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週刊金融日記 第486号 人間の動作の信頼尺度で読み解く菅首相が不人気の理由、自民党総裁選に菅首相は勝てるのか、朝食にプロテインの正しさが証明される、資本主義社会では仕事が一番楽しい、他

// 週刊金融日記
// 2021年8月31日 第486号
// 人間の動作の信頼尺度で読み解く菅首相が不人気の理由
// 自民党総裁選に菅首相は勝てるのか
// 朝食にプロテインの正しさが証明される
// 資本主義社会では仕事が一番楽しい
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 東京ではコロナ感染者数はピークアウトしたようですが、いよいよ子供の夏休みが終わり登校がはじまると、学校でクラスタが頻発するようになると思います。家庭にウイルスが持ち込まれ、そこにいるのは多くがワクチン未接種の中高年の親なわけで、この学校→家庭感染がどうなるのか気になるところです。デルタ株は子供が特に重症化しやすいとは言えないようですが、従来の武漢株に比べて子供同士でも感染が広がりやすいことは間違いなさそうです。
 さて、総裁選挙に向けて自民党の党内政治も面白くなってきました。まず、総裁選挙に立候補すると言っていた元文部科学大臣の下村博文さんは菅首相は呼び出されて、俺と喧嘩するならいまの役職辞めてからにしろよ、と凄まれました。ガースーこと菅首相、下村政調会長を瞬殺です。そして、岸田文雄前政調会長は、二階幹事長らの自民党密室政治に反旗を翻し、菅・二階体制では選挙に勝てないと焦っている若手議員たちの票を集める算段で動いていたのですが、ガースーはさっそく岸田封じにも動きました。ガースー自らが二階幹事長を交代させる、と言い出し、さっそく二階氏の了承も取りつけたのです。逆に菅続投を支持していた二階氏は、ガースーに梯子を外されてしまったのかもしれません。二階だけに。
 ライバルを手際よく次々と封じ込めるガースーこと菅首相ですが、この調子で新型コロナウイルスのほうも封じ込めてもらいたいものですね。

★下村政調会長はメンツ丸つぶれです。

●岸田氏、出馬表明「幅広い選択肢示す」自民総裁選
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA25DC50V20C21A8000000/

●菅首相 二階幹事長を交代させる意向固める 二階氏も受け入れ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210831/k10013233861000.html

 今度は中国でゲーム禁止令です。これまで資本主義経済を標榜してきた中国政府ですが、最近は共産思想にでも毒されてしまったのか、急に社会主義的になってきました。心配ですね。

★僕は香港人コミュニティにも入っているので中国語ニュースは世界の報道機関が報じるより早く知ることも多くなりました。中国政府が子供のゲームを厳しく制限です。

●中国、ゲームは「週末1日1時間」強まる青少年管理
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM308P70Q1A830C2000000/

週刊金融日記 第481号 中国で突然受験のための塾などが禁止されました

 ちなみに、ゲームと子供の教育については過去にまとまった論考を書いていますので、興味のある方は読んでみてください。

週刊金融日記 第430号 ゲームと子供の教育について

 先日、メルマガにDaiGo氏の個人メディアの収益がいかにすごいのか、ということを書いたのですが、ようやく芸能界も自分たちがいかに貧乏なのかということに気づき始めたようですね。

★第484号で解説したとおり、ようやく芸能界も自分たちがいかにDaiGo氏ひとりに勝ててないのかということに気づき始めましたね。

週刊金融日記 第484号 DaiGo氏のヘイトスピーチ大炎上と恐るべきネット個人メディアの収益

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 身近に反ワクチンの人が意外と多いのですが2つのワクチン危険論が気になっております
- 日本は救急医療は中途半端に受け入れるのではなく門前払いになっていますが諸外国では遺族が医者を訴えるケースは珍しいのですか
- 救急搬送先のマッチング改善など医療機関のデジタル化のために何ができるでしょうか
- 一生働かないでいいお金を稼いだアラフォー経営者ですがコロナ禍の中で次何をすべきか迷っています
- 複数の暴力事件を起こした中田翔の移籍による謹慎ロンダリングについて
- 理系就活生ですが外資系コンサル業界についてどう思われますか
- マッチングアプリで成果を出せていたのですが銀座のドレスアップされた美女たちに慄きました
- 大阪でデリヘル開業するのでアドバイスお願いします

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.人間の動作の信頼尺度で読み解く菅首相が不人気の理由

 国民のコロナ禍のフラストレーションのぶつけ先になってしまったからなのか、菅首相の人気は右肩下がりです。内閣支持率はいわゆる危険水域と呼ばれる20%台にまで低下しています。しかし、それでも強力な野党が出てこないので、自民党は議席数をかなり減らすことにはなっても、まだまだ安泰だという見方もあります。

★ガースーは党内政治には無類の強さを発揮していますが、来たる衆議院選挙でのコロナ対策強化を謳う野党をどう封じてくるのでしょうか。

●菅首相の強気の根拠、内閣支持率「低調」でも党支持率は「好調」総裁が替わろうが替わるまいが自民党の「安定多数」は揺るがない
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66713

 さて、コロナ禍を巡っては、日本の民意は対策強化で感染者数をなんとか減らしてほしい、必要な医療を受けられるようにしてほしい、ということでしょう。しかし、政治家や評論家は、蔓延容認の経済派(そもそもコロナは問題ではないというノーガード派もこちら)とコロナ対策強化派で割れているように思います。医療関係者や感染症対策の専門家はもちろんコロナ対策強化派がほとんどです。ちなみに、僕は致死性の高いウイルスが流行していたらそりゃあ経済はダメだろう派ですが(バックナンバーを読んでください)、コロナ対策はどうあるべきか、というのは今週号でも脇においておくことにしましょう。

週刊金融日記 第482号 デルタ変異株感染爆発中の日本で自分と家族を守るためにやるべきこと
週刊金融日記 第485号 5分でわかる世界各国のコロナ禍現状と日本の今後の予想:中国・米国・NZ・インド・イスラエルなど

 そして、菅首相は明らかに、本音では蔓延容認&経済派ということです。しかし、同時にそれでは選挙に勝てないとわかっているので、あくまで表面上は、コロナ対策をやります、国民の命を守ることが第一優先です、と口ではいつも言っている、という状態です。

週刊金融日記 第451号 菅首相から学ぶ組織で本音と違うことをやらされたときの傾向と対策

 口で言っていることと実際に思っていることややることは違う、という人間行動を深く分析することは恋愛工学の最も得意とする分野ですね。この観点から、菅首相がなぜこんなに人気がないのか、ということを解説したいと思います。
 たしかに、僕自身も菅首相のコロナ対策は不十分で稚拙だと思っていますが、デルタ株感染爆発の前に高齢者と医療従事者へのワクチン接種が終わっていなかったとしたら、いまごろ日本は昨年の欧米のコロナ禍ピーク時のように、死体置き場が溢れてしまって体育館なんかに死体をどんどん並べる、みたいな状態になっていたことはほぼ確実で、そういう点で、いろいろ菅首相が上手くやった部分もあると思っています。
 このように口ではコロナ対策強化を言っているし、そこそこ実績も出しているのに、なぜこんなに菅首相は不人気なのか。それは簡単に言えば、前ニューヨーク州知事のクオモさんの反対でパーセプションのゲームに負けているからなのですが、それでは、なぜ負けているのか、ということです。

週刊金融日記 第414号 ニューヨーク州クオモ知事の大人気ぶりから考える命よりも金よりも大切なパーセプションのゲーム

 その答えは第93号に書いてありました。以下、引用です。

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