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【量子力学入門】 重ね合わせとは


重ね合わせとは

重ね合わせとは、量子力学の基本的な性質の1つで、どちらに存在するか確定しない状態を「重ね合わせ」と言います。

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*画像引用元(AI Academy 量子重ね合わせ理論
量子コンピュータでは、この「重ね合わせ」を量子ビットを用いて表現します。

ビットと量子ビットの違い

先ほど、「量子ビット」という言葉が登場したので、従来のコンピューターで用いられる「ビット(bit)」と「量子ビット」の違いを説明致します。
量子コンピュータではない従来のコンピュータのことを、古典コンピュータと呼びますが、従来のコンピュータでのビットは 「0」 と「 1」 の2つの状態で表現されています。
(スイッチのオンとオフの状態などでその2つの状態を表現します。)

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量子ビット(quantum bit)は、量子コンピュータで利用される情報の最小単位のことです。
先ほど量子ビットと比較するために説明したビットでは、「0」と「1」はどちらかに確定します。つまり通常のビットでは、「0」と「1」の「どちらか」しか取りません。
一方、量子ビットでは量子力学の重ね合わせの原理を利用することで、「0」と「1」の「どちらも」取ることが出来ます。

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これにより、量子ビットをn個集めると、2n通りの数字を「同時に」表すことができ、さらには1回の計算で扱うことが出来ます。

量子重ね合わせとは

量子重ね合わせとは、1つの量子ビットで「0」と「1」の情報を同時に表現することができる性質になります。
(どちらに存在するか確定しない状態のため、0と1が重ね合わさっていると表現されます。)
1ビットでは、常に「0」か「1」のどちらかにしかなりませんが、1量子ビットは同時に「0」と「1」の両方にもなりえます。
ここで、「0」と「1」が重ね合わさった量子状態の量子ビットを「観測する」ことで、量子ビットは「0」または「1」に収束します。
(量子ビットを測定して値を取り出す際には、「0」か「1」かのどちらか一方のみ確率的に測定されます。)

おわりに

高速だと言われる事が多い量子コンピュータですが、従来コンピュータと比較した際に、必ずしも1つ1つの処理を高速に行うわけではありません。
今回解説した「重ね合わせ」と前回解説した「量子もつれ」を利用する事で高速計算の実現を目指そうとしています。
今回の記事を読んで、より深く「量子力学」に興味を持たれた方は下記などを参考に勉強してみてください。


参考



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