。

ところがである。

シーズン開幕早々に、守備の要、ファンダイクを怪我で失うと、他の選手も過密日程の影響からか、怪我が続き、気が付けば昨シーズンの絶対王者リバプールが、プレミア中位を彷徨う始末。

それでも、ぼく達サポーターは応援を続けるのだが、いかんせんチームに覇気がない。

しかし、シーズン終盤まで、なんとか我慢を続けてきたリバプールは、もうひと頑張りでチャンピオンズリーグ出場権を得る4位以内に入る可能性を残していた。
残り3試合を全勝すれば、まだ可能性がある。

そして、残り3試合の初戦、対ウェストブロム戦が昨夜行われた。

相手のウェストブロムは既に2部降格を決めており、モチベーション維持が難しい。 
つまり、格下相手でリバプールの勝ちだろうとぼくも、そして多くのサポーターがそう踏んでいただろう。

しかし、実際に試合が始まると先制はウェストブロム。降格するたチームとは思えないクオリティ、モチベーションでリバプールに向かってくる。

サラーの個人技で、1-1に追い付くも、攻めても攻めても攻めても、ゴールは遠い。
このままでは勝ち点3はとれず、ドローで勝ち点1。4位以内は難しいか…と諦めかけた。
時計はアディショナルタイムの4分を過ぎている。
コーナーキックを得ると、最後の足掻きで、ゴールキーパーのアリソンが上がってくる。

まあサッカーでは良く見る場面だ。大抵は何も起こらずに終わる。

ところが、昨日は違った。

ゴールキーパーのアリソンがヘディングでゴールしたのだ。
しかも、起死回生の一点はアリソンのプレミア初ゴールだ。

スコアは2-1。

4位以内に向けて、首の皮一枚で繋がった。

チアゴが少し前に
「ぼく達は小さな奇跡を起こす為に、今戦っている。」とコメントしていた。

ぼく達信者は、昨夜、まさに奇跡を目の当たりにしたのだった。


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