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フィリピン人講師が世界レベルで活躍する為に行った、たった「3つ」の変革。

こんにちは。英会話スクール「ミライズ英会話」を日本と台湾で、語学学校「ミライズ留学(現在はオンライン留学を提供中!)」をフィリピンセブ島で展開しているミライズ株式会社のカズと申します。初めての方は、こちらに自己紹介をまとめてますので、ぜひご覧ください。

また、この春から英語を始める方向けに記事も書きましたので、ぜひこれを読んで失敗しない英語学習の心構えを理解して学習を進めてくださいね。

さて、本題へ

「ミライズの講師は、講師経験の豊富な人を採用してるのですか?」

先日、あるメディアさんから取材を受けた際に受けた質問が気になったので、noteに書いてみようと思います。現在、英会話を習える事業者が多くある中で、生徒からすると「講師の質がいいところでサービスを受けたい!」というニーズはとても大きいし、実際にどこで受けるかを決定する重要ポイントの一つかと思います。

その中で、僕らミライズがここまで急成長してこれた一番の理由は、講師の質をご評価頂いたことだと思っています。実際にお客様の満足度調査においても、講師の質をご満足いただいた生徒は全体の94%と驚くほど高い結果でした。(ありがとうございます。)

ただ、ここでよく勘違いされるのですが、僕らは経験豊富な先生を寄せ集めて質の高い授業を提供出来ているのではなく、ミライズ独自の仕組みを構築しているから、高く安定した授業品質を維持できると考えています。

ですので、冒頭の質問の答えは「NO」となります。

では、どうしているのか。
2013年に語学学校を開講して以来、フィリピン人講師が世界レベルで活躍してもらう為に、心血を注いできたミライズ独自の取り組みについてご紹介したいと思います。ポイントは、大きく変えた「3つ」のやり方にあります。

1.採用基準を変える

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まず私たちの講師採用活動は日本国内では行っていません。フィリピンのセブ島現地で運営する語学学校(MeRISE English Academy)での採用からスタートします。

語学学校をスタートした頃は、僕自身が最終面接の模擬授業(デモ)の生徒役を担当していて、数百人を超える候補者を見てきました。確かに初めの頃は、他の学校などで経験を積んだ先生が自信たっぷりにデモを行う姿に感動して、経験者を積極採用していましたが、結果として、その後あまり活躍できないケースが多く発生していました。

原因を探っていくと分かってきたのが、「これまでのやり方に固執して、新しいやり方を取り入れようとしない(反発する)」といった状況でした。

僕らはこれまでの語学学校とは違うスタイルで授業を展開していくことを方針としていたので(後述)、その新しいやり方を覚え、使いこなしてもらう為の相応の「努力」が講師全員に求められました。しかも、その努力を怠ると生徒には一目瞭然の仕組みなので、生徒に評価されずにミライズに残ることは出来ないのです。その結果、多くの経験者人材が途中でドロップアウトしていきました。

そういった経緯もあってか、その後ミライズでは採用時において経験、未経験かどうかは一切問わず、「努力できる人かどうか」を最重要視して採用判断することになっていきました。

「授業を行うスキル」は研修をしっかりと行えば習得することが可能ですが、一方で「努力できる」というスキルは、研修で習得することは難しいですからね。

今でも印象に残っているエピソードがあります。

最終面談を担当してしばらくが過ぎた頃に、首都マニラからわざわざセブ島のミライズ校の面接を受けにきた講師がいました。面接会場に入ってくると、明らかに緊張している様子が窺えます。そしてデモが始まったのですが、残念ながらお世辞にも上手とは言えません。緊張もあってか言ってる事も支離滅裂。僕もさすがにこれは難しいかなと思っていた時に、ふと彼女の手元を見たところ、とても驚きました。

ものすごい量のプリント(30枚以上)を持っていて、そこにはたくさんの付箋とマーカーが引かれている。それは15分のデモ授業の為だけに準備してきたプリントだったのです。その時直感的に思ったのが、「僕はこの講師から英語を習いたい」といった純粋な感情でした。

たった15分の為に、ここまで準備できるって、才能。

彼女は自分のデモの出来なさもあってか、終了時にはとても落ち込んでましたが、僕からその場で合格を告げた時の大粒の涙は今でも忘れられないですね。研修期間は大変ではありましたが、その後は期待通りにメキメキ成長していき、2016年に日本校を出す時の講師の第一号に選ばれるにまで成長したのでした。
(※その後家庭的な事情があり、残念ながら日本行きは辞退となったけども)

採用基準は、「努力できる才能」があるかどうか。

このような経緯もあって、ミライズの講師は、全員が努力できる才能を持った面々が集まっていて、その企業文化が脈々と引き継がれているのです。

次に、この原石である先生達をどのような仕組みでダイヤモンドのように輝く宝石へと磨いていくのか。

ここにも僕たちのこだわりがあります。

2.仕事の定義を変える

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「教科書は使いません」

研修のスタートは、ここからスタートします。この時点では、研修生(講師)の頭の中にクエスチョンマークがたくさん並ぶのですが、それもそのはず。ミライズ以外の全ての語学学校は、教科書に沿って授業を行う事が講師の仕事とされています。ですので、研修ではその学校で使う教材を読み込み、その教え方をレクチャーしていくのが通常だからです。

それに対して、ミライズでは生徒のあらゆるご要望にお応えできるように、教科書を使わずして授業を成立させる授業のやり方を教えていくことから始まります。

どうやってやるのかと言うと、事前にお客様からヒアリングしたご要望(英語を学ぶ目的やゴールなど多岐に渡る項目)に応じて講師自らが生徒の個別カリキュラムを作成していく練習を行います。そして、その個別にカスタマイズされたカリキュラムをベースとして、PDCAサイクルを回していく形式を取ります。

つまり、100人の生徒がいたら、100通りのカリキュラムを作ることになります。

なので教材については、一般的なものでは対応が出来ません。そこで基本的には講師が独自に作成していくのですが(小学校の先生の授業に似てますね)、現在ではこれまで9年間で10,000人以上の生徒を対応する中で講師が作成した教材が1,000以上ストックがあるので、それを利用していくことも多いですね。

正直、このやり方は講師にとっては非常に手間が掛かるのですが、従前のやり方と比べると圧倒的にお客様の満足度が上がっていくのは明白です。決まった教科書に沿って授業を行うのが講師の仕事ではなく、「生徒のミッション(ゴール)を達成させる」ことこそ、本質的な講師の仕事であると僕らは考えています。

仕事の定義は、「生徒のミッション(ゴール)を達成させる」こと。

3.競争環境を変える

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最後に必要なのが、加速度的な成長を実現するために、講師間の良い競争環境を生む仕組みを導入しています。

その最大の特徴は、優秀講師は日本で働くチャンスが与えられる点です。

日本で当たり前に暮らす僕らにとっては、「日本で働けるチャンス!」と言ってもピンと来ないかもしれませんが、フィリピンを始め、アジアの新興国の人々にとって日本で働けることは、いまだに憧れであり、とても狭き門です。

これまでの現地の語学学校では、講師の次のキャリアパスはありませんでした。少し言い方が悪いですが、講師人材はいくらでもいるので、その子が辞めれば、簡単に次が見つかる市場環境なので、安い賃金で使い捨てのような扱いを受けてきたのが現実でした。

その中で、ミライズではこれまでに50名以上の講師を日本に派遣してきました。講師は使い捨てではなく、ピカピカに磨き上げて世界で通用する人材に育てあげ、日本を始めとした世界で活躍してもらう。これがミライズのやり方であり、それによって、日本の英会話スクールでも異色のポジションを獲得出来ているのではないかと思っています。

日本への派遣は2016年からスタートしましたが、この仕組みがセブ島内では有名になり、多くの優秀な講師人材が日本行きを夢見て集まってきています。それによって、ますますハイレベルな競争環境を作り上げることができ、その結果として、安定して高いクオリティの授業提供が行える仕組みが出来上がりました。

次のキャリアパスを準備し、競争環境を変える。

まとめ

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ミライズでは講師の質を向上させるために、以下3つを変えました。

①採用方針を変えた 
▶︎ 経験者採用ではなく「努力できる才能」を持った人材を採用

②仕事の定義を変えた 
▶︎ 講師の仕事は教科書に沿った授業ではなく、「生徒のミッション(ゴール)を達成させる」こと

③競争環境を変えた 
▶︎ 使い捨てではなく、次のキャリアパスを用意し良い競争環境を作った

その他にも、全講師がTESOLを修了していたり、最低でもTOEIC900点以上持っていたりもします。

多くの英会話事業者は「自社の講師レベルは高い!」と謳っているのを良く見かけますが、消費者の皆様は、事業者がどのような努力を行って、その講師レベルの向上に取り組んでいるのかを聞くと良いかと思います。

ミライズも、もっともっと良い講師達を育て、日本人の英語に貢献していけるよう、高いレベルを目指して頑張っていきます。


最後まで読んでいただきありがとうございます



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